植物に関心を持つと、やってみたくなるのがビカクシダを板付けして壁に飾ること。
観葉植物って鉢に植っていますので、床や棚の上に「置く」のが基本的な飾り方。そうなると、緑色は部屋の下の方にしかないことに。視覚的に目線の上にも緑があると、よりアーバンジャングル感が高まります。
高い位置に緑色を飾る方法としては、ハンギングがありますが、上から植木鉢がつらされていると邪魔になりそうです。下を通るたびにヘディングしてしまいそうです。
ってことで、植物を壁にかけることができれば、部屋が一気に華やかになりますし、邪魔にもなりにくそうです。
以前から憧れていたビカクシダの板付け。ビカクシダを手に入れたので、初めてやってみることにしました。果たしてうまくできたのでしょうか。実際に用意した材料や、作り方をご紹介します。
ビカクシダ。なぜ板付けできるの?
園芸店では鉢に植った状態で売られたりしていますが、板付けしたのが本来の姿であるとも言えます。
というのも、ビカクシダは岩や木にくっついて育つ着生植物であり、原産地では下の写真のように、まさに板付けしたように木に張り付いています。ちなみにこのビカクシダは、大阪の咲くやこの花館のもの。
このようなビカクシダの特性を活かして、観葉植物として愛でる方法が板付けなのです。
ビカクシダの板付け。準備したもの
ビカクシダを板付けするために用意したのは、以下の材料です。すべてホームセンターなどで簡単に手に入るものです。
・ビカクシダ
これがないと始まりません。園芸店でヘゴ板に取り付けられた状態のものが売られていましたので、これを購入することにしました。だいたい2,500円ほどでした。大きさの割には結構安かったと思います。
品種はネザーランドです。ビフルカツムと並んで、よく見かける品種の一つですね。ネザーランドはビフルカツムの改良種であり、耐寒性が増して育てやすくなっています。
・板
よく四角い板に板付けされているものを見ますが、今回は丸太を斜めに切った楕円状の板をホームセンターで発見しましたので、これで板付けしてみることに。いい感じになって欲しいですね。見栄えには板も重要な要素だと思います。
まずは板にドリルで穴を開けます。その理由は、通気性や排水性。根腐れを防ぎます。また、板にビカクシダをセッティングするための糸や針金を通す穴にもなります。
板の上の方には、壁に吊るす紐を通すための穴を2つ開けておきました。
穴を開け終わったら、ニスを塗ります。ニスを塗る目的は、もちろん水の浸透を防ぐため。中の方は常に濡れているような状態になりますので、すぐに腐ってしまいそうですね。
あと、濃いめの色のニスを使用することで、カッコいい色に仕上げるのも目的でした。
・釣り糸、針金(アルミ線)
これらは板にビカクシダを取り付けたり、水苔を整えたりするために必要な材料です。
糸は水苔の周囲に巻きつけることで形を成形するのに用います。使用する糸は釣り糸がベストでしょう。水やりの度に濡れてしまうので、麻や綿などの糸だと腐ってしまいそうです。また、釣り糸は細くて透明であり、目立ちません。しかもそこそこ強いです。釣り糸がベストなのです。
板とビカクシダは針金を用いてしっかりととめます。この針金も注意が必要。一般的な鉄の針金だと、常に水に接する訳ですから、当然錆びてしまいます。錆びにくい素材でなければなりません。
それに硬い素材だと、株を傷つけてしまう恐れがあります。柔らかい素材であり、しかも錆びにくいアルミの針金が良いのです。
・水苔、ベラボン
この水苔が土のような役割を担います。板とビカクシダの間に敷きつめます。水苔は保水性があるので、水苔が湿っている間は、ここに張った根が吸水していきます。
ベラボンとは、ヤシの実のチップのこと。これは使用せずに水苔だけでもOKなのですが、YouTubeで見た作り方にこれが使われているものがあり、真似して使ってみることにしました。
ベラボンは土の代わりに使用されることがあり、今回も直接根に接するのはベラボンになります。
ビカクシダの板付けに挑戦!
では、実際にやってみましょう。
まずは水苔を水につけて柔らかくします。乾燥わかめみたいに、乾燥した状態で販売されているので、使用前には水で戻す作業が必要です。
こんな感じで、バケツで戻しました。
今回購入したビカクシダは、もともと板付けみたいにされていました。ネットの中に水苔を入れ、そこに根が張っています。
このまま作業する訳にはいかないので、ネットをカットしてバラします。
すいません。いきなりほぼ完成形になってしまいました。
ここまでの間に行った作業は以下の通り。写真を撮り忘れてしまいました。文字だけになってしまい、申し訳ありません。
1.アルミの針金をセット
適当な長さに切った針金の端と端を、板の2つの穴に差し込みます。2本の針金を差し込みます。
この2本の針金で、ビカクシダ本体を固定します。クロスするようにそれぞれ斜めにセットします。
針金は、板の裏側でねじってとめます。
2.水苔を薄く敷く
後からベラボンを中心に置きますので、板の穴からベラボンが出ていかないよう、まずは水苔を板の上に薄く敷くように置いていきます。鉢底石みたいな役割ですね。
3.円を描くように、水苔を積んでいく
水苔を盛っていきましょう。ビカクシダのサイズより、少し大きめに。後で成形しますので、ちょっと多いかなと思うくらいの量でちょうどいいです。
今回はベラボンを中心に入れますので、中心は凹ませるようにセットします。水苔でカルデラを作るようなイメージですね。
4.中心にベラボンを入れる
カルデラの火口にベラボンを放り込みます。先にも書いた通り、ベラボン無しで水苔だけでも大丈夫です。周りの水苔よりちょっと高くなるくらいでいいと思います。
5.ビカクシダを上からセットする
それでは、メインのビカクシダをセッティングしましょう。水苔やベラボンの上にビカクシダの貯水葉を覆い被せるように置きます。上下を間違わないよう注意しましょう。
6.向きを整えながら、針金を引いてビカクシダを固定する
最初にセットした針金を引いて、ビカクシダを固定します。クロスでセットした針金のちょうどクロスの部分が、成長点の下辺りにくるように位置を調整しました。下から支える感じですね。
成長点は傷つけないように注意しましょう。逆に成長点でなければ、多少貯水葉に傷がついたり破れても大丈夫です。針金をゆっくり引いていって、板の裏でネジって固定します。
7.釣り糸を巻きつけて、形を整える
針金でとめただけでは、水苔が不揃いで不細工です。水苔をビシッと整えてあげましょう。釣り糸を水苔の周りに巻きつけます。納得いくまで、何度も巻きつけます。
そしたら、こんな感じに完成しました。初めてではありましたが、そこそこうまくいったのでは。YouTubeで作り方がたくさんアップされており、大変役に立ちました。
いっぱい飾りたくなってしまう
だいたい1週間に1回水やりをしています。1週間くらいで水苔が乾いてくる感じです。
板ごと水にドボンとつけてしまう方法もありますが、我が家ではキッチンの流しで上からジャーっとシャワーをかけてしまいます。
そんな水やりの際に、ふと思うことがあります。
「さみしいな」
もっと壁にかけたくなるのです。1個だけだと寂しく感じてしまいます。
また、品種も違うものが欲しくなります。だんだん高額な品種へと、沼に入り込んでいくのでしょう。
まとめ
植物好きなら誰もが憧れるであろうビカクシダの板付け。ビカクシダが手に入ったので、早速やってみることにしました。
初めての作業でしたが、結構簡単でした。
最近は、「コウモリラン」としてホームセンターでも良く見かけるようになりました。
部屋が華やかになりますので、是非一度試してみてはいかがでしょうか。