最近、まわりに動画が増殖中。オフィスでも、なんでもかんでも動画にされています。これ動画の必要ある?文書でいいじゃんというお話です。
YouTubeにはありとあらゆる情報がアップされています。キャンプ道具の紹介、自動車のレビュー、時事問題、自己啓発、ビットコイン投資などなど世の中のありとあらゆる情報が動画化されており、スマホ一つで閲覧することができます。
YouTubeはいいのです。自分の意思で見ているのであり、得られるものが大きいです。移動中などは画面は見ずに、音声だけで聞くこともあります。
YouTubeだけではありません。様々な場所に増殖しています。簡単に動画が作成できるサービスも登場し、これ動画の必要ある?というものまで動画になっています。
特に職場。オフィス。一応仕事なので、視聴はほぼ強制的だから始末が悪い。動画は理解しやすいという意図なのでしょうけど。何でもかんでも動画にすると、逆に非効率です。合理的ではありません。文書くらい読めます。
社内で、動画で通達なんかが配信され始めたら要注意。簡単に動画を作成配信できるサービスを契約したのでしょう。これからどんどん動画になります。しかも、始めははりきって作るのか、無駄に長い動画を見せられます。
今回はなんでも動画にすることの問題点と、やっぱり文書がいいじゃんという話題です。
・動画は時間を奪うので、なるべく文書で配布すべき。
・オンラインの研修や説明会が盛んだが、やはり文書でいいんじゃないか。
・文書はアクセスしやすいし、隙間時間に読める。それに保存も容易。ただし、データではなく、紙だけの配布は最悪だ。
動画の最大の問題点は時間を奪うこと
先日、ハラスメント問題に関する動画が配信されました。パワハラやセクハラ、アルハラにマタハラなど、あらゆるハラスメントについての研修です。期限が決められて、全社員必ず視聴する必要がありました。
気持ちのいい職場環境とするため、ハラスメントに関する知識は必須であると言えるでしょう。
ただ、この動画。なんと40分もあったのです。しかも最後には画面上でテストもあります。このテストを完了してやっと研修の終了です。
新商品の説明、社内システムの新機能のこと、そして社長の新年の挨拶などあらゆるものが動画として配信されています。今は集合して研修はできませんから、そのかわりに動画が増えています。確かに日時の決まった集合研修よりは、自分の好きなタイミングで視聴できる動画はメリットがあります。
ただ、「動画はいいね」という認識が広まると、これまで文書で配信されていたものまで動画になるのです。
動画の問題点は、見てる時間は何もできなくなること。時間を奪うのです。30分の動画は、30分の時間が奪われます。
近頃、芸能人のYouTubeへの進出が活発化しています。YouTubeで収益を上げるのは、かなり難しくなったと言われています。それもそのはず。人間の時間は等しく24時間。平日は学校や仕事があるので、動画の視聴時間は限られます。20分の動画は等しく視聴者の20分を奪うのであり、限られた時間の奪い合いになります。それならネームバリューのある芸能人が有利になりそうです。
職場においては、限られた就業時間の中で動画を視聴します。つまり、従業員の労働時間を、他の業務と奪い合うことになります。1,000人の社員が、1週間に1時間動画を見たら、延べで週1,000時間を動画視聴に使ってしまうことになります。時給1,500円と仮定したら、150万円です。動画を閲覧させることの、見えない費用です。
こう考えたら、無駄に時間を奪う動画ではなく、もっと簡潔な方法で伝えたほうが良さそうですよね。
社内の研修や説明会まで動画にする必要ある?そもそも説明会が無駄。
先日情報セキュリティの研修がありました。もちろん動画。パワポをもとに動画が作れるサービスがあり、それを使用して作られたものでした。
もちろん情報セキュリティは、現代の企業活動において、もっとも重要な事項の一つでしょう。定期的に社員を啓蒙することは重要です。
はりきって作ったのか、30分以上の長い動画でした。しっかり視聴させるための工夫なのか、時々ギャグ的な要素も盛り込まれており、その都度少しイラっとするのでした。一生懸命作ってくれているのは分かります。きちんと見るのは見るのですが、顧客対応や事務作業もやらなければならないので、長い動画は勘弁して欲しいものです。
以前はドキュメントを読んで、簡単なテストを実施するだけ。以前のように簡潔に済ませば良さそうなもの。動画にする必要があるのでしょうか。
そもそも、研修や説明会というスタイルが無駄なような気がします。例えば、新サービスの説明。会議室に集まって、パワーポイントを見ながら担当者の説明を聞きます。
ただ、ほとんどの場合、スライドをプリントアウトした資料に目を通せば、それで十分なんですよね。説明したいことはそこに書いてあるので、それを読めばだいたいのことは分かるはず。みんなで集まって、プロジェクターで投影されたパワポ画面を眺める必要はありません。もちろんZOOMでのオンライン研修も同じです。
そこには「一応説明した」という事実だけが重要視されているような気がします。確かにこういう機会でもないと、能動的に情報に接しない人もいるでしょう。そのために、全員を対象として研修や説明会を見せるのは、かなり非効率なことのように思います。
結局文書がいんじゃないかと思う理由
動画のデメリットを書いてきました。じゃあ何がいいのかというと、文書なんですよね。動画は見てるだけでいいですし、理解しやすいです。文書は読むのがめんどくさい。下手な文書だと理解しにくく、書き手にもスキルが求められます。それでも、文書のほうがいいし、効率的になると思うのです。
その理由をあげていきましょう。
結局文書が時短になるし、アクセスも容易
結局のところ、昔ながらの文書がいいのです。文書を読めば分かる。そうあるべきだと思います。もちろん現物の紙でなく、PDFでもワードでもいいでしょう。ドキュメントでいいじゃんということです。
Amazonでは、資料や報告書はA4一枚にまとめなければならないようです。しかも、箇条書きもNG。伝えたいことは、しっかりした文章としてまとめる必要があります。
結局そうするのが早いし、確実に情報が伝わるから効率的なのでしょう。動画やパワポをダラダラ見ても、右から左へ受け流すだけ。文章を読んだ方が、頭に残りやすいですし、よく理解できます。
そして、もっとも愚かな行為とは?それは、マニュアルを動画にすること。
つい最近、会社で出す年賀状の登録方法が動画で配信されました。こんなのは文書で配布すべきですよね。マニュアルを動画にするなんて最悪ですし、見る気も起きません。
マニュアルは、知りたい箇所をすぐ確認できなければなりません。文書なら該当のページを開けば一瞬で必要な情報にアクセス可能。
その反面、動画はピンポイントで情報を得るのが難しいです。まず再生されるまで待ちます。画面上でくるくる回っています。トンボなら目を回すでしょう。再生が開始されたら、カーソルを動かしてだいたいのところをクリックします。目的の場所がどのあたりなのか、非常に分かりづらいです。なかなか知りたい情報にアクセスできません。
知りたい情報にすぐ接するには、まだまだ文書のメリットが大きいです。
文書なら隙間時間に読める
このコロナ禍により、ZOOMやteamsで研修や説明会が開催される機会が多くなりました。オンラインだと、開催するハードルが下がるのか、なんだか増えたと感じるのは気のせいでしょうか。
オンライン説明会は場所の制約がないとは言え、日時が決められています。参加者は等しく同じ時間が奪われます。その時間に合わせて段取りしなければなりませんし、諦めた作業が後々大きな影響をもたらす可能性も否定できません。
やはり、なるべく文書にすべきです。移動中に読めますし、ちょっとした待ち時間があれば、鞄から取り出して読めます。業務への影響を最小限に、必要事項を伝達することができます。
保存もできる
PDFの文書なら、そのまま自分のPCに保存して、いつでも引っ張り出すことができます。動画の配信って、ストリーミング再生がほとんどなので、気づいた時には消されてしまっています。
オンラインの研修もそうですよね。聞いてもすぐ忘れますし、結局のところパワポを読んでいるだけ。スライドのプリントアウトさえ読めば十分なのがほとんどです。
それならパワポは重たいので、PDFに変換したものを配ってくれればOKです。文書をデータで配信しましょう。受ける側が、かなり効率的になります。
しかし、紙だけの配布は最悪
おじさん社員に多いですが、もとのデータがあるのにわざわざプリントアウトしたものを渡してくれます。すぐ読めるようにという配慮であり、ありがたいことです。 しかし、紙だけって最悪なんですよね。
すぐどこかにいきます。紙っていつもかくれんぼしようとします。お世辞にもきれいな机ではないので、余計にそうなります。
紙にプリントアウトせず、データをメールで送ってもらえればOKです。これからフリーアドレスが多くなるでしょう。そうなれば、ますます紙に出すのはナンセンスになります。
それに、紙をわざわざファイリングするのも時間の無駄。データで残しておけばいいですよね。紙で受け取ると、結局複合機でスキャンしてPDF化します。それなら始めからPDFで受け取りたいもの。紙で配布するにしても、別途PDFやワードファイルをサーバーのどこかに置いておくか、関係者にメールで配布して欲しいですね。
まとめ
最近は何でも動画にしますし、ミーティングや研修はほぼオンラインです。
ふと気づいたんですね。動画イコール分かりやすくていいもんだというイメージが蔓延しているが、やり過ぎはかなり非効率になってしまうのでは?と。
オンラインだと、確かにその場に行く必要がなくなり便利になりましたが、時間が奪われてしまうのは同じです。
しかし、後から資料を読めば十分ということで参加しないでいると、「あいつはやる気がない」なんて、年配の社員から思われてしまいます。まさに理不尽です。内容を理解することが大切なはずなのに、態度を見せることも要求されます。
Amazonのように、なるべく文書だけにした方がいいよなと思う今日この頃です。