晩婚化による住宅取得時期が遅くなったり、住宅価格の高騰により、平均的な住宅ローンの完済年齢が、この20年の間で5年も後ろに延びているようです。その年齢は、なんと73歳。リタイヤしても、ずっと返済を続ける計算です。
実際には、繰り上げ返済をして、もっと完済のタイミングは早くなるのでしょうけど、73歳というのは驚きです。
ただ、よくよく考えてみると、住宅ローンは35年で借りる方も多く、例えば37歳で家を買うと、完済年齢は72歳になります。まあ、さもありなんという感じですね。
しかし、住宅ローンは長期に渡ります。その間に何があるか分かりません。繰り上げ返済するつもりであっても、毎月の支払いだけでかつかつで、繰り上げ返済どころでは無くなってしまうかもしれません。そうなってしまうと、本当にリタイヤした後でも、何年にも渡って返済し続けなければならなくなります。怖いですね。
自分も人ごとではないので、真剣に考えなければなりません。どうすれば、住宅ローンを抱えることのリスクを低減できるのか。考えた結果、分かってきたのが投資の有効性です。しかも、ローン返済額の半分程度の金額は、投資した方がいいんじゃないかという結論に至りました。この記事では、その理由を説明します。
経済環境が悪くなりそうななか、これから家の購入を検討されている方は、不安を抱えていると思います。そんな不安を解消する一助になれば幸いです。
- 住宅ローンのリスクを低減する方法とは?
- 貯蓄ではなく、投資をした方が良いと思う理由
- ローン残高と資産形成のシミュレーション
- 変動金利ならなおさら資産形成を
- 将来的には配当や分配金でローンを払えれば嬉しい
- まとめ
住宅ローンのリスクを低減する方法とは?
住宅ローンの残債と同額の資産を持つことができれば、実質的にリスクが無くなります。
まず、住宅ローンのリスクって、返済が不能になることですよね。返せなくなると、当然家は銀行に差し押さえられますし、自己破産しなければならないかもしれません。自己破産すると、様々なものを失いますし、その後何年もお金の借り入れはできなくなりますし、クレジットカードも作れなくなります。
つまり、もし何らかの理由により働けなくなって毎月のローン返済ができなくなっても、最終的に残債をすべて返済できればOKなのです。
そのためには、ローン返済と同時に資産形成を行い、ローンに対抗できるだけの資産を作るのです。
ローンの残高って、何千万もあります。果たしてそんな資産を築くことができるのでしょうか。
もちろん、すぐには不可能です。ローンを借りてすぐ返せなくなるなんて、レアケースでしょうから、長期的な取り組みで対抗力をつけるのです。毎月積み立てて、資産形成を行います。
そうしたら、ローン残高は毎月の返済で確実に減っていきますし、毎月積み立てれば資産は増えていきます。しばらくすると、残高と資産額が逆転するはずです。そうなればもう安心。いつでも全額返せる状態になったのです。
その逆転するタイミングは、出来るだけ早く訪れて欲しいですよね。では、どうすれば、タイミングを早めることができるのか。それには、投資が必要になります。
貯蓄ではなく、投資をした方が良いと思う理由
家を買った直後は、貯金がかなり減ってしまっている状態です。頭金や諸費用、家具家電の購入費で結構なお金が出ていきます。
貯蓄を開始するのですが、これまでとは前提条件が大きく異なります。そう、住宅ローンを抱えているのです。大きな借金です。この借金に対抗できるような資産を、出来るだけ早く作ろうというとがこの記事の趣旨です。
そのためには、ただお金を銀行に預かるだけだと全然増えないので、投資を取り入れるべきなのではという考えに至りました。
銀行預かるだけじゃ、なかなか貯まらない。インフレのリスクも。
銀行預金など現金を貯めるの(貯蓄)はもちろん大事なのですが、銀行に預けていても利息がほとんどつかず、まったく増えません。
例えば三菱UFJ銀行の普通預金の場合、金利は年に0.001%です。100万円を預けていても年に10円しかもらえません。1億円預けていても1,000円です。
もし配当利回りが3%の株式を100万円分保有している場合、年間3万円入ってくることになります。(税金は考慮していません)1億円だと300万円です。銀行預金と大きな違いです。
ただ、銀行預金の場合は預けたお金が減ることはありません。(正確には銀行が破綻した場合、1,000万円までしか守られません)株式の場合は、会社の業績や経済状況により価格が下がってしまう恐れがあります。そうした価格の変動のことをリスクといいますが、銀行預金はリスクが限りなく小さく、逆に株式などは大きくなります。しかし、そのリスクを取ることでリターンを得ることができます。
また、現金だとインフレに対応することができません。インフレとは、物価が上昇すること、反対に言うとお金の価値が下がることです。1万円のものが1万2千円に上昇した場合、1万円出せば買えていたものが買えなくなるのですから、そのモノに対してお金の価値が下がってしまったということになります。
政府と日銀は、量的・質的金融緩和により、年間2%のインフレを目指しています。説明は省きますが、小さな継続的なインフレは、経済全体に良い影響を与えるとされているからです。日本はずっと不況に喘いでおり、ずっとデフレでした。デフレのギャップのインフレになるのですから、なんだか良さそうですね。
それに、世界的な金融緩和により、大変な量のお金が世の中に供給されています。株式や金、ビットコイン等の価格が上がっているのも、それが原因とされています。
つまり、日本ではずっとデフレが続いていますが、インフレになってもおかしくはない状況ではあるのです。
そして、もし毎年2%のインフレが起きたらどうなるのか。そう、せっかく貯めたお金が、毎年2%ずつ価値を失っていくのです。要するに、見た目は変わりませんが、実質的にはお金が減っていくのです。銀行預金はリスクが無いとされていますが、インフレのことを考えるとそうとも言えないのです。
資産形成に投資が必要と考える理由
これまでは、銀行預金ではお金がなかなか貯まらないし、なおかつインフレのリスクもあることから、投資を取り入れようと書いてきました。
しかし、逆に減ってしまうリスクがあります。リーマンショックでは株価が半分まで下がってしまいました。もし株式で運用していた場合、せっかく苦労して築き上げていった資産が一気に半分になったのです。最近のコロナショックでも、大きく値を下げたのは記憶に新しいところです。
そんな状況をみると、やはりリスクのない銀行預金が良いと思ってしまうのも無理はありません。
老後2,000万円問題をきっかけに、証券会社の口座開設がかなり増えたようです。年金がーって騒いでいる人たちを横目に、冷静に資産形成を考えた人がたくさんいたのです。そもそも老後2,000万円の報告書って、よくよく読んでみると、老後のために投資で資産形成しましょうって書いてあるだけです。当然のことを書いてあるだけでした。詳しくはこちらの記事で。
しかしただ貯金するだけだと、当然お金は増えません。ここから、ちよっと簡単な例を。
例えば毎月5万円の銀行預金を10年間続けた場合、600万円になります。それをもし投資信託などで年間5%で運用できた場合、776万円になります。176万円も違ってきます。
現金の預金のみの場合
600万円
5%で運用できる投資信託に積立投資した場合
776万円
10年間の差は?
176万円
それがさらに長期でしかも運用資金を増やした場合はどうなるでしょうか。もし毎月10万円を20年間貯めるとします。貯金だと1,200万円です。5%で運用した場合は、なんと4,110万円になります。2,910万円の差です。貯金額の2倍以上の利益が生まれるのです。
毎月10万円の現金預金のみの場合
1,200万円
5%で運用できる投資信託に毎月10万円積立投資した場合
4,110万円
20年間の差は?
2,910万円
そんなうまくいくのかという疑問も生まれると思います。またリーマンショックみたいなのがあると、資産形成どころじゃないだろうという疑問もあるでしょう。
資産形成は数年数十年単位の長期になります。長期で考えると実はリーマンショックもチャンスになるのです。現にリーマンショックが発生したのは2008年9月でしたが、約10年後の2019年7月にはニューヨークダウは市場最高値を更新しました。リーマンショック後徐々に株価は回復し、リーマンショック前の株価を超えてさらに高値になったのです。さらに、コロナショックを経て3万ドルを超えるに至っています。
日本の株価もリーマンショックで7,000円台まで落ち込みましたが、アベノミクスで上がり続け、2019年は20,000円台にまでなっています。さらにこのコロナショック。一時期はかなり値を下げましたが、その後一気に株価は回復し、バブル後の最高値を更新しました。
投資といっても最初に大きな金額で金融商品を買ったきりで、置いておくのではありません。毎月毎月数万円ずつ決まった金額で投資信託などを購入していくのです。そうすると株価の暴落時には、同じ金額でより多くの数量を購入できることになります。逆に株価が上がっているときには、購入数量は少なくなります。
いつ株価が上がって下がるのかは誰にも分かりません。だからこそ毎月定額を定期的に購入することで、価格変動のリスクを低く抑えることができます。そして暴落時により多くの数量を買えるということは、株価が上昇したときには資産価格を上昇させる大きな力になります。この買い方をドルコスト平均法といいます。
ドルコスト平均法で積み立てていれば、リーマンショックなどの暴落は長期で考えるとかなり安い価格で購入できるチャンスだったのです。
そして、投資をした方がよいもっとも大きな理由は、複利の効果を利用できることです。
複利の効果を活用しお金をふやそう
住宅ローン4,000万を金利1%の35年で借りたとします。その場合支払う金利の総額はどれくらいになるでしょうか。4,000万円の1%で40万円でしょうか。そんな安いはずはありません。この1%は毎年のローンの元本にかかってくるのです。ローンは継続的に返済していきますので、この元本は毎年毎年減ってはいきますが、毎年の1%の金利が蓄積すると35年で742万円にもなります。住宅ローンを借りる時には、毎月の返済額が注目されますが、実はローン借入額に加えてかなりの額の金利を支払っているのです。もし金利が1.5%になった場合はどうでしょうか。金利の合計は約1,144万円にもなります。恐ろしいです。
では逆にお金を貯めるときにこうした効果を活用することはできないでしょうか。銀行にお金を預けると、逆に金利をもらえます。(雀の涙ですが)
昔話として、郵便局に定期で貯金をすると金利でかなり増やすことができたと聞いたことがあります。過去の定期の金利を調べてみると、バブルの前は7%もの金利がついたこともあったようです。通常の貯金でも4%といった水準にまでなったことがあります。例えば年利5%で100万円を預けたとします。1年預けると5%の金利がついて105万円になります。翌年にはその105万円に5%の金利がつきます。1,102,500円になります。さらにその翌年には1,157,625円です。
このように金利で増えた額にさらに金利がつき、雪だるま式にお金が増えていきます。これを「複利」といいます。相対性理論で有名な天才物理学者であるアインシュタインも、複利を人類最大の発明だと言ったのは有名な話です。
住宅ローンでは毎年毎年金利を取られているのですから、逆に金利を利用してお金を増やすように考えてみましょう。
複利でお金を増やすにはどうすればいい?
それではどうすれば複利の恩恵を得られるのでしょうか。昔は郵便貯金で大きな金利を得られたのでしょうが、今は全くといっていいほど金利はつきません。ほぼゼロです。
そこで上のほうで書いてきましたように投資をするしかありません。株式や投資信託、債といった金融商品を購入するのです。株などは確かにリスクを伴います。損をするかもしれません。それでもお金を効果的に増やすためには、そのような金融商品に、リスクを取って投資を行うしかないのです。貯金や預金でそこそこの金利がつけば、ノーリスクで増やせるのですが、今はそんなに多くの利息を支払ってくれる金融機関は日本にはありません。海外の銀行では利息が高いところもありますが、そんな国の通貨はあまり強くないことが多く、強い円と比べると利息以上に為替で損する可能性が高いです。
リターンを得るためには、リスクをある程度受容することが必要になります。ただ、そのリスクも分散をすることで、かなり小さくすることが可能です。上記のドルコスト平均法もその方法の一つです。積み立てにより、時間を分散するのです。
また、投資する商品や投資先を何にするか、よく考える必要があります。代表的な投資先は株式と債券です。債券とは国債や社債など、国家や企業の借金です。債券はバックが国家や大きな企業ですので、デフォルト(返済できなくなること)のリスクが小さく比較的安全な資産です。その代わり株式に比べるとリターンが小さく、債権ばかりに投資しているとあまり増えないということになってしまうかもしれません。
こうした投資先も分散させます。例えば、年金を運用しているGPIFは、債権と株式に半分ずつ投資しています。また、それぞれ海外と国内で半分ずつ構成されています。つまり、外国債権25%、国内債権25%、外国株式25%、国内株式25%での割合で分散して投資されています。株式と債権は逆相関の関係があるとされており、半分ずつ持つことでポートフォリオ全体のリスクを低減させるのです。
結局何を買うべきなのか
どの資産にどれだけの割合で購入するかは、個人の判断となります。そうした資産の割合を決めることを、アセットアロケーションと言います。
個人的には、株式のインデックスファンドをメインに購入すれば良いと考えています。1年といった短期で見た場合、株式は変動が激しく損をする可能性もかなり高いです。しかし、10年単位の長期で見た場合、かなりの確率でリターンを得られるとされています。投資界隈で名著とされているこちらの本に書いてありました。
また、積立投資なので、購入金額を細かく設定できるインデックスファンドが良いと考えました。ETFの方がもちろんコストを抑えられますが、最近はインデックスファンドもかなり競争が激しくなっており、信託報酬が0.1%を切るような低コストのファンドも出ています。
ローン残高と資産形成のシミュレーション
家を買うと数千万円のローンを契約し、数十年に渡って返済を行なっていくことになります。マイホームを購入して数年のうちは問題なく返済できるでしょうし、家を買う時には返せなくなるかもしれないなんてことを考えないでしょう。
何度も言いますが、人生何があるか分かりません。病気やケガで働けなくなるかもしれませんし、仕事が嫌になって辞めたくなることもあるかもしれません。
そんなとき多額のローン残債は大きなリスクとなります。いざという時に一括返済する、あるいは多少働かなくても生活できるだけの資産を持つことは、住宅ローンのリスクを減らすことに繋がりそうです。
もし働けなくなったときは家を売ればよいという意見もあるかもしれませんが、新築物件の場合、住んだ瞬間から2~3割は物件価格が下がると言われていますので、頭金を多く入れない限りは、物件の売却価格よりローン残債が大きくなる可能性が高いです。
やはり、ローン残高と同額程度の資産は作っておきたいところです。
ここからは、どれだけの金額をどれだけの期間積立すれば良いのか、シミュレーションしてみましょう。
Aさんは、3,500万円のマンションを、3,000万円の借り入れで購入しました。35年ローンです。金利は年利1%としましょう。毎月の返済額は84,685円となります。ボーナス払いは無しとしました。
この条件だと、ローン残高は5年後には約2,633万円、10年後には2,247万円となっています。
借入額:3,000万円
期間:35年
毎月の返済額:84,685円
Aさんはローン借入と同時に、積立投資を開始しました。毎月の返済額の約半分、42,000円を毎月の積立額とします。運用利回りは5%。
返済額:84,685円
約半額の42,000円を毎月の積立額と設定
18年8カ月時点の住宅ローン残高:15,379,793円
18年8カ月時点の資産額:15,461,319円
住宅ローンの毎月の返済額の約半分の額を積立投資した場合、18年8カ月の時点で資産額とローン残高が逆転する計算となりました。では、もう少し頑張って、積立額を増やした場合はどうでしょうか。返済額の約2/3の56,000円を積み立てたと仮定しましょう。
返済額:84,685円
約2/3の57,000円を毎月の積立額と設定
16年6か月時点の住宅ローン残高:17,227,528円
16年6か月時点の資産額:17,425,518円
返済額の2/3くらいまで積立額を増やすと、16年と半年で資産額が逆転することになりました。では、返済額と同額を積み立てたとした場合、どうなるでしょうか。
返済額:84,685円
返済額と同額の84,000円を積立
13年8カ月時点の住宅ローン残高:19,584,197円
13年8カ月時点の資産額:19,625,477円
以上の資産は投資の利率を年5%で計算していました。もし利率が7%になればどうでしょう。米国株を中心にすれば、7%というのは不可能ではない利率です。返済額とほぼ同額の84,000円を積み立てした場合で計算してみましょう。
返済額:84,685円
返済額と同額の84,000円を積立(年利7%)
12年9カ月時点の住宅ローン残高: 20,332,470円
12年9カ月時点の資産額:20,578,490円
5%の場合と比較して、1年程度早く逆転することが分かりました。
最後にまったく投資をせずに、現金で積み立てた場合はどうなるでしょう。84,000円を毎月預金します。
毎月の預金額:84,000円
16年11カ月時点の住宅ローン残高:16,875,296円
16年11カ月時点の資産額:16,968,000円
5%で運用した場合は13年8カ月、投資を取り入れなかった場合は16年11カ月かかることが分かりました。3年以上違ってきます。
以上のシミュレーションの通り、出来ることなら毎月の返済額とほぼ同額を積み立てていくことが望ましいです。 やはり積立額が増えるほど、資産形成のスピードもアップします。また、ローン金利が低ければ、残高が減少するスピードも速くなります。
変動金利ならなおさら資産形成を
自分は固定金利で借りましたが、今はかなり金利が安くなっていることから、変動金利で借りておられる方のほうが多いようです。固定金利のメリットは、返済額が将来に渡って変わらないので、資金の計画が立てやすい点にあります。一方変動金利は、経済環境の変化により、金利が上昇する可能性があります。金利が上昇すると、当然返済額も増えます。
昨今の良くない経済状況を考慮すると、当分は金利が上がりづらい状況が予想されますが、将来のことは誰にも分かりません。
変動金利は固定金利に比べて金利が低いことから、毎月の支払金額を抑えることができます。固定で借りたと考えて、その差額を積極的に投資を行ないましょう。
もし金利が上昇するような局面があった場合、繰上げ返済を行なえる資金をローン返済と並行して作っていくことが大切です。
将来的には配当や分配金でローンを払えれば嬉しい
このように投資を実行し、一つ目指したいことがあります。それは投資した株などから得られる配当金で住宅ローンの支払いを賄えたらいいなと思うのです。家計における住宅ローンや家賃などの住居費は結構な負担ですので、それを配当などの不労所得(労働により得た所得ではない所得)で払ってしまうことができれば、家計にかなり余裕が生まれます。
貯まった資産により一気に残債を返済することもできますが、当然資産がローンと相殺されていまいます。ローンは一気に返すのではなく、これまで通りの返済を配当金で賄うことができれば、給与所得から住居費を負担する必要もなくなりますし、当然資産も無くなりません。
例えば、ローンを毎月10万円支払っているとします。年間だと120万円。それだけの配当や分配金を得ようと思うと、どれだけの金融資産が必要でしょうか。
利回りを4%とした場合、120万円÷0.04で3,000万円分必要になります。注意が必要なのが税金も考慮しなければならないことです。配当には20.315%の源泉分離課税がかかります。計算を簡単にするためにちょうど20%とすると、120万円分を手取りとして得るためには、120万円÷0.8で150万円必要になります。その150万円÷0.04で3,750万円もの金融資産が必要となる計算です。
3,750万円もの資産を作ろうと思うと大変ですが、それだけの金額があればその配当だけでローンが返せてしまうのです。また、配当は使うのを我慢してさらに株式等の購入に充てれば、さらなる複利効果を得ることができます。
まとめ
住宅ローンのリスクを低減するためには、同じだけの資産を持てば良いと考えました。ただそんな多額の資産、なかなか作ることなんてできません。そこで、投資をして複利の効果を活用しようというのがこの記事の趣旨でした。住宅ローンの残高より、資産の方が多ければ、もう心配はいりません。
年金2,000万円不足問題以降、投資への機運が高まっているようです。2,000万円問題については、こちらの記事を書いております。
最近ではNISAや積立NISAの恒久化が議論されているようです。 idecoの利用条件も緩和されています。投資を行なうにあたってNISAやidecoといった制度は大きな助けになってくれます。政府がこのような制度を整備して投資を促しているのも、将来的な年金額の保証が難しく、国民の自助努力を目的としているのかもしれません。
投資は長期で行えば行うほどメリットがあります。若いうちから始めるとよいと思いますので、マイホームを買う買わないにかかわらず、投資を検討してみてはいかがでしょうか。
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