住のもの (すのもの)

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共働き世帯が増加する今その理由を考える

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我が家もそうなのですが、共働き世帯が年々増えてきています。家庭の就業状況はマイホーム選びにも影響してきます。今回の記事では、共働き世帯が増えた理由を考えてみたいと思います。

 

 

 

 

共働き世帯と専業主婦世帯の推移

まずはグラフを見てみましょう。グラフを見ると一目瞭然です。

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ひと昔前の家庭のイメージというと、お父さんが働いてお母さんが専業主婦というのが典型的でした。確かに統計上も1980年では専業主婦世帯が1,114万世帯、共働きが614万世帯と、専業主婦世帯の方が2倍くらい多くありました。ちょうど昭和から平成に変わる時期に均衡し始め、1997年くらいから完全に共働き世帯の方が多くなっています。

昭和は専業主婦の時代、平成は共働きの時代と言えそうです。

2000年に入ると世帯数に差が開き始め、年々その差が開いていっています。2017年では共働きが1,188万世帯、専業主婦世帯が641万世帯となっており、倍近く差が開いています。1980年の真逆になりました。恐らくその差はこれからも開いていくと予想されます。

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よく女性の年齢別の就業者数の割合をあらわす言葉として、M字カーブという言葉を聞いたことがあると思います。上記図の昭和61年のグラフがよくあらわしていますが、一昔前は結婚や出産を機に会社を退職し、子供の世話からある程度解放された40代くらいから再度仕事を始める女性が多かったのです。40代から就業割合が増えるのは、子供の教育費がかかる時期というのもあるのかもしれません。

それが2016年のグラフを見ると、ある程度M字が解消されてきているのが分かります。女性の社会進出が一般的となり、産休や育休、時短勤務等の制度が整備されてきたからでしょう。また、全体的にグラフも上へあがっているのが分かります。全体的に女性の就業者数が増加しているのが分かります。

このように現在は、統計上で共働き世帯が増え、女性の就業が増えていることが分かりました。

 

そんな状況に対応できていない社会

共働きの方が多勢になっているのですが、まだまだ社会はそれに追いつけていない現状です。会社も仕組みもまだまだ専業主婦モデルのままです。

これまでの会社は終身雇用を前提に、男性の会社員が長時間働いて、どこでも転勤するのが普通でしたし、今でも基本的にはその形から変わっていません。無制限に働く男性会社員を専業主婦の妻が支える仕組みです。ようやく働き方改革により、長時間労働に関しては是正されるつつありますが、共働きに対する対応はまだまだでしょう。

女性の社会進出が進んだ結果、女性の就業割合は欧米並みになっているようですが、管理職が他の先進国に比べてまだまだ少ない状況があります。男性中心の社会から抜けられていません。

それに子育てに対するサポートもまだ未熟です。未だに待機児童が問題になっています。我が家も入りたい時期に入れず、4月まで待ちました。2019年10月から幼児教育の無償化が予定されています。それ自体は大変喜ばしいことですが、保育園への入園希望者が増え、待機児童問題の悪化が心配されます。保育園の定員は年々増やされているようですが、まだまだ足りないのかもしれません。

 

 

 

共働き世帯が増えた理由

増えた理由としては、ポジティブ理由とネガティブな理由があると思います。それぞれ考えたいと思います。

 

ポジティブな理由

男女雇用機会均等法、男女共同参画社会基本法、女性活躍推進法といった法整備がされてきたことにより、女性の社会進出が進んだことが理由の一つとしてあげられます。統計上でも女性の就業率は年々増加しており、総務省が2018年8月末に発表した労働力調査によると、前月7月の女性の就業率が過去最高の69.9%になっています。

ただ、日本の会社はまだまだ男社会のようで、上にも書きましたように管理職に女性が占める割合は、先進国の中でも低いです。女性が活躍できる会社が、今後も発展できる会社なのではないでしょうか。

 

ネガティブな理由

使えるお金が減り、負担が増えたことで共働きせざるを得なくなったというネガティブな理由もありそうです。3月6日のNHKあさイチの報道で、結構衝撃的なグラフが出てきました。年収700万円の人を想定して、手取額の2002年から2017年までの推移をあらわしたグラフです。額面の年収から所得税や住民税、社会保険料等が控除される訳ですが、2002年では587万円の手取りであるところ、2017年には537万円まで減少してしまいます。15年の間に額面は同じ場合でも手取は50万円近く減ってしまったのです。

減った原因としましては、配偶者特別控除の廃止や定率減税の廃止、ボーナスにかかる社会保険料のアップ、子供の扶養控除の縮小・廃止などによります。

それではその分額面の給与が増えていれば良いのですが、日本人の平均給与は昔に比べて減少しています。例えば2002年では年間448万円でしたが、2017年には432万円に減っています。これでもアベノミクスの影響からか少し増えており、2012年には408万円にまで下がっていました。

給与も減らされて、しかもその給与から引かれる額が増えている状況が分かってきました。使えるお金が減って、家計が厳しくなっているのです。

お金がかかると言えば、子供の教育費です。特に大学の時が支出が大きくなります。その大学の学費も昔に比べて増加しています。

下記のグラフは、国立大学の年間授業料の推移です。

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年々増えているのが分かります。2005年から535,800円となって、それ以降は変わっていませんが、今後値上げされるかもといった話も出ているようです。授業料の安い国立大学でもこれだけ授業料が上がっており、私学になるともう少し高い金額になります。

このように、収入が減り、負担が増える状況が、共働き世帯が増えた理由になるのではないでしょうか。上記女性の就業者数の推移のグラフにありますように、かつてM字カーブがきつかった時代は、大学の授業料がそれほど高くないのと、年々給与が増えていく状況があり、子供が大学に行く時期にパート等で補う程度で良かったのかもしれません。しかし現在は今後給与が増えるとは到底思えない時代であり、色々な面で負担が増えることが予想できます。共働きにより、早いうちから不安な将来に備えているのでしょう。そう考えると、なかなかデフレから抜け出せない状況に納得がいきます。

 

まとめ

まさしく我が家も将来が不安ですので、共働きを継続していく予定です。そもそも自分だけの所得になると、結構生活が厳しくなりそうです。マンション買ってしまいましたし。夫婦そろって仕事に精を出し、住宅ローンの返済と貯蓄を頑張っていく所存です。