「実生株は日本の気候に適応している」なんてことを聞くことがあります。生まれながらに日本の環境で育っているので、輸入株より丈夫で耐寒性も高まると言われています。
しかし、同じグラキリスなのに本当に違うの?なんて思ったりもします。同じ場所に置いているのだから、同じように変化するはず。
いや、確かに違うのです。実生の方が、四季の変化にダイレクトに反応する印象です。特に夏型が動き始める春から初夏にかけてのタイミング。両者の違いが如実に現れました。
そんな5月のグラキリスの様子をご紹介します。
5月のグラキリス。輸入株と実生株の違いは?
冬の気配がまったく見えなくなり、夏の訪れが感じられる5月。一年の中でも過ごしやすい季節です。
5月は気温が上がってくるので、冬の間は葉を落として眠っていた夏型が動き始めます。同じグラキリスですから、同じように葉を展開し始めてもよさそうですが、株によってそのスピードが全然異なります。
輸入株の様子
現地球やベアルート株と呼ばれたりもするマダガスカルから輸入された株。現地で自生していたものです。
5月の初旬はこんな感じ。
まだほぼ冬の様子を保ったままです。葉は出てきていませんね。
そして5月中旬頃。小さい方の株は、枝先から葉が出てきました。大きい方はまだ動きなし。
ちょろっとかわいい葉が。5月中旬でもこんな様子です。下で紹介する実生と比較すると、かなり動きが遅いですね。
実生株の様子
一方の実生株。春になった途端に、スタートダッシュです。
5月初旬頃の様子。実生株はとっくに葉が出ています。大きい株はこんなにも。
そして5月中旬。この2株は花芽まで伸びており、まもなく花が咲きそう。輸入株とは動きがまったく異なりますね。
5月末には、黄色い花が咲きました。グラキリスはかわいい花を咲かせます。
ただ、すべての実生が同じように葉が出ているかというとそんなことはなく、小さな個体は動きが遅めです。
まとめ
5月のグラキリスの様子をご報告しました。寒い時期が過ぎて、いよいよ動き出すこの季節。国内で生まれた実生株と、現地から輸入された株では動きがかなり違います。実生株の方が、季節の変化に素直な印象です。
やはり育った場所の環境が大きく影響しているのでしょう。日本とはまっまく異なる気候であるマダガスカル育ちのグラキリス。
マダガスカルは南半球に位置しており、北半球の日本と季節が逆です。日本が夏なら、マダガスカルは冬。現地の季節に合わせた成長と休眠のサイクルが、日本に連れて来られるとまったく逆になるのです。
そう考えると、輸入株と実生株で動きが違うのも当然ですよね。これからゆっくりと日本の気候に適応していくのでしょうか。