住のもの (すのもの)

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地方の駅前から百貨店が消えるのはなぜ?5つの理由を考えてみました。

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百貨店が厳しいようです。百貨店が一店舗も無い県も生まれました。例えば徳島県。徳島駅前のそごうが閉店し、県内の百貨店がゼロに。県庁所在地のターミナル駅前の百貨店でさえ閉店してしまうのです。

確かに最近百貨店には行かなくなりました。ショッピングモールは毎週のように行くのに。子育て世代で日常的に百貨店を利用する人って、はたしてどれくらいいるのでしょうか。

特に地方都市の百貨店が大変そうです。地方都市の駅前からどうして百貨店が消えてしまうのか考えてみたところ、5つの理由が思い浮かびました。それぞれ解説します。

 

 

 

 

駅前にあるから

一般的に商売をするには、人通りの多さが期待できる駅前がもっとも適してそうです。駅前にあれば繁盛しそうなものですが、地方においては駅前にあることが足かせになります。

その理由はもちろん車社会だから。駅前は比較的古い時期に開発されており、車でのアクセスがしにくい街が多いです。駅の周辺には平面の駐車場はほとんどなく、少々出し入れが面倒なタワー型ばかり。それに駐車料金も高めの設定。要するに、車で駅前に行くのは、結構心理的なハードルが高いのです。

地方都市は地下鉄といった市内を走る電車が存在しないことが多く、必然的に移動は車がメインとなります。公共交通機関はバスかタクシーのみであり、車が無いと地方での生活は大変非効率になります。

車で行きづらい駅前には、なかなか足が向きません。休日は、広大でとめやすい駐車場を備えるイオンばかりに。日常の買い物は、広大な平面駐車場を中心にスーパーやホームセンター、ファーストフード、100円ショップなどが集まる複合的なロードサイド店舗に向かいます。

ロードサイド店舗の様子です。駅前の寂しさに比べて、たくさんの車が集まっています。

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公共交通機関が十分でなく、自動車移動がメインとなる地方都市においては、駅前は決して一等地ではなく、逆に行きづらい場所になってしまいます。駅前にあることで、地方においてはハンデになるのです。

 

 

地域内を走る鉄道路線がない

地域内を電車が走るかどうかが、地方都市での百貨店の存続可能性を左右していると思われます。

20年1月には山形市の「大沼」が破産し、まず山形県が百貨店ゼロの県となりました。そして冒頭で書いた徳島県。そごう徳島店の閉店により、百貨店ゼロ県の仲間入り。

広島県の福山市は人口46万人の結構大きな都市です。20年8月、そごう徳島店の閉店と時期を同じくして、「RiMふくやま」が閉店しました。

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じつはこの店舗。かつてはそごう福山店として開業しました。福山駅から徒歩7~8分と少し離れているのと、周辺は広い道路でもないことから車でも行きづらく、程なくしてそごうは撤退。その後天満屋が出店しましたが、やはりあえなく撤退。福山市が買い取って、「RiM」としてオープンさせました。ディスカウントショップやファミレスのほか、市の施設が入居しましたが、結局20年8月に閉店してしまいました。

また福山駅を出てすぐのところに、かつては「キャスパ」という商業施設がありました。閉店後しばらく廃墟として残っていましたが、とうとう更地になってしまいました。かつては賑やかだった福山駅前。天満屋が何とか残っているような状況です。

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山形市、徳島市、福山市に共通するのは、公共交通機関がバス便のみであること。地域内を走る鉄道がありません。

例えば、高松市。高松三越が営業中。県内唯一の百貨店です。高松市内は、琴電が市民の足として活躍しています。

そして、同じ四国の松山市。伊予鉄高島屋や松山三越が営業中。伊予鉄高島屋に一度訪れたことがありますが、結構活気があったことを覚えています。松山市内は、その伊予鉄が市民の足となっています。

姫路城で有名な姫路市には山陽百貨店。やはり山陽電車が市内を走行し、神戸にも乗り入れています。

自分が住む広島市は、路面電車がメインの移動手段。そごうを始めとして、三越、福屋といった複数の百貨店が営業しています。

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かつて小林一三は、初の電鉄系百貨店として大阪梅田に阪急百貨店を作りました。ターミナル駅に併設する百貨店は瞬く間に成功を収め、この形態は日本中に拡大しました。

つまり、百貨店は鉄道とセットであると言えます。閉店した百貨店は確かにターミナル駅前にあります。ただあくまでもJRのみの駅であり、市内を走行する地域内の鉄道が乗り入れているわけではありません。駅の利用者数に限りがあるでしょう。市内から人を集める路線が存在することで、駅前の百貨店が維持できるのかもしれません。

 

 

 

種類が少なく、ワクワクしない

たまにデパートに行って感じるのが、ワクワクしないということ。断然郊外型のショッピングモールやアウトレットモールの方が楽しいです。

ある程度の年齢以上であれば、百貨店の屋上遊園地やレストランが良い思い出となっているようです。

しかし、今では遊園地は取り払われ、レストランもお値段が高め。わざわざ百貨店のレストランでなくても、食の環境は進化しており、気軽に美味しくて安価なものが食べられます。

子供が遊べるアミューズメント設備や、フードコートを備えたショッピングモールへファミリー層の足が向くのは必然です。かつての百貨店の役割が、ショッピングモールにバトンタッチされたと言えるでしょう。

それに地方の百貨店は売り場面積がそれほど大きい訳ではなく、品揃えも服飾関連がメインです。日用品や雑貨、家具なども販売されていますが、ロードサイドの専門店やショッピングモールに行ったほうが満足できるので、わざわざ駅前の百貨店には行きません。

唯一デパ地下は魅力が豊富ではありますが、価格的にたまのご褒美であり、しょっちゅう買う訳にはいきません。

地方の百貨店はワクワク感が少なく、どちらかというとお年寄り向けのお店という感じがします。

 

 

建物の老朽化

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地方の駅前。なんだか古くて大きな建物があると思えば、それは百貨店です。なんとも言えない昭和感漂う佇まい。いい意味で言えば、歴史を感じます。当時は賑やかだったのであろう駅前の記憶が感じ取れます。

百貨店が建ってからすでに数十年経過しており、さすがに老朽化が目立ちます。かといって地方では設備投資が限られ、建て替えは難しいでしょう。大阪の近鉄百貨店や阪急百貨店は、建て替えにより素晴らしくきれいになりましたが、地方はそうもいきません。

お客さんの立場からすると、建物の古さだけでもワクワク感が削がれてしまいます。上下階のフロア移動も結構時間がかかります。上の方に行くほど、薄暗い感じも受けます。

車が駐車しやすく、通路も広々、明るくてきれいな、平成や令和を代表するショッピングモール。一方で昭和感あふれる地方の百貨店。ファミリー層は、どちらを好むでしょうか。

 

 

現役世代の人口減少

当然人口減少は、大きな要因の一つであることは間違いないでしょう。特に現役世代。社会移動により、現役世代は東京や近隣の政令指定都市に吸い寄せられます。

四国に近い大都市と言えば、瀬戸大橋を挟んだ岡山市。高松市から目と鼻の先です。しかし、徳島の場合、明石海峡大橋が通ったことにより、一気に近畿圏が移動圏内となりました。淡路島を通過したらすぐ神戸。もうちょっと行ったら大阪です。

徳島と大阪間は頻繁に高速バスが運行しており、片道2時間半ほど。料金はそれほど高くなく、片道3,800円。日帰りならかなりお得な切符が販売されており、往復で5,000円ちょっと。徳島の人たちは、比較的簡単に大都市圏で買い物ができてしまうのです。

当然、大学や就職を機に、大阪へ転入する人も多いです。このような状況であれば、百貨店が閉店してしまうのも必然だったのかもしれません。

百貨店ゼロのもう一県は山形県。山形市は人口100万人を超える政令指定都市の仙台市と隣接しています。東北は仙台一強状態であり、周辺の地域から人口を吸い寄せています。人口は、ずっと増加傾向にありました。一方で山形市は微減傾向に。仙台市に吸われつつあるのかもしれません。

ちなみに仙台市は、藤崎と仙台三越の2店舗が営業しています。ところが、その仙台でも百貨店は安泰ではなく、2017年に仙台駅前のさくら野百貨店が突如閉店しました。大都市仙台といえども車社会であり、駅前の百貨店はなかなか厳しいのかもしれません。

こうした社会移動は、消費金額の多い現役世代が中心です。現役世代の減少は、その地域の商業を厳しいものにするでしょう。

 

 

まとめ

個人的には百貨店は大好きです。子供のころはよく母親に連れられて、大阪阿倍野の近鉄百貨店に行ったのは良い思い出です。子供を連れての帰省中、親子三代で新しくなったあべのハルカスの近鉄百貨店へ。なんだか感慨深かったですね。

 地方都市で百貨店の閉店が相次いでおり、そんなニュースを聞くたびに一抹の寂しさを感じてしまいます。

どうして百貨店が閉店してしまうのか。すぐに思い浮かぶ理由は、人々の嗜好の変化や人口減など。他にも理由がありそうだと思い、改めて考えてみることにしました。