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インフレの足音が近づいてきた!?インフレで金利が上昇する理由。住宅ローンはどうなる?

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現在世界的にインフレが起きつつあります。アメリカなんて、7%もの高インフレ率です。日本でも消費者物価指数はそれほど上昇していませんが、企業間の取引である企業物価は日本でもかなり上昇。21年11月で前年比9%も伸びました。つまり、仕入れ値は上昇しているということ。見えない所で物価は上がっています。価格に転嫁されるのも時間の問題でしょう。

マンションの購入を検討しているなら、物価には注意を払う必要があります。もちろん物価が上昇することで物件価格自体が上昇することもあります。確かに不動産価格は上がっており、東京では新築マンションの平均価格がバブル期を超えたそうです。

それだけではありません。インフレに関連して特に気にすべきが、ローン金利です。インフレになると、金利が上昇します。何十年もの長期の住宅ローンは、少しの金利でも総支払額に大きな違いをもたらします。1%の違いはめちゃくちゃ大きいです。

インフレになると、どうしてローン金利も上昇するのか解説します。そして、昨今のインフレ関連のトピックをまとめました。

 

 

 

 

インフレになると住宅ローン金利が上昇する?

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物価と金利は密接に関わり合っています。物価が上昇すると金利も高くなります。逆に物価が下がるつまりデフレになると、金利も低下します。日本はデフレが長く続いており、それに呼応して住宅ローン金利もかなりの低水準となっています。

では、どんなメカニズムが働いて、物価と金利が関連しているのでしょうか。

 

インフレで金利が上昇する要因

インフレになると金利が上がる理由。下記3つの要因が考えられます。

 

1.好景気に伴う資金需要の増加

2.お金の価値の低下

3.中央銀行による引き締め

 

1.好景気に伴う資金需要の増加

まず、景気が良くなると、企業はここがチャンスとばかりに店舗を拡大したり、工場設備の増強を検討します。つまり、投資を増やそうとします。

それに、徐々に物価が上がるのであれば、欲しいものが来年には値上がりしている可能性も。それなら、今のうちに買ったり投資してしまおうというインセンティブが働きます。こんなことも、資金需要が増える原因です。

投資のための資金を調達する方法としてもっともポピュラーなのが借り入れです。銀行などの金融機関からお金を借りること。預金者のお金を、資金を必要とする企業や個人に貸し出す金融仲介機能が、銀行の主な役目の一つです。

ただし、資金需要が増えすぎると、銀行はより高い金利を提示して貸し出し量を調節しようとします。それにより、金利が上昇します。

 

2.お金の価値の低下

物価が上昇するということは、モノの価値が上昇し、お金の価値が減るということ。通貨の価値が下がると、金利が上昇します。例えば通貨の信用が高い日本円は常に低い金利に抑えられています。しかし、昨年大幅に下がったトルコリラは、政策金利が14%にまで上げられています。また、ブラジルのレアルは金利が9.25%です。

国が借金をする時には、国債を発行します。国債を銀行などの機関投資家や個人に買ってもらうことで、資金を調達するのです。国債は言わば借用証書で、保有していれば期限が来たら利子を追加して償還してもらえます。

ただ、信用の低い通貨だと、償還期限が来る前に暴落してしまうかもしれません。リスクが高いのです。そんなリスクの高い国債は、ある程度高い利子をつけないと誰も買ってくれません。よって金利が高くなります。

 

3.中央銀行による引き締め

インフレが急激に起こっても、給与が追いつくのには時間がかかります。つまり、モノが高くなっているのに、収入が変わらないという事態が起こり得ます。こうなると、人々の財布の紐が固くなり、景気を冷やしかねません。

そうなる前に中央銀行は急激なインフレを抑えるべく、金融引き締めを検討します。2022年1月時点において、アメリカの中央銀行であるFRBでは、金融緩和を縮小するテーパリングや利上げが検討している旨報道されています。利上げつまり金利を上げること。インフレが進み過ぎないよう金利を上げて調節するのです。

 

特に固定金利が上昇

インフレになると金利が上昇。その理由を解説してきました。市場の金利は、住宅ローンの借り入れ金利にも影響します。これから家を買う方にとって、かなり気になりますよね。

住宅ローンには、大きく分けて固定金利と変動金利があります。インフレの際には、どちらの金利タイプがより大きな影響を受けるのでしょう。

そう、タイトルにもあるように、基本的にはまず固定金利が上昇します。

固定金利は「10年物国債」の金利をもとに決まります。国債は日々市場で売買されており、価格が変動します。その国債の売買価格によって、金利が変わるのです。それは、債券は売り出し時点で将来戻ってくるお金が決まっているため。国債価格が上がれば金利は下がり、価格が下がれば金利が高くなります。

日々の市場での動向がダイレクトに響くのが、市場の金利をもとに決まる固定金利です。

一方で変動金利は金融機関が独自の判断で決定します。変動金利のベースとなるのが、「短期プライムレート」です。銀行が企業へ1年未満の短期で貸し出す際の最優遇金利のこと。実は多くの金融機関で、短期プライムレートは何年も底に張り付いて変わっていません。短期プライムレートは、お金の調達金利などを勘案して、各金融機関が独自に決めています。

住宅ローン金利は、この短期プライムレートをベースとして、金利優遇分を引いた金利が設定されます。金利優遇幅は、銀行が他社との差別化を意識して設定します。そう、引き下げ競争が行われています。今では0.5%を切るようなかなり低い商品も。

固定金利も金融機関間の競争がないことはありませんが、基本的には国債金利に自動的に連動して金利が定められます。変動金利は金融機関が競争しながら定めています。

よって、金利が上昇するような局面となった場合、いち早く固定金利が反応します。なので、「変動で借りておいて、金利が上がり始めたら固定に変える」なんて魂胆はほぼ不可能と言えます。

 

変動金利も遅れて上昇

固定金利は、インフレに反応して上昇。変動金利はどうでしょう。

経済情勢によって変動するのが変動金利。固定は一度貸し出したら金利は変わらないので、適用金利が経済情勢に敏感に反応します。変動は借りた後でも変化する金利。金利が変わるリスクを引き受けることで、低い金利で借りることができます。

とは言いつつも、これまで変動金利は一方的に下がってきました。0.4%を切るなんて金利も登場しています。果たしてインフレで金利が上がるのでしょうか。

答えとしては、金融機関次第だが、損をしないためにも上げるはずというもの。貸したお金の価値が下がりますので、低い金利のままだと損をしてしまいます。日本のインフレ率ずっと0に近く、というかデフレでした。だからこそ、極端に低い金利が実現しています。例えば継続的に2%のインフレとなる見込みがあれば、2%プラスアルファの金利になるはずです。

で、継続的な2%のインフレが実現てきるかというと、なんだか厳しそうですよね。もし物価が上昇しても一時的なものに収まる可能性があり、であれは金利は低いままで維持しそうです。

 

 

うまい棒も!インフレに繋がりそうな出来事まとめ

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インフレになりそうな雰囲気がプンプン漂っています。現に食料品の価格は徐々に上がりつつあります。うまい棒がとうとう10円ではなくなります。お菓子の内容量もなんだか少なくなっている気がします。

インフレには2つのインフレがあります。一つはディマンドプルインフレ。ディマンドは需要のこと。需要が引っ張って物価が高くなる現象です。一般的には好景気で消費が旺盛な時に発生します。良いインフレとも言われます。

もう一つがコストプッシュインフレ。かつてのオイルショックのように、供給が滞ることで発生するインフレです。悪いインフレとも呼ばれます。不景気下でも起こり得ます。不景気で物価が上昇する現象は、スタグフレーションと言って避けるべき事態です。

今まさに起きようとしているインフレは、半導体不足や資源価格の上昇などコストの上昇によるもの。まさにコストプッシュインフレです。

現在どのような要因がインフレをもたらそうとしているのでしょうか。ここ最近ニュースで目にする事象をまとめてみました。

 

金融緩和のテーパリング

コロナショックを受けて、各国で大規模な金融緩和が行われました。21年に株価が大きく上昇したのも、ばら撒かれたお金がそうした資産に流れたため。資産価格の上昇だけでなく、物価の上昇ももたらしました。お金が多く刷られると、それだけ価値を棄損することになります。お金の価値が低下するということは、反対に物価が上昇するということ。特にアメリカでは、問題となるほど物価が上昇しました。

FRBではそうした状況を受けて、テーパリングの議論が活発化しています。テーパリングとは、先細りや縮小といった意味合い。金融緩和を縮小していくのです。さらに引き締めも。

その方法は、国債などの資産の買い入れをやめたり、政策金利を上げること。金利が上げられる可能性があります。

アメリカで起こったことは、いずれ日本にも波及するはず。大規模な国債買い入れによって0%付近で抑えられている金利。テーパリングによって上昇する可能性も。

 

資源価格の上昇

ガソリン価格がかなり上昇しています。レギュラーガソリンでリッター160円を超えています。うちの車はディーゼルですが、軽油も少し前のハイオクガソリンの価格くらいまで上昇しています。

原油は燃料としてだけでなく、ビニールなど様々な化学材料にも用いられています。原油価格が高騰することで、様々な物が値上がりすることになります。

原油だけではありません。食料も。小麦などの穀物や大豆の価格も世界的に上昇しています。天候不順や中国の買い占めなどが影響しています。

 

半導体不足

半導体は様々な製品に使用されています。スマホはもちろんのこと、自動車にも。半導体不足で自動車生産が滞ったニュースは記憶に新しいところ。

半導体不足は、中古車価格の上昇に影響しました。新車がかなり納期がかかるので、人々は中古車を買いに走ります。それにより中古車が品薄に。人気の車種など、オークションで奪い合いの状況が続いているそうです。昨年比30%価格が上昇したなんて話も。

半導体は家電にもたくさん使われています。エアコンなど結構価格が上がっている印象です。パナソニックは22年4月から冷蔵庫や洗濯機などの家電製品を値上げすることを発表しました。

 

物流費の増加

ガソリン価格が上がると、当然輸送のコストが上がります。運賃値上げの波が押し寄せてくるかもしれません。

アメリカでは、コロナ禍でトラックドライバーが減ってしまい、港で貨物が滞ってしまいました。多数のコンテナが長期間港に留め置かれたままとなり、世界的なコンテナ不足が発生。コンテナで輸送する海運の運賃が高騰しました。海運の指数であるバルチック海運指数は、一時的に平時の数倍まで上昇。その後急落し、22年1月時点では落ち着いています。だが、またまた上昇する局面があるかもしれません。

 

円安

1月の初旬には1ドル116円まで上昇しました。最近は円安基調が続いています。

よく日本は輸出の国であり、円安になれば儲かるという話を聞きます。確かに自動車などの輸出産業は、円安になれば競争力が増します。アメリカで1万ドルで自動車を販売したとすると、1ドル100円では100万円。116円だと116万円になります。円換算した時に増えますよね。

その反面、海外から輸入する時に円安は困ったことに。100ドルのものを輸入するのに1ドル100円なら1万円ですが、116円なら11,600円出さないと買えません。つまり円安は購買力を弱めるのです。

そして日本は決して輸出大国ではありません。GDPに占める輸出の割合は17%しかありません。ほとんどが内需なのです。

過度な円安はコストの増加をもたらします。特に原油高の時に円安だと、ダブルパンチです。高くなった原油をさらに高い値段で買う必要があります。

円安になるということは、それだけ円の価値が低く見積もられているということ。国の通貨が低くなるということは、国力の低下を反映しているかもしれません。そして低い信用の通貨は、金利が上昇します。円安であまり良いことはないのです。

 

 

まとめー住宅ローン金利はどうなる?

色々と書いてきましたが、肝心の住宅ローン金利はどうなる?

もしインフレになった場合、上でも書いたようにまずは固定金利の上昇が考えられます。固定金利は毎月適用金利が見直されています。

これから家を買うとして、ローン金利は現在の金利ではなく、ローンの実行時つまり物件の引き渡し時の金利が適用されます。新築マンションなら、2年とか3年後の金利です。そんな先のことは、誰にも分かりません。要注意ですね。

一方すでに借りているなら、インフレで恩恵が得られる場合も。ただし、固定金利の場合に限った話。変動だとインフレに合わせて金利が上昇する可能性が高いです。固定金利だと、常に返済額は一定。つまり物価が上昇し給与が増えたとしても、返済額は変わらずです。

政府は毎年2%のインフレを目指しています。インフレとはお金の価値が下がること。つまり、2%のインフレなら、ローン残高の価値も2%ずつ下がっていくことになります。ローンの利子よりインフレ率の方が高ければ、残債が実質的に目減りすることに。インフレ時に借金しているとお得になるのです。