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クリスマス前の数日およびその当日における、3歳少女の行動調査に関する報告書。クリスマスとしつけの関係性について。

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クリスマスは我々日本人にとっても重要なイベントである。各家庭では24日及び25日のいずれかの日にクリスマスケーキを準備し、夕食もひと際豪華になる。ショッピングモール等の商業施設では、巨大なクリスマスツリーが一月ほど前から装飾され、その間はクリスマス一色になる。学校や保育園等教育施設においても、クリスマスを意識したイベントが実施される。「クリスマスを過ぎるとすぐお正月」という意識の変異は、我々日本人にとって一般的なものである。

ここで一つの疑問が生じる。お正月は日本の伝統文化に根差したものであり、お祝いする行為は理解できる。しかしクリスマスは本来キリストの生誕を祝福したものであり、言ってみればほとんどの日本人にとっては関係のないイベントである。下の円グラフは、日本人における各宗教の信者数の割合を表したものである。大半の日本人は神道系か仏教系の信者に属する。キリスト教の割合は、1%に過ぎないのである。このような状況であるにも関わらず、どうしてクリスマスはここまで日本人の生活に浸透したのか。

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日本人への「クリスマス」の浸透具合を検証し、日本人とクリスマスの関係を明らかにするため、一人の3歳少女に着目することにした。

3歳児を調査対象とする理由は、その人生経験の浅さである。クリスマスに対する意識、さらには文化伝統に対する意識は社会的なものであり、当然出生直後は白紙の状態である。生活を重ねる上で、周囲の環境からの影響により、文化伝統に対する意識は培われるのである。

つまり、人生経験の浅い3歳児を調査対象とすれば、日本人への「クリスマス」の浸透の深さが検証可能になると考えた次第である。

また、当該3歳児は我が娘であり、身近な存在であることから常に観察可能である。これも調査対象を選定した理由の一つである。

クリスマスの数日前から当日までの少女の様子を観察しその様子を記録する。その観察結果により、日本人のクリスマスへの意識を明らかにしていきたい。

 

 

 

調査対象の少女について

まず、対象の少女は普段どのような生活を送り、どのような性格なのか記述しておきたい。

・保育園の年少クラス。1月生まれなので、クリスマス時点では3歳である。

・オムツが取れかけていたが、近頃は失敗を多発している。ここ数日は、連日の失敗であり、母親から叱責を受けることがしばしばである。

・最近はかなりおしゃべりになり、大人の話も良く聞いている。地獄耳である。特に食べ物の話には敏感であり、記憶力もかなりのものがある。

・夜はなかなか寝ようとしない。しばしば11時近くになることも。眠い時にはかなり不機嫌になる。朝は弱いらしく、たいてい不機嫌である。

 

 

3歳少女のクリスマスの様子

クリスマスの数日前から、クリスマス当日にかけての様子を詳細に記録した。まず数日前から前夜にかけての様子を詳述する。クリスマスまでにどのような変化があったのか。

次に当日の様子を記す。サンタクロース(以下サンタ)からの贈り物と称する、両親からのプレゼントを発見する。 本人は当然サンタの来訪を信じて疑わず、両親もサンタの存在を信じさせるべく行動するのである。その方が都合が良いのだ。

 

クリスマス数日前より前日まで

クリスマスの1週間程前から、トイレを失敗する頻度が増えていた。失敗の都度着替えが必要となるのであり、汚した衣類の洗濯も必要となる。保育園においても失敗が頻発しており、毎日のようにお迎え時に汚れた衣類を保育園教諭より受け取る始末であった。

一時期は問題無くトイレに行くことができていたが、どういう訳か最近になって失敗が再発していたのである。このような状況が続き、母親のイライラが蓄積していた。

失敗を防止するべく、クリスマスを利用した指導を試みることにした。即ち、以下の発言を行なったのである。

「トイレでおしっこできない子のところには、サンタさん来ないらしいよ。」サンタが来ないことは、子供にとって一大事だ。プレゼントを貰えないのである。

この母親からの発言を受けた直後は、自らトイレへ向かいお漏らしをすることはなかった。その後も時々失敗はあるが、失敗の頻度が減ったのは事実である。トイレ以外にも、何か悪さをする(夜なかなか寝ない、夜遅くまでYouTubeを見たがるなど)たびに、サンタの話題を持ち出したのであった。

そしてクリスマス前夜。つまりクリスマスイブ。少女に明らかな態度の変化が表れたのである。まるで別人になったかのような変化であった。

まずトイレについて。24日は終日失敗することはなかった。保育園においても同様で、しっかり自らの意思でトイレへと向かったのである。

そして夜の就寝時間。普段は遅い時間まで「おさるのジョージ」や「おしりたんてい」、ディズニーアニメの視聴をおねだりする、あるいはiPadによるYouTubeの視聴をなかなか止めようとしないのだが、24日は午後9時頃に自らの意思で就寝するべく寝室へ向かったのである。両親が知る限り初めての行動であり、これには両親も驚いたとのこと。

24日は終日「良い子」であった。良い子の判定基準については別の議論が必要であるが、世間一般の常識的な基準において、「良い子」に相当する態度が見られた。上記で別人になったかのような変化と述べた通り、24日とそれ以外の日では明らかな態度の違いが見受けられたのである。今晩サンタクロースがプレゼントを持参するという特別な状況が、このような態度変化に影響したと十分に考えられる。

また、前日においては、サンタの存在を信じることを示す行動も見られた。まず、サンタへ向けた手紙を準備した。当然3歳児である少女は文字が書けないことから、母親に代筆を依頼した。手紙に添える絵は本人が描画した。

それに加えてジュースも用意した。「さむがりやのサンタ」がお気に入りの絵本であり、その中で家に侵入したサンタが、準備されたジュースを飲むシーンがある。そのシーンを意識して、飲み物を用意したのである。当初はワインを用意したかったようだが、母親が購入を失念したため、急遽ジュースへと置き換わったという背景がある。

ちなみにこの「さむがりやのサンタ」は、父親が幼少期に読んでいたものであり、父からのお下がりとして少女へ受け継がれたものである。時代を超えて愛される絵本である。

 

クリスマス当日

態度の変化は当日においても継続的に見られた。少女の父親は、平日は午前6時に起床する。クリスマス当日は金曜日であり、父親は普段と同様に6時に起床した。 

一般的にクリスマスプレゼントは子供の枕元に添え置くものとされているが、当家庭においてはリビングに設置したクリスマスツリーの横に置いておくこととした。前述したジュースもクリスマスツリーの横に準備した。少女が寝静まったタイミングを見計らって父親が飲み干し、空き缶を同じ場所に置いておいた。

午前6時半頃、父親がサンタの来訪についての第一声を少女に投げかけた。普段このような早朝に起床させられると、確実に不機嫌になる。ところが、そのような不機嫌な態度は一切見せず、とにかくプレゼントの有無が気になる様子である。自らベッドから起き出し、リビングへと向かった。実はこれも珍しい態度である。朝は抱っこでリビングへ向かうことが少女のデフォルトとなっており、歩くことを促すと怒りをあらわにするのである。

自ら率先してリビングへと移動し、ツリーの横に大きな袋があることを発見した。喜びを大きく外へ発散させることはせず、喜びを噛み締めるような様子で恐る恐る袋の内容を確認する。本当に嬉しいときは、あまり外に出さないタイプのようだ。しかし、顔を見ると、かなり嬉しそうな表情をしていることが分かる。

袋の中には、以前より両親に欲しいことを表明していた「アナと雪の女王のお化粧セット」が入っていた。念願の品である。

両親が懸念していたことは、クリスマス当日が平日であること。つまり保育園に行かなければならないのである。プレゼントで遊びたいあまりに、保育園への登園を拒否する事態にならないか案じたのである。

その不安は杞憂に終わった。クリスマスを境に「良い子」へと変化した少女は、問題行動を起こすことなく保育園へと向かったのである。当報告を書いている26日の時点においても、トイレの失敗はしていない。「良い子」なのだ。

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結果の考察

3歳児にとっても、クリスマスは重要なイベントであることが分かった。「良い子」への変化の原因として、クリスマスやサンタクロースの存在が意識されていたことは明らかである。人生経験の浅い3歳児にも、クリスマスの影響は深く浸透している様子であった。

その原因としては、12月初旬より嫌でも「クリスマス」に接する機会が多くなるのであり、「クリスマス」が自然と意識づけられるという社会環境にあるだろう。

街を歩けばクリスマスツリーが飾ってあり、普段行くスーパーマーケットにおいてもクリスマスを意識した飾りつけが行われる。当家庭においても、11月後半にはクリスマスツリーが出されていた。キリスト教徒が数少ない日本においても、社会全体がクリスマスムードへと走り出すのである。

保育園においても同様である。園児たちが過ごす教室はクリスマスの飾りつけが行われ、クリスマスのちょうど一週間前には園長先生が扮したサンタクロースが園を訪れていたのである。園児たちは絵本のプレゼントを受け取っている。

このようにどこに行ってもクリスマスであり、当然テレビ等のメディアも同様である。こうした状況であることから、自然と3歳児にもクリスマスが意識づけられていったのであろう。

 

物欲のクリスマス

その根底にあるものは、「物欲」であると考えられる。現在クリスマスにプレゼントを贈る習慣は一般的なものであるが、当然過去の日本には存在しなかった習慣である。日本における最初のクリスマスプレゼントは、キリスト教団体による貧困層への食糧及び玩具のプレゼントであるとされており、明治時代のことであった。大正時代には一般市民の間でも、クリスマスにプレゼントを贈る習慣が一般化した。

その後クリスマス=プレゼントの図式で、日本社会に定着していった。何かいいものがもらえる日=クリスマスであり、宗教的な目的は一切見られない。あくまでも商業的なイベントなのである。現にクリスマスに最も力を入れるのは、小売業である。プレゼントが欲しいという物欲に根差したイベントであり、それゆえ宗教的には関係のない日本社会に広がりをみせ、強固な基盤を築いているのである。

子供におけるクリスマスも物欲の塊である。上記のレポートにおいても、トイレを失敗する少女に対して母親はサンタクロースが来なくなることを示唆した。つまりプレゼントが貰えなくなるのである。子供の物欲を刺激して、言うことをきかせようとする行為であると言えるだろう。まさにクリスマスをだしにしており、この行為は当家庭のみならず、日本中の家庭でごく自然に行なわれていると考えられる。

そうして子供の頃からクリスマス=プレゼントの図式を刷り込まれて大人へと成長する。クリスマスの意味など知らないままに。毎年12月24日と25日にやって来る、プレゼントを贈り合う楽しいイベントとしか認識されないのである。

 

 

総評

以上3歳少女のクリスマス前後における態度変化の様子を観察し、日本人とクリスマスの関係を考察してきた。その結果、宗教的にほぼ関係のない日本人がクリスマスを盛大に祝う背景には、プレゼントへの物欲が意識の底にあることが明らかになった。

小さい子供を育てる多くの家庭において、クリスマスの物欲は子供をしつける機会として利用されている。今回調査した家庭においても、「おしっこをトイレですること」と「夜早く寝ること」において、クリスマスを利用する様子が確認できた。プレゼントを貰えなくなる恐怖感によって、言うことをきくよう期待したものとも言える。

そして日本人はクリスマスにプレゼントを貰いながら成長する。大人になった彼らはその子にも、クリスマスにプレゼントを与えるのである。こうしてこの習慣は代々受け継がれ、人々の物欲を刺激し続けるのである。

今回調査対象とした3歳の少女が4歳になった時、クリスマスに対してどのような反応を見せるのか。継続して調査を行なっていきたい。

 

最後に

サンタさんからのクリスマスプレゼントを発見した娘の姿が可愛すぎたので、こんな記事を創作してみたのでした。