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やはり投資はした方が良いと考える4つの理由。この世界は投資家が有利?

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年金2,000万円問題を契機に、投資に注目が集まっています。若い世代の証券会社への口座開設の申し込みが大きく増えたようです。個人的も投資は生活に取り入れるべきであると考えており、つみたてNISAを活用して投資を実践しています。

なぜ、投資が必要なのか。投資と聞くと、なんだか怖いイメージを持つ方もいるでしょう。もちろんリスクはあります。資産が減ってしまうかもしれません。しかし、リターンを得るにはリスクは取らなければなりませんし、長期で分散すればそのリスクは低減させることができます。そして、世の中の仕組みというか構造を考えると、投資家になった方が有利になりそうなのです。

この記事ではその理由を4つあげて説明したいと思います。

 

 

 

 

投資をした方が有利であると考える4つの理由

1つ目の理由は、経済成長より資本の成長の方が大きいという理由です。数年前にフランスの経済学者トマ・ピケティの「21世紀の資本」という本が流行しました。その中で格差が拡大する要因として、労働者の賃金上昇より資産家の資産が増えるスピードの方が早いという点が述べられていました。

2つ目の理由は、株式会社は株主のものであるということです。従業員や経営者のものではなく、株主のものなのです。会社は株式の価値を高めるために営業します。決して従業員の待遇を良くするためではなく、言ってみれば株主の資産を増やすためなのです。それならサラリーマンであったとしても、株式を購入して株主の側になったほうが有利でしょう。

3つ目の理由ですが、税制面などの制度でも資産家に有利となっています。累進課税なので、労働収入が増えるほど大きな税率で税金が課されます。最大で55%もの税率が課されるのです。半分以上持っていかれます。まあ、最大の税率は課税所得が4,000万円超の場合なので、心配する必要は無さそうですが、、、。その反面、配当などの株式から得られる所得に対する税金は、どんなに増えても一律なのです。

最後に4つ目ですが、負債を買ったのなら、逆に資産も買っていこうということです。継続的にお金を奪っていくものが負債です。例えばマイホームの購入は負債という側面が大きいのではないでしょうか。住宅ローンには金利がかかりますし、住めば住むほど家の資産価値は減っていきます。逆に同じ不動産でも賃貸アパートなど家賃収入が得られる不動産投資は資産と言えそうです。それ自体がお金を生み出すものが資産です。自分の場合は、新築マンションという負債を購入しました。住宅ローンにより、家計のバランスシートは債務超過状態です。資産より借金の方が多い状態です。これが会社であれば倒産が近い状態。少しずつでも債務超過状態を解消するため、資産の購入を行なっていこうと考えました。

それぞれの理由について、詳しく説明しましょう。

  

理由1 「r > g」 給料は増えないが、投資家の資産はどんどん増える

2015年頃でしょうか。フランスの経済学者であるトマ・ピケティがブームになりました。600ページ以上もあって5,000円近くする経済学の書籍である「21世紀の資本」がベストセラーとなったのです。来日した際には大々的に報道されました。この本が家にあるという方も多いのではないでしょうか。自分も購入した一人なのですが、半分くらい読んだところでめんどくさくなって止めてしまいました。

この本では、一部のお金持ちが世の中のほとんどの富を独占して、格差がどんどん開いている現実を様々なデータを用いて解説していました。その中で格差が拡大する要因としてあげられていたのが、r > gという式でした。rは資本収益率を表します。株式などの資本が生み出す収益率です。例えば株式を所有することで得られる配当(インカムゲイン)や、株式自体の価格の上昇(キャピタルゲイン)が含まれるでしょう。

gは経済成長率です。経済成長することで労働者の賃金を増やすことができます。経済が停滞しているのに給料が増えることはないでしょう。もちろん不景気の中でも元気で給料を増やすことができる会社もあるでしょうが、あくまでの個別の話ではなく経済全体の話です。

戦後日本は高度経済成長により経済が大幅に成長し、それに合わせて日本人の給与所得もどんどん上昇しました。それがバブル崩壊後の経済の停滞により所得は増えないばかりか減り続けています。近頃はアベノミクスにより経済成長はしてはいるようですが、年率でも1%台です。

それに今後は世界的に成長が鈍化しそうな雰囲気が漂っています。最近の報道によると、ドイツではマイナス成長に突入したようです。これまで世界の経済を引っ張ってきた中国の成長も停滞しつつあります。

r > gはその式の通り、世界の経済成長より、株式等の資産の増加率の方が大きいことを示しています。

日本の経済成長はほとんどしていない状況ですが、では株式はどうでしょうか。安倍政権が始まった2012年頃は日経平均が9,000円台でした。アベノミクスにより株価が上昇し、2018年10月には24,400円台まで上昇しました。2.7倍の上昇です。数年前、上昇した株価の影響からか、高級時計の販売が増えているといったニュースを見た覚えがあります。株を保有する投資家はその時期に大きく資産を増やしたのです。

株価は2.7倍に上昇しましたが、給与は2.7倍に増えたでしょうか。最近になってようやく人手不足により賃金上昇の圧力が出てきましたが、給与はほとんど増えていません。

サラリーマンですので一生懸命働いて、労働収入を増やすのも大切なのですが、これまでの状況を鑑みるとあまり上がることは無さそうです。それならば少しずつでも資産家へ近づくための道を歩いていこうと考えた次第です。もちろんその資産を買うための資金は毎月の給料ですので、仕事はこれまで以上に頑張らなければなりません。

 

21世紀の資本

 

まんがでわかるピケティの「21世紀の資本」 (まんがでわかるシリーズ)

 

【図解】ピケティ入門 たった21枚の図で『21世紀の資本』は読める!

 

 

理由2 会社は従業員ではなく株主のもの 株式会社とは?

もともとは大航海時代に資金を集めるための手段として生まれました。貿易のための船舶の建造や航海には多額の費用がかかります。それを一人で賄うのは到底不可能です。お金がない場合は借金をすればよいのですが、大航海時代の貿易というかなりリスクの高い事業であることから失敗する可能性が高く、貸し手も貸すに貸せない状況だったでしょう。また、借りたとしても返済不可能な借金が残るかもしれません。そこで、事業に必要な資金を得るため、株を売ったのです。株を販売して出資者を募ることで、広く小口から資金を集めることができます。また、投資家ももし事業が失敗したとしても、株を購入した額が損をするだけで済みます。事業が成功したあかつきには、株式を保有する株主は利益の分け前を得ることができます。

株式は細かく分けられた会社を所有する権利であり、株主から選ばれた取締役が会社の経営を行ない、株主の価値を最大化することを目的とします。会社が利益を出すと、配当などで株主へ還元されます。また、市場に流通する自社の株式を購入して、株主が所有する株式の価値を高めようとします。

このように会社は株主のものであり、決して従業員のものではないのです。現に日本の会社は株主還元に力を入れ始めており、2018年には上場企業の配当と自社株買いを合わせた株主還元が15兆円を超えたそうです。なんと5年で2倍になったそうです。反対に給料はほとんど上昇していません。また企業の内部留保は7年連続で増加し、463兆円にもなったようです。給料は増えないのに!

この内部留保は悪者のように言われますが、株主からするとそんなに悪者ではなさそうです。内部留保とは企業の営業活動等により得た資産のことであり、現金だけとは限りません。工場を建てたり、工作機械を購入したりといった設備投資なども内部留保に含まれるのです。つまり内部留保は企業が成長するための原資となるのです。企業が営業活動で得た売上から経費や税金、配当等を引いた残りが内部留保であり、これまでアベノミクスの影響で企業業績が上向いていたため、内部留保が積みあがるのも当然と言えるかもしれません。

つまり、企業が徐々に増やしていく内部留保は、株価が上昇する要因となり得て株主にとって有利になる可能性があります。現在企業は配当や自社株買などの株主還元、そして内部留保を拡大させていますが、従業員の給与が増える要素にはなりえません。しかし、株主の懐は豊かになっていくのです。

株を買えば誰でも株主そして投資家になれるのですから、すこしリスクを取ってこのような恩恵にあずかるのも検討してみてもいいかもしれません。

 

 

理由3 金融資産からのお金は税制面で有利 一律の源泉分離課税

日本の所得税は累進課税で、所得が増えれば増えるほど税金も高くなります。下の表は所得税の税率です。所得金額が増えるほど、税率が上がります。最高で45%も税金で持っていかれてしまいます。

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課税される所得金額とは、給与の額面から給与所得控除や社会保険料控除、基礎控除などを差し引いた額ですので、もらった給与の額面に上記の税率がかかる訳ではありません。所得金額が500万円の場合、500万円の20%は100万円です。この100万円から表の右の控除額(427,500円)を引いた金額が所得税です。572,500円です。

実はこの金額は国へ納める所得税のみで、別途地方自治体に納める住民税も課税されます。住民税は一律10%です。500万円の10%で500,000円です。実際は控除額の計算などにより少し違ってきますが、だいたいの金額を書いております。

所得が増えるほど、税率も上がりますので、支払う税金もどんどん上がります。

一方で株式の配当や売却益には一律20.315%の税率で税金がかかります。例えば、労働による所得金額が700万円だった場合、所得税住民税合わせて167万円ほどが課税されますが、もし株で700万円を儲けた場合は142万円であり、労働で得た所得より税金が安くなるのです。

我々庶民には雲の上のような話ですが、数億円単位で株式を保有しているお金持ちが例えば配当金で毎年1,000万円を手にしていた場合、税金は200万円ほどしかかからないのです。よく企業の経営者が大株主になっていることがありますが、なるべく給料は少なくして税金の支払いを抑え、配当金をたくさん得ることで節税するような方法があります。

トマ・ピケティが格差の拡大を抑えるためには、全世界的にお金持ちの資産への課税を行なうべきだと提唱していますが、このような税制面の優遇があるからかもしれません。

 

『これだけは知っておきたい「税金」のしくみとルール改訂新版6版』 これだけは知っておきたいシリーズ

 

理由4 負債ではなく資産を買いましょう 貧乏父さん金持ち父さんについて

ロバート・キヨサキ氏の有名な書籍です。この本の中で一貫して言われているのが、貧乏なお父さんはわざわざ負債を購入し、お金持ちのお父さんは資産を購入しているということです。負債とはそれを持っていると、どんどんお金が失われるものです。負債の代表は、マイホームやマイカーです。例えば、マイホームはローンで購入しますのでその金利を取られますし、修繕のための費用、固定資産税の支払いなどによりお金が出ていきます。それに住めば住むほど家そのものの価値も落ちていきます。車なんかは特にそうでしょう。保険代やガソリン代、自動車税、車検・点検など金食い虫です。

逆に保有すればお金を生むものが資産です。不動産でも投資用のものは資産になり得ます。ロバート・キヨサキ氏も不動産で財を成したそうです。もちろん株式や投資信託、債権なども資産と言えるでしょう。

ただ、負債ではなく資産を買うということを実践するには、考え方を根底から見直す必要があります。マイホームやマイカーを購入するのは当たり前ですし、やはりいい車に乗りたいものです。いい服やブランドもののバッグを身につけてお出かけしたいでしょう。お金が入るとそのようなものに目が行きがちですが、それらはお金が貯まらない原因となる負債です。欲しいものを買うのを我慢して、インデックスファンドに積み立てるなど少しずつでも資産へとお金を回すことで、将来の資金がゆとりあるものになります。

せっかく買ったマイホームですが、やはり負債という側面があることは否めません。自分も新築マンションを購入しましたので、負債を買ってしまった一人です。少しずつでも投資をして、資産を増やしていきたいと思います。

改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学 (単行本)

 

まとめ

以上投資は行ったほうがよいと思う理由を書いてきました。先日5年に1度の年金財政検証が公表されましたが、経済成長が思うようにいかなければ年金財政が厳しくなると報道されていました。現在若い世代からすると、将来の年金額が思ったより少ないことを覚悟しなければならないのかもしれません。

ただ、年金自体は長生きした時のための保険であり、年金だけで暮らせることを考えるべきではありません。現在受け取っている高齢者世帯でも、モデルケースで月々20万ほどです。20万で暮らすのは結構きついでしょう。将来さらに減るとなると、年金のほかに老後のための強力な後ろ盾が必要になります。

若いうちからの資産形成を考える必要がありそうです。政府もNISAや積立NISA、iDeCoなどを整備し、国民の投資を後押ししようとしています。現状NISAなどは5年という期限が設けられていますが、それを恒久化しようという議論もなされています。

ただ貯金するだけでは、お金が増えません。これまで書いてきましたように、株式などに投資をすることは、色々と有利な面があります。是非、投資による資産形成を検討してみましょう。

ただ、投資をするといってもデイトレードなど損をする確率の高い方法ではなく、長期で分散をして、よりリスクを抑えてリターンを得られる方法で行います。すぐにお金が増える訳ではありませんが、年率数パーセントでもこつこつと資産を積み上げていくのです。

また、リーマンショックのようなことが発生し、一時的に資産が大きく減ることもあり得ます。投資は生活に必要な資金では行わず、余裕のある資金で行いましょう。できれば数か月分の生活費を現金で貯めてから投資を開始されることをお勧めします。