「BEV?FCV?いったいなんだ?」
近頃電気自動車に関連するニュースをよく目にします。出てくるのがこんなアルファベットの略称。自動車の動力を表すのでしょうけど、どれがどれなのか分かりにくいですよね。
最近自動車各社とも電気自動車に力を入れています。各国政府も、将来的に内燃機関の自動車をゼロにする方針を打ち出しています。もう10年もしたら、状況が大きく変わっているかもしれませんね。
車好きとしては、エンジンを積んだ車がなくなるのは寂しい限りですが、時代の流れは電動化であり、しょうがないのでしょう。
以前はエンジンで走るのがあたりまえだった自動車。いつの間にか、EVやらHVやらFCVが一般化しました。
今後も上記のような略称を目にする機会は増えていくでしょう。今回の記事では、そんな動力方式に関する略称をまとめました。分かりやすいように、エンジンの搭載の有無で大きく二つに分けて説明してみます。
エンジン(内燃機関)を搭載した車
まずはエンジンのついた車から。よく見るのは「HV」ですね。トヨタプリウスに代表されるハイブリッドカーのこと。これはご存知の方も多いのでは。
エンジンを積んでいるとは言っても、ほぼ電動で走行可能な車も存在します。しかし、長距離移動などまだまだバッテリーのみの電気自動車は実用的ではありません。日産e-powerのように、エンジンは発電目的で搭載しているようなモデルも。
そして、実はエンジンのみの車についても、略称が用いられ始めたようです。
HV、HEVとは?
HV:Hibrid Vehicle
HEV:Hibrid Electric Vehicle
HVはハイブリッドビークル、いわゆるハイブリッドカーのこと。二つの動力源を組み合わせた自動車です。電気モーターとエンジンの組み合わせが一般的。
1997年に登場したトヨタのプリウスが、世界初の量産型ハイブリッドカーです。今では、あらゆるモデルにハイブリッドシステムが搭載されており、エコカーの代名詞となっています。
HEVもほぼ同じ意味。ただ「E」の文字が入るので、電気モーターを持つことが前提です。電気モーターだけで動く「BEV」の対義語です。とは言っても、現在販売されているHVは電気モーターとエンジンの組み合わせであり、HVとHEVは同じものと考えていいでしょう。
PHV、PHEVとは?
PHV:Plug-in Hibrid Vehicle
PHEV:Plug-in Hibrid Electric Vehicle
上で説明したHV/HEVの頭に「P」の文字がつきました。このPは「Plug-in プラグイン」のこと。
その名の通りプラグをさすことができる自動車。家庭用のコンセントから車に充電できるのがポイントです。
また、一般的なハイブリッドカーに比べて、バッテリー容量も大きくなっており、バッテリーのみで走行可能な距離が長くなっています。
ピュアな電気自動車と、ハイブリッドカーの中間くらいの位置付けです。
電気自動車と比べて、バッテリーでの走行可能距離は短くなりますが、エンジンを備えていることで、長距離の移動も問題ありません。
また、エンジンで発電できることから、災害時は非常用電源として活躍することもできます。
ICEVとは?
ICEV: Internal Combustion Engine Vehicle
ここで見慣れぬワードが。いんたーなるこんびゅー、、、なんだかよく分かりませんよね。
ICEとは内燃機関のエンジンのこと。Vは車のことですから、「ICEV」でエンジンで動く自動車のことです。現在我々が運転している車のことですね。
あくまでも内燃機関を表す言葉であり、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン、ロータリーエンジンなんかも含まれます。
各自動車メーカーは、ICEVから脱却し始めているのは周知の事実。いつまで新車で買えるのでしょうか。
エンジン(内燃機関)の無い車
以上エンジンのついた車をまとめてきました。ここからは次世代の車。内燃機関を持たない車です。
「EV」は有名ですね。電気自動車のことです。今後は内燃機関だけでなく、様々な動力が一般的となります。こうした略称に触れる機会が多くなるでしょう。
EV、BEVとは?
EV:Electric Vehicle
BEV:Battery Electric Vehicle
EVとは、良く知られた通り電気自動車のこと。バッテリーを搭載し、電気によりモーターを駆動して車を走らせます。最近テスラの車をよく見かけるようになりましたね。
HVのようにエンジンを積む車は、ここには含まれません。
モーターで走る車はEVであり、言ってみれば FCV燃料電池車もEVではありますが、一般的には区別されるので、ここでも分けて解説しています。
細かく区別するために用いられるのが「BEV」です。「B」はバッテリーのこと。バッテリーを搭載し、外部から充電。バッテリーの電力によりモーターを駆動します。要するにピュアな電気自動車のこと。
現在一般的には、「EV」はBEVの意味で用いられていますので、同じものとして考えていいでしょう。
FCV、FCEVとは?
FCV:Fuel Cell Vehicle
FCEV:Fuel Cell Electric Vehicle
トヨタのミライに代表される、「燃料電池車」のことです。
燃料電池とは、酸素と水素の化学反応により電気を発生させる仕組み。水を電気分解すると、酸素と水素に分かれます。反対に酸素と水素が結合するときには、H2O(水)と電気が生まれます。その電気エネルギーでモーターを駆動させるのです。排出するのは水のみ。究極のエコカーと呼ばれます。
酸素は大気から取り入れ、水素をタンクに充填します。そのため、燃料電池車の普及において、水素ステーションの設置が課題となります。現在水素関連のインフラを整備するため、様々な取り組みが進んでいるようです。
かなり種類は少ないですが、燃料電池車FCVが販売されています。今のところは公用車などの用途に限られるでしょう。また、一部バス会社では、燃料電池のバスが導入されています。今後はこれが主流になりそうな気がします。
まとめ
最近車関連のニュースを見ていると、アルファベット3文字や4文字の略称をよく目にします。ただ、これなんだっけと迷うことがよくあります。ややこしいですよね。
ということでこの記事でまとめることにしました。今後も目にする機会は増えるでしょうから、是非参考にしていただければ幸いです。
そのうち太陽光で充電して走行したり、バッテリーはバッテリーでも全固体電池だったりして、色々なエネルギーや動力で走行する車が増えていきそうです。エンジンがなくなるのは寂しい限りですが、色々なエネルギーで動く車が出てくるのは、それはそれで楽しみではあります。