先日パキポディウム・グラキリスの発根管理について記事にしました。実はもう一つ同じタイミングで発根管理を開始したコーデックスがあります。
それは、万物想。本名はチレコドン・レティキュラータス。万物想という和名も哲学的でカッコいいですし、「レティキュラータス」という名称もカッコいいですよね。ラテン語で「網目」という意味です。
もちろん名前だけではありません。ゴロッとした幹には幾何学的に花柄が伸び、独特のフォルムをしています。万物想はもっとも大好きな植物の一つです。
そんなあこがれの万物想をとうとう手に入れてしまいました。しかもベアルート株で。いきなり難易度の高い方法での入手です。発根できなければ、枯れてしまいます。
万物想の発根管理。自分の方法をご紹介します。うまくいくのでしょうか。
万物想ってどんな植物?
冬型のコーデックスである万物想。秋から春にかけてが成長期であり、真夏の暑い時期は休眠します。
他の冬型のコーデックスといえば、他のチレコドン属、オトンナ属、アフリカ亀甲竜やフォークイエリア属など。夏型と比べて、珍奇さ増し増しな感じです。パキポディウムに代表される夏型も好きですが、どちらかと言うと冬型の方が自分の好みです。
そんな冬型コーデックスの中でも、一際特徴的なのが万物想です。
ゴツゴツした幹肌は、表皮がだんだんと剥がれていき、それだけでも神秘的な感じ。
そしてなんと言っても、花柄でしょう。ギザギザに伸びた枝状のものは、花が咲いた後に残ったもの。花が咲くたびに、このギザギザが残っていきます。
この幾何学的なランダムに、そしてギザギザに残る花柄は、多くなるほどなんだか神秘的な感じがしてきます。そんな様子から、「万物想」なんてカッコいい名前がつけられたのでしょうね。
それに、葉っぱもかわいい。多肉植物のようなプニっとした葉を伸ばします。
万物想の発根管理にチャレンジ!
大好きな万物想。無事発根させたいですね。
発根管理を開始したのは、9月初旬。かなりベストな時期なんじゃないでしょうか。冬型の植物なので、秋から成長期。ちょうど成長期に合わせて発根管理がスタートできます。成功確率が上がるのでは。
発根管理の基本的な方法は、パキポディウム・グラキリスと同じです。こちらの記事もご参考に。
しかし、万物想の場合は、あまり主根をカットしない方が良いという情報を見たことがあるので、根のまわりはあまり触らないようにしました。
以下の流れで作業を実施しました。
1.細い枯れた根を整理
2.オキシベロンに浸け込み
3.殺菌剤の塗布、乾燥
4.ルートンの塗布
5.植え込み
6.一週間後にメネデールで水やり
まずは、枯れた細い根を切って整理しました。しかし、主根を新鮮なところまで切ってといったことまではやっていません。
そして、オキシベロンのお風呂。40倍に希釈しました。だいたい12時間の入浴でした。
オキシベロン後は殺菌剤を塗布。ベニカXファインスプレーを吹きかけ。あまり切ってないので、もしかしたら必要ないのかも。一応念のため。
植え込み前に乾燥させます。万物想は、グラキリスに比べて乾きにくいです。めくれかけた幹肌の中にまで水が入って湿ってしまいますので、乾燥には時間がかかります。
パッとルートンを筆で塗って、鉢に植え込み。土はグラキリスの時と同じもの。
植え込み後すぐは、霧吹きで表面を湿らす程度に水やりをし、1週間後にメネデールの100倍水溶液で水やりをしました。
届いた万物想。花柄がヤバいですね。アフロヘアみたいです。
根はこんな感じ。
小さなプニっとした葉もついてます。
オキシベロンに。アフロの人がお風呂入っているみたい。40倍に希釈して、12時間ほど浸けました。
殺菌剤を塗布します。べニカXファインスプレーを使用しました。
乾かします。万物想は肌がごちゃごちゃしており、水分が乾きにく印象。つるっとしたグラキリスはすぐに乾いていました。
ルートンを筆で塗ります。ただでさえ乾きにくいので、できる限りうっすらと塗るようにしました。
今回は黒いナーセリーポットに植え込みます。まずは鉢底石を入れます。軽石の中粒を使用しました。
鉢底石は排水性をアップさせるのが目的。赤玉や鹿沼の中粒などを使う例もありますが、個人的には保水性の少ないものを使用するのが良いと考えます。
植え込み完了です。花柄が複雑に絡まり、幹が見えにくい。いい感じですね。何とか発根して欲しいものです。
植え込み直後は、霧吹きで湿らせる程度に。
いきなり水をジャーとあげたり、1週間程度待ってからという意見もあります。どれが良いのか分からないので、その中間をとって霧吹きで湿らせる程度に水やりをすることに。
底から水が流れるまであげると、せっかく塗ったルートンが流れてしまいそうです。とはいえまったく水分が無いのも良くないのでは?と考えた次第です。
1週間後に100倍に薄めたメネデールの水溶液で、底から流れるくらいたっぷりと水やりを行ないました。
植え込み後の管理方法は?
グラキリスの場合は、鉢を温めることが大切でしたが、冬型のコーデックスも同じなのでしょうか。
同じだろうと思って、太陽光でなるべく鉢が温まるよう、日光のあたる場所に出しておくことに。
ただ、直射日光は良くないでしょう。まだ根が無いですし。根が出たら、むしろ日光にあてるべきですが。
そこで、このように不織布を1枚かけることに。植物には直射日光があたりませんが、鉢には日光があたって温まります。お隣で同じく不織布を被っているのは、発根管理中のパキポディウム・グラキリスです。
水やりは、鉢を持って軽くなって、2日から3日たってからあげることに。先にも見てきたように、水分が染み込んで乾きにくい表皮をしています。腐りやすいことが予想されますので、乾かし気味に管理をしたいと思います。
その後は?
植え込み後の経過報告です。葉がたくさん展開し始めました。
植え込みから5週間。発根状況をチェックしました。果たして、無事に根が出たのでしょうか。
冬越しで室内に置いておいたら、せっかく出てきた葉が枯れてしまいました。とある対策を施したら、、、。
まとめ
万物想は大好きな植物です。初めて手に入れたのですが、いきなり未発根のベアルート株に手を出してしまいました。
今回ご紹介した手順で、万物想の発根管理を開始しました。あくまでも個人的に調べて実践した方法なので、これで根が出る保証はありません。何とか発根を成功させたいものです。経過は随時報告していきたいと思います。
もう1個別の万物想でも発根管理を開始しました。こちらはちょっと小型の万物想です。
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