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住宅ローンを検討。変動金利について調べてみた結果、固定金利にしました。

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住宅ローンの金利のタイプには大きく分けて、変動金利と固定金利があります。今後の経済状況の予測や、自身の金融資産、借りる期間等を考慮の上どちらのタイプか選択するのですが、長期で借り入れを行う場合かなり頭を悩ませる問題です。

金融機関の競争が激しく0.4%台といったかなりの低金利となっており、2017年度では6割以上の方が変動型を選択しているようです。

今回は変動金利について詳しく調べてみました。これから住宅ローンを利用される方の参考になれば幸いです。

 

 

変動金利とは

経済の状況によって金利が上昇したり下落したりする金利のタイプです。半年ごとに見直しされます。景気が上がると上昇し、ローンの支払い金額も増加します。景気が下向くと、金利も下がります。

通常は固定金利より低い金利で貸し出されます。借りてからあまり景気が上がらず、借りた時点の固定金利の利率より低いままであれば、変動金利の方が支払い金額を安く抑えることができます。ただ、景気状況によって金利が上昇し、毎月の返済金額が増えてしまう恐れがあり、リスクを取って安い金額を選ぶ借り方です。

 

基準金利(店頭金利)と優遇金利

たいていの金融機関の場合、基準金利(店頭金利)と優遇金利が設定されており、良く広告で低金利がうたわれるのは、優遇金利のほうです。基準金利は後述する短期プライムレートに1%上乗せした金利で設定されていることが多いようです。

実際にはこの基準金利が適用されることはなく、小売りで言うところの定価やメーカー希望小売価格といったような位置づけです。お店では他店舗との競争がありますので定価から値引きをして販売しており、その値引き後の金額にあたるものが優遇金利です。

住宅金融支援機構の調査でも、金融機関が金利を決定する時の考慮要因として最も多くあげられていたのが、競合する他の金融機関の金利でした。住宅ローンはなかなか差別化が難しい商品だと思いますので、消費者に向けた価格(優遇金利)競争が激しくなるのが想像できます。

 

金利の変動と返済金額について

金利は半年ごとに見直しされますが、すでに借りている場合返済額は5年ごとに見直しされます。5年の間に金利が上昇した場合、返済額は同じでも元本と利息の支払い割合が変わります。(元本の支払いが減って、利息の支払いが増えます)

また5年の間に大幅に金利が上昇した場合、6年目からの返済金額は増加しますが、125パーセントまでというルールがあったりします。負担が一気に増えることはありませんが、元本の減りが遅くなります。

実際には130パーセント支払い金額が増えるような金利上昇があった場合でも、次の5年間は125パーセント増えた額までしか返済額は増加しませんが、足りない分はその次の5年間に繰り越されることになります。

 

変動金利の推移

変動金利は、短期プライムレートという金利に連動します。短期プライムレートとは、金融機関が優良企業へ1年以内に貸し出す際に適用される最も低い金利のことです。この金利をもとに、住宅ローンの変動金利の利率が決められます。

この短期プライムレートは、無担保コール翌日物という金利に連動します。この無担保コール翌日物とは、金融機関同士が資金を借りた翌日に返済するやり取りの際の金利です。無担保コール翌日物は、日本銀行の政策金利に採用されています。ゼロ金利政策というように、ほぼゼロに近い利率が続いており、短期プライムレートもこの20年程はほぼ下がりきったまま横ばいで推移しています。

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日本銀行のホームページに主要行の短期プライムレートの推移が表で掲載されていましたので、それをもとに簡単なグラフを作成してみました。バブルの崩壊から金利が下がり続け、96年くらいからほぼ底で固まっているのが分かります。景気が悪いと金利が下がりますので、これを見るだけでも失われた20年というものが実感できます。これまではほぼ低い金利の固定金利状態でした。

ゼロ金利政策

このように変動金利は景気状況やそれによる政府の政策に左右されます。バブル崩壊後は景気の悪い状況が続いたため政策金利が低く設定され、変動金利も低い状況が続いています。特に1999年からはゼロ金利政策が導入されました。ITバブルを機に一旦2000年に解除されましたが、ITバブルの崩壊で2001年から再度導入されました。

ゼロ金利政策とは、上述しました無担保コール翌日物の金利を0.15%といったゼロに近い水準にまで誘導することを目的とする政策です。

上のグラフでは2005年と2010年の間で少し凸型になっています。2006年にもゼロ金利政策が解除されたためだと思いますが、2008年のリーマンショックを機に再度ゼロ金利政策が導入されました。

無担保コール翌日物の金利は各行の短期プライムレートに影響しますので、ゼロ金利政策は住宅ローンの変動金利に影響を及ぼす政策と言えます。

 

変動金利のメリット

やはり低金利ということに尽きると思います。上のグラフのように、これまでは金利が低いまま20年以上経過しており、固定金利を選択するより変動金利の方が有利でした。金利が低いと毎月の支払額が少なくなりますし、ずっと支払額が低いままであれば、余裕がある分繰り上げ返済を多く実施でき、素早く完済することが可能になってきます。

 

変動金利のデメリット

経済状況により金利が上昇する可能性があります。住宅ローンは長期になりますので、子供の教育費等で出費がかさむ時期に返済額が増えてしまうと、家計が一気に苦しくなります。

また経済状況に関係無く金利が上がることも考えられます。昨今のマイナス金利の影響により、銀行の経営が苦しくなっているという報道を良く目にします。経営が苦しくなってくると、値上げをする必要に迫られます。優遇金利は値引き後の金利であり、基準金利(定価)に変更はなくても値引き幅を縮小することで優遇金利を引き上げることがあるかもしれません。

過去に貸し付けた高い金利の住宅ローン(利益が多い)が完済されていき、最近の低金利で貸し付けたローン(利益が少ない)ばかりが残った時、銀行の利益が減少し経営を圧迫することになります。そんなタイミングで金利を上げてくるのではと予想される専門家の方もいらっしゃいます。

住宅金融支援機構の調査でも、金融機関が懸念する住宅ローンのリスクとして、金利競争による利ざや縮小がトップであげられていました。

 

まとめ

 以上変動金利について調べたことをまとめてみました。やはり変動金利にはリスクが伴いますので、金利の安さだけでなく変動金利の特徴を良く調べた上で利用されることをお勧めします。

結果的にはよく考えた上で、固定金利を選択しました。コストよりも安心を優先した形です。

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