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維持できない!?マンションの機械式駐車場のデメリットについて考える

都市部のマンションだと、その多くで機械式の駐車場が採用されています。都市部は土地が限られており、戸数分の駐車場を確保するためには、1台分のスペースに複数台を駐車できる機械式駐車場は合理的な選択ではあります。ただ、後々問題となることも。

今回は機械式駐車場について。そのデメリットを考えてみたいと思います。

 

 

 

 

機械式駐車場を持て余すマンションが多い?

マンション管理会社大和ライフネクストが運営するマンションみらい価値研究所のコラム「消えゆく機械式駐車場(2021.7.21)」によれば、都市部のマンションの多くで機械式駐車場を持て余している実態が報告されています。まとめると、下記のような内容です。

 

・同社が管理を受託する物件のうち、7.4%が機械式を平面化している。平面化は、特別なことではなくなってきている。

・分譲から20年後、つまり機械式駐車場の入れ替えの時期に平面化するケースが多い。

・都市部では車の所有率の低下から、駐車場の空きが目立つようになった。駐車場代が徴収できないと、メンテ費用で赤字になってしまう。

 

このように、もともと機械式駐車場が導入されていたマンションにおいて、機械式を廃止して平面駐車場に変えてしまう動きが結構あるようなのです。

都市部では自動車を持つ人が減ったことで、駐車場が埋まらないという事態に。機械式は定期的なメンテが欠かせず、それに伴う出費が必要です。メンテ費用の原資は、毎月の駐車場代。駐車場を利用する人が少ないと、それだけ徴収できるお金も減ってしまいます。一定以上駐車場が埋まらないと赤字に。利用者が少ないのに、金食い虫の機械式駐車場を維持する理由はありません。

 

 

機械式駐車場のデメリットについて考える

駐車場を平面化する最大の理由は、「お金がかかる」というもの。駐車場利用者が減ることで、メンテ費用が重くのしかかります。色々大変そうな機械式駐車場。一体どんなデメリットがあるのか、考えてみました。

 

メンテナンス費がかかる

重たい車両を乗せたパレットを上下左右に動かす機械式駐車場。定期的なメンテナンスが欠かせません。部品が壊れたら交換も必要です。さらに、いずれ駐車場の設備そのものを交換する時期もやってきます。

修理屋メンテナンスのため、修繕費を積み立てなければなりません。国土交通省のガイドラインによると、目安の修繕積立金は下記の通り。もちろんマンション本体の積立金も別途必要で、機械式駐車場を設置している場合には、下記の金額を追加で徴収するよう推奨されています。

この金額を毎月の駐車場代で賄えればよいのですが、最近都市部のマンションでは駐車場の空きが目立つようになっており、十分な金額が徴収できていないケースも多々あることでしょう。

 

 

機器の更新が必要

分譲から20〜30年経過すると、機器の更新時期を迎えます。機器を新品に入れ替える場合、パレット1台あたり100万〜150万円のコストが目安とされています。30個のパレットを備えた駐車場だと、4,000万円ほどの金額になります。

マンション本体の修繕とは別に発生する決して軽くはない負担です。

 

 

普段の利用も面倒なことが多い

普段の利用シーンでも、このようなデメリットがあります。

・すぐに出庫できない

・外出が重なると、順番待ちに

・入庫にも時間がかかる

・車種に制限がある

・メンテ中は動かせない

機械式駐車場だと、平面駐車場のようにパッと車に乗って出かけることができません。車に乗るまでに、暗唱番号を入力しパレットを移動させるワンクッションがどうしても入ります。平面と比較して、5分くらい余分にかかるでしょうか。

前に人がいると、前の人の出庫が完了するまで待たなければなりません。出庫待ちが重なると大変ですね。

もちろん帰宅時も同じ。ここでも待ちが入ります。すぐに家に入れません。

機械式駐車場によっては、車の大きさに制限があります。一般的な駐車場は横幅制限が1,850mmとなっています。我が家のプラドは入りません。全高は、最上段のパレット以外は1,550mmまでが一般的です。ミニバンは入りませんし、例えばCX-5の全高は1,690mmあるので、中段や下段のパレットには収まらないことに。SUVも厳しくなります。

 

 

まとめ

以上機械式駐車場について考えてみました。色々と大変そうな機械式駐車場。とはいえ、かなり多くのマンションで機械式が採用されています。都市部ではほぼ機械式でしょう。

限られた土地を有効活用するには、車を立体的に収納できる機械式は効率的です。平面や自走式だと、それだけ広い面積の土地が必要となります。

全戸分の駐車場を確保するためには、効率的にスペースを使うことができる機械式駐車場は合理的な方法です。オフィスビルなどは、ほとんどが機械式です。

ただ、マンションは企業が費用を負担するオフィスビルと違って、設備のメンテ費は住民が負担しなければなりません。機械式駐車場の維持には、決して安くないお金が必要となり、各マンションの会計を苦しめているようです。

マンションを選ぶ際には、駐車場の形態も考慮に入れた方が良さそうです。