2020年は激動の年でした。様々なことに自粛要請や制限がかかったりして、もともと人が動くことを前提とした業界に大きな経済的ダメージをもたらしました。旅行会社や航空会社なんて、いつ手元の資金が尽きるか戦々恐々とした状況です。
鉄道もそうですよね。鉄道会社も軒並み業績が悪化しています。JRのドル箱といえば、そう新幹線。当然新幹線の乗車率も大きく落ち込み、一時期は減便して運行されていました。
そんな最中、黙々と毎日新幹線に乗り続けたヤツがいます。自分です。どうなんだという感じですが、緊急事態宣言下においても新幹線通勤を続けてきました。
2020年を通して毎日通勤したので、新幹線の車内の変化の様子を直接この目で見てきました。新幹線の乗車人数はどのように推移したのか、実際に人数を数えたのではなく、あくまでも感覚的なものではありますが、レポートしたいと思います。
まずは自身の新幹線通勤の状況を
2020年の間ずっと新幹線通勤を続けたって、結構驚きだと思います。普通はテレワークなどに置き換えられそうなものですが。
広島岡山間の新幹線通勤を開始したのは、2019年の4月から。詳しくはこちらの記事をご覧下さい。マイホームを購入すると転勤になるとは良く聞く話ですが、まさに転勤となってしまったのでした。転居はまぬがれて、新幹線通勤をすることになりました。
かれこれ1年半、毎日新幹線に乗車しています。当然うちの会社でも、テレワークは導入されましたが、結局のところ3度ほど実施した程度で、毎日オフィスに通勤する日々へと戻ってしまいました。
テレワークと言っても、以前から活用していた訳ではなく、今回の事象を受けて急遽導入されたもの。言わば、にわかテレワークです。ツールだけ入っても、会社の業務の流れや文化ってすぐには変わりません。当然支障が出てきます。また、東京大阪に比べて影響の少ない地方ということもあり、比較的大らかな対応に終始したということもあります。
そんなこんなで、違和感と多少の罪悪感を感じつつも、新幹線通勤を続けたのでした。
2020年の新幹線車内の様子
2020年を通して、新幹線車内の様子はどのように変化したのか。一つ言添えておくと、新幹線は通勤で利用しているので、平日の決まった時間を切り取ったレポートになります。それに、定期で乗れる自由席に限った話でもあります。
お盆の車内がガラガラだったという報道を目にしましたが、新幹線に乗らないので休日のことはよく分かりません。あくまでも、ビジネスユースの多い平日の新幹線自由席のお話です。
普段通りの1〜2月
2019年末より、中国で広がりを見せる様子を報道で見る機会が多くなりました。キナ臭い感じを漂わせ始めた時期です。
日本での影響が決定的になったのは、ダイヤモンド・プリンセス号の件があってからでしょう。だんだんと報道も激しくなります。
年初のあたりは、新幹線車内もいつもの混雑状態でした。平日は出張に行くであろう、スーツケースを引っ張るビジネスウェアに身を包んだ人々が賑やかに行き交います。
ニュースで報道されていますが、まだまだ別の世界のような印象です。
ただ2月後半になると、徐々に新幹線車内にも変化が現れ始めます。なんだか人が減ってきたような感じです。
激減した3〜5月
このころになると、目に見えて人が減っていきました。3月ごろから、早い企業ではテレワークが導入されていました。出張も禁止され始めます。
そして、4月の緊急事態宣言を境に、状況が一変します。人が全然いなくなったのです。時間帯によっては、一車両に2〜3人ということもありました。のぞみの車内ですよ。ほぼ貸し切り状態でした。人がいないので、逆に安全な空間なんじゃないかと思えましたね。以前が100としたら、恐らく5程度まで減ったのではないでしょうか。
朝7時過ぎの広島駅の写真です。誰もいなくなったので、思わず撮ってしまいました。普段なら、通勤や出張のサラリーマン、スーツケースを抱えた旅行客でごった返しています。柱に設置されたサイネージが虚しく輝いています。
緊急事態宣言が解除されるまで、こんな状況が続きました。この時期は出張は当然禁止でしょうし、新幹線通勤なんかしていれば優先的にテレワークとなった人も多いでしょう。駅のホームで毎日のように見かけた人も、さすがにこの時期は見なくなりました。しかし、自分はこれまで通りの通勤を続けたのでした。
5月の間は、新幹線の本数も減便されました。
少しずつ戻り始めた6〜8月
緊急事態宣言が解除されると、徐々に人が戻り始めます。「あっどうも」いつも見かけた人も、戻ってきました。心の中で挨拶します。
5月いっぱいで減便も解除され、6月からは通常のダイヤとなりました。
しかし、人が戻ってきたとは言え、上記の5が15や20になったレベルです。まだまだガラガラの状態が続きます。
依然出張は禁止ですし、地方の企業では東京大阪から来社するのはNGとしているところも多かったです。
7月からGoToキャンペーンも始まりましたが、まだ自粛のムードが漂っており、旅行客の姿もまばらでした。お盆も全然人が乗っていなかったようですし。
多少は戻った9月
夏も終わりに近くなると、さらに人が戻ります。出張らしき人も結構見かけるようになりました。体感的には、普段が100として40くらいでしょうか。
そこそこ戻った10〜11月
10月や11月になると、目に見えて人が多くなりました。出張の人も多く見かけるようになります。帰りに乗車すると、缶ビールをプシュッと開ける音があちこちから聞こえます。GoToの影響なのか、旅行の人もたくさん見ます。
とは言っても、やはり普段ほどの混雑状況までは戻っていません。朝の通勤の車内だと、まだ60くらいでしょう。
以前は多い時間だと、2列シートの通路側に他人と隣り合わせで座ることもありましたが、コロナ以降は経験していません。必ず隣の席は空席の状態です。
いったいいつになると、以前の乗車率に戻るのでしょうか。
まとめ
一時的にテレワークをしたこともありましたかが、2020年を通して広島岡山間の新幹線通勤を続けてきました。普段の人が多かった時期と比べると、この記事を書いている2020年12月初頭にあっても、まだまだ乗車率は戻ってきていないように思います。
外国の方がまったく来訪しなくなった影響も大きいでしょう。特に広島は欧米系の旅行者に人気だったので、広島駅の半数は外国人なんじゃないかというくらい、大きなスーツケースを引いた人々を見かけたのですが、パタッと姿が見えなくなってしまいました。もちろん新幹線車内も同様です。新幹線がこんな感じですから、ホテルや航空なども大変大きな影響を受けています。平和記念公園や宮島で、外国の方が観光する姿が早く戻ってきて欲しいものです。
そんなインバウンドで賑わっていた車内も、一車両に数人のみというもっとも人が少ない時期も経験しました。ちょうどこんな時期に新幹線通勤をしていたので、両極端な新幹線の様子を経験することができました。こんなことって滅多にないことでしょうから、個人的には貴重な経験ができていると思っています。
またまた広がりを見せ始めています。また車内から人がいなくなるかもしれません。今後も気をつけて通勤したいと思います。