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長期金利が上昇すると住宅ローンは?長期金利と住宅ローンの関係について解説します。

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最近長期金利が上昇しつつあります。

普段の生活では金利なんてあまり気にしませんが、家を買うなら要注目です。借入金利に影響するので、生活にも影響します。

コロナで実態経済は最悪の状態なのに、株価だけは上昇。日経平均なんて3万円を突破しました。そして長期金利も上昇気味。

今後住宅ローン金利はどうなるのでしょうか。今回の記事では、長期金利と住宅ローン金利の関連について解説したいと思います。

結論から言うと、長期金利が上昇すると住宅ローンの固定金利が上昇します。かなりの長期間を何千万円という大金を借りる住宅ローン。金利が1%も違えば大変なことになります。たったの1%の金利でも、総支払額に大きな差が生まれます。

家の購入を検討されているなら、金利の動向には要注目です。

 

 

 

 

長期金利と住宅ローンの関係とは?

長期金利と住宅ローンの金利は連動しています。長期金利が上昇すれば、住宅ローン金利もつられて上昇。できればあまり上がって欲しくないものですよね。

当然住宅ローンだけでなく、他のローン金利にも影響します。例えば企業の借り入れ。金利が高いと、借り入れをして設備投資を行なう企業が減少します。「金利高いしちょっとストップ」となってしまいます。

つまり、金利上昇は景気を冷やす側面があるのです。

 

長期金利ってなに?どうやって決まるの?

そもそも長期金利ってなんでしょう?

長期金利とは「10年物国債」の利回りのこと。

国債は株式と同じように市場で売買されており、価格が上下します。保険会社などの金融機関や、日本銀行が購入します。

市場で売買されると言うことは、価格は需要と供給で決まります。買いが多ければ当然価格が上がります。国債需要が高くて買いが増え、その結果国債価格が上昇したらどうなるでしょうか。

国債価格が上昇すると、金利が下がるのです。

逆に国債価格が下落すれば、金利は上昇します。現在長期金利が上昇しているということは、10年物国債の価格が下落しているということなのです。

国債価格と金利の関係など、詳しくはこちらの記事で。

www.sunomono19.com

 

長期金利は固定金利に影響する

住宅ローンの固定金利は、この長期金利つまり10年物国債の利回りをもとに決められます。

例えば、固定金利としてメジャーなフラット35。適用される金利は毎月変動します。

えっ固定金利なのに変動するの?と思われるかもしれませんが、もちろん借りた後の金利は変わらずです。しかし、借りる時つまり住宅ローン実行時に適用される金利が毎月変わるのです。ちなみに、ローン実行後に金利が下がったとしても、やはりここも固定。一度決定された金利は下がることはありません。

なぜなら、固定金利は長期金利をもとに決められているから。その長期金利は毎日上下に動きますので、それに合わせて適用金利も調整されているのです。

下記のグラフは、長期金利とフラット35金利の推移を表したものです。

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青い線は長期金利。赤がフラット35金利です。このように、長期金利とフラット35の金利はほぼ連動して動いていることが分かります。つまり固定金利は、経済状況と密接に関連する長期金利から、ダイレクトに影響を受けるのです。

2017年10月に、フラット35の金利がひょこっと高くなっています。これは制度変更により、金利に団信(団体信用生命保険)が含まれるようになったためです。

 

変動金利は銀行次第

今回は長期金利のお話。変動金利は直接的には影響されません。

固定金利は市場の金利動向に対して連動することを説明してきました。銀行が決めるというよりは、市場が住宅ローン金利を決定しているイメージです。

一方で変動金利は、銀行が決めています。変動金利のもととなっているのは、「短期プライムレート」です。銀行が信用力の高い大企業へ1年以内で貸し出す時の最優遇金利のことです。この短期プライムレートに1%を上乗せした金利が変動金利として設定されています。

短期プライムレートは、市中の金利をもとに決められますが、実はほとんどの銀行で2009年以降1.475%で固定されています。これに1%を加えた2.475%が、多くの銀行で採用されている変動金利です。

ここで一つ疑問が。変動金利ってもっと低いですよね。安いところだと0.5%を下回っています。2%を超える変動金利なんて見たことがありません。昔はそんな時代もあったのかもしれませんが。

この低い金利は、優遇金利と言って値下げ後の金利なのです。2.475%はいわば定価であり、実際の販売価格は0.5%といったところ。

銀行員の人件費といった固定費などを考慮の上、他行との価格競争の結果現在の低い変動金利に値決めされています。

価格競争で決まっていることから、変動とはいってもなかなか金利を上げづらいといった側面もあります。なので金利が上昇する局面では、まずは固定金利が上昇した後で変動金利も動くことになります。

よく変動で借りていても、金利が上昇すれば固定に借り換えればよいという意見を耳にします。実はこれってほぼ不可能なことが分かります。変動金利が上昇するような時、固定金利はすでに大きく上がっているはずです。

 

 

 

世の中金あまり状態。住宅ローン金利の今後はどうなる?

では今後住宅ローン金利はどうなるのでしょう。実際にどうなるかは、誰にも分かりません。今後経済がどのように推移するのか、誰にも分からないからです。よく年末の株価を経済のスペシャリストが予想していますが、なかなか当たりません。ニトリの会長くらいでしょうか。

そんな中で注目すべきポイントは、インフレになるかどうかです。インフレになれば、住宅ローン金利は上昇します。それは変動金利も同様です。金利が0.5%なのに1%のインフレになれば、銀行が損をします。つまり赤字状態。赤字をほっておく訳がないので、金利を上げてくることになるでしょう。

世界的な金あまり状態で、アメリカではインフレの兆候が出始めています。お金がたくさん溢れているので、お金の価値が減少するだろうとの予測です。日本にも影響が波及するかもしれません。

現に株や不動産といった資産価格はインフレ気味です。コロナ禍の真っ只中なのに、株価は上昇していますし、不動産投資信託であるREITも上昇しています。かなりインフレになりやすい状況であると言えそうです。

しかし実際にしっかりとしたインフレになるには、需要つまり消費が増えなければなりません。日本のGDPの半分以上は個人消費が占めます。消費者の財布の紐が緩くないと、本格的な経済回復は来ないでしょうし、インフレにもならないでしょう。政府と日銀はずっと2%のインフレを目指して、異次元の金融緩和でマネーサプライを増やし続けてきましたが、ずっと達成できていないのは2度の消費増税など個人消費を冷やしてきたから。なかなか庶民の財布は閉じたまま。なので、インフレになるのは難しいのではという考えもできます。

 

 

まとめ

昨今上昇気味の長期金利。今回は長期金利と住宅ローン金利の関係について解説してきました。固定金利は直接的に影響を受けますが、変動金利は銀行次第であり、長期金利には直接左右されません。

長期金利は経済の基礎体温とも言われ、インフレ率など様々な予測をもとにマーケットで決まります。マーケットでは、株価にしろ将来予測を反映していきます。つまり金利が上昇するということは、近い将来に景気が良くなったり、あるいはインフレになることをマーケットが予測しているということ。徐々に変動金利にも影響が及ぶ可能性は否定できません。

少しでも金利上昇に不安があるなら、最初から固定金利を選んだ方が得策かもしれません。

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