徳島県の山奥にスリル満点の吊り橋があります。それは「祖谷のかずら橋」です。その名の通り、シラクチカズラというツル性の植物を採取して作られています。
かつてはこの祖谷の秘境で暮らす人々の重要な交通路でしたが、現代では観光スポットとなっており、もちろん渡ることができます。細い気で作られた足場は、そこそこ大きめの隙間があり、下を流れる渓流を覗くことができます。吊り橋なので、当然歩くと揺れます。結構恐いですよ。
そんな祖谷のかずら橋。実は3本存在し、それぞれ渡ることができます。せっかく祖谷へ旅行しても、メジャーな一つだけを見て終了という方も多いのでは?
それもそのはず。3本のうち2本は一つの場所に集中しているのですが、これがまた行きづらいところにあるのです。
3つすべてのかずら橋に訪れてきましたのでレポートします。
祖谷のかずら橋とは?
日本三大秘境の一つである徳島県の祖谷。四国山地の山奥に位置します。クネクネとした深い渓谷により、自然の雄大さを感じられます。
そんな秘境の渓谷にあるのがかずら橋。シラクチカズラという植物をワイヤー代わりに使用して、橋が架けられています。このかずら橋は、弘法大師や平家の落武者が架けたと言われており、その当時からその地に住む人々の重要な交通路となっていました。現在は3本のかずら橋が存在していますが、かつてはさらに多くのかずら橋があったそうです。
このかずら橋は、カズラと木でできており、現代の鉄骨やコンクリートの橋に比べて、耐久性はありません。3年に一度の頻度で架け替えられています。
3本のかずら橋。どこにあるの?
そんな祖谷のかずら橋。3本のうち1本は、メジャーな観光スポットにあります。車で簡単に訪れることができます。
後の2本は一つのエリアに「男橋(おばし)」と「女橋(めばし)」として2本かけられています。これが奥祖谷の二重かずら橋。車で行けるのですが、これがまた非常に行きにくい場所なのです。
祖谷のかずら橋
徳島県の三好市から国道32号線を南下。JR大歩危駅付近から県道45号線に入ります。概ね片側1車線の道が続き、バスでも問題なく走行することができます。
また、かずら橋周辺には大規模な駐車場が完備され、お土産物店などがあって賑やかな印象です。
奥祖谷二重かずら橋
問題はこちらのかずら橋。祖谷のかずら橋に比べて、観光客は極端に少なくなります。その理由は、ちょっと遠いし行くのが大変だから。
奥祖谷の二重かずら橋は、国道439号線沿いにあります。この国道439号線が曲者。国道418号線や425号線と並んで、日本3大酷道の一つとされています。そう、やばい道なのです。
ヨサクというあだ名が付けられた国道439号線。いや、酷道439号線。延々とすれ違い困難な細い道が続きます。ところどころすれ違いのためのスペースはありますが、細いところで対向車が来ると大変。どちらかがすれ違いできるところまで下がらなければなりません。
しかも観光地なので、土日はそこそこの交通量があります。奥祖谷の二重かずら橋に着くまでに、何度もすれ違いのためにバックしたものです。車でも行くのが大変なのです。
3つのかずら橋をレポートします。
実際に訪れた様子をレポートします。
祖谷のかずら橋
まずはメジャーな方のかずら橋。
大きな駐車場が併設されています。駐車料金は500円でした。周辺にはもう少し安い駐車場もあります。
正面の大きな建物はかずら橋夢舞台。お土産物店などが入っています。この建物を抜けて行きます。
坂道を下ると、かずら橋が見えてきました。定期的に架け替えられていますが、はるか昔からこんな感じて存在していたのでしょう。
この先に料金所(チケット売り場)があります。
かずら橋が見えてきました。皆さん恐る恐る渡っていますね。
かずら橋の右側にチケット売り場があります。大人550円です。
では、祖谷のかずら橋を渡りましょう!
趣きがありますよね。ふとい木材とたくさんのカズラで作られているのが分かります。
足元はこんな感じ。細い木しかありません。
こういう吊り橋って下にネットが張られているものですが、ここにはそんなものはありません。小さい子供だと、そのまま川へ落ちてしまいそうなくらい広い隙間のところもあります。
財布やスマホを落としたら大変です。
うちの子は自分で歩くのが怖いようで、抱っこして渡ることに。
スリルはありますが、このように素晴らしい渓谷の景色が広がっています。新緑の季節が良さそうですね。
太い丸太とたくさんのカズラで組まれており、迫力がありますね。
記念撮影スポットです。
奥祖谷二重かずら橋へ
メジャーなかずら橋を堪能した後は、ちょっとした冒険へ。とはいえ険しい山道を歩いたりはしませんのでご安心を。道が狭く、車の運転が大変なだけ。運転に自信があれば問題ありません。我が家のランクルプラドでも、無事擦ることなくたどり着けました。
祖谷のかずら橋から奥祖谷までは、なんと30km弱もあります。車で40分以上。その多くの部分は、緊張を強いられる酷道です。
Googleのストリートビューで道路の様子をご紹介します。
所々狭い場所もありますが、最初の方は快走路が続きます。
やがてこんな道に。
おっ広い道に出た!と思ったら、すぐに地獄の国道へ。
崖沿いの道
集落の道路も細いですね。
車一台がやっとの道幅です。
これどうやってすれ違ったのでしょうか
おにぎりがありました。ちゃんと国道です。
かかしの里の周辺
暗い小道
狭くなかったら気持ちのいい新緑の道ですね。
右に駐車スペースが出てきたら、二重かずら橋の周辺です。
すれ違い困難な道を進むと、急に開けた場所に出ます。ここが奥祖谷の二重かずら橋。道路沿いに駐車場が設けられています。こちらの駐車場は無料です。
この小屋がチケット売り場です。
こちらも大人一人550円。ただ、こっちは2本あるのでお得ですね。
階段を降りて行きます。
少し階段を降りた先に、かずら橋が見えてきました。手前にあるのが男橋。
奥にあるのが女橋です。
まずは女橋から渡ります。祖谷のかずら橋と比べると、少し簡素な作りになっています。
かずらの奥にワイヤーが見えます。観光スポットなので、さすがにかずらだけだと危ないですよね。
自分で歩いてみます。
渓谷の新緑が気持ちいいですね。分かりづらいですが、奥に男橋が見えます。
女橋を渡るとキャンプ場がありました。
これは「野猿」です。ゴンドラ?に乗ってロープを引くことで、対岸に渡ることができます。あいにく故障中で乗ることができませんでした。
では、男橋を渡って帰りましょう。女橋より幅が少し広くなっていますね。
女橋より大きい橋ですね。
こっちはお父さんと渡ります。
まとめ
日本三大秘境の一つである祖谷渓谷。そんな秘境に、秘境感たっぷりのかずら橋が架けられています。そんな祖谷のかずら橋は、これまた日本三大奇矯の一つに数えられます。他の三大桔梗は、山形県大月市の猿橋や山口県岩国市の錦帯橋が該当しますが、他の橋が三大に入ることもあるようです。
3本存在するかずら橋。3本とも渡ってきましたので、レポート記事を書いてみました。おすすめは、やはり3本とも訪れることです。メジャーな祖谷のかずら橋は、観光スポットならではの雰囲気を感じられますし、かずら橋もダイナミックで豪華な感じがします。
一方で奥祖谷の二重かずら橋は、シンプルな印象を受けますが、それだけ通好みのかずら橋です。何より人が少ないので、ゆっくりと2本のかずら橋とその渓谷の涼しさを堪能することができます。行くのが大変ですが、行って損は無いでしょう。
祖谷には温泉があります。和の宿ホテル祖谷温泉は、ケーブルカーで渓谷の底にある温泉に向かうというトンデモな経験ができます。旅館が運営する温泉に行くためのケーブルカーです。
露天風呂の屋根です。渓流を眺めながら、ぬる目のお湯に長くつかることができます。
朝食会場の景色も圧巻です。