世の中には珍味と呼ばれる食べ物がたくさん存在します。強いクセがあって、好きな人にとってはそのクセがたまらないのでしょうけど、ダメな人はほとんど受け付けられない。そんな食べ物。
「こんなん誰が食べるん」と思えど、伝統的に作り続けられているということは、そのクセの虜になった人が常に一定数存在するのでしょう。
珍味というと、お酒のあてを思い浮かべます。さばのへしこや鮒ずしなど、お酒と一緒に食べるものといったイメージがあります。
世の中には、スイーツの珍味も存在するのです。鹿児島へ行った際に発見しました。その名も「あくまき」。鹿児島の伝統的なお菓子です。
今回は「あくまき」をご紹介します。
鹿児島名物「あくまき」とは?
鹿児島名物のスイーツといえば、かるかんが有名ですね。鹿児島土産の定番でもあります。全国のスーパーで見かけるボンタンアメも鹿児島のお菓子です。黒糖味で三角形のお菓子「げたんは」も有名ですね。
どれも甘くて美味しい鹿児島名物のお菓子。そんななかで異彩を放つのが「あくまき」です。
あくまきとは、餅米を竹の皮で包んで、木や竹の灰でできた灰汁(あく)で炊いて作られたお菓子。いきなり灰で炊くというパワーワードが出てきました。もう想像できないですよね。
ただ、あくまきは九州の南部で、端午の節句に食べられてきた伝統的な食べ物。ちまきや柏餅のような存在です。鹿児島でのちまきは、このあくまきなのです。珍味なんて言うには、少し失礼かもしれません。
とはいえ、あくまき文化圏にない我々が食す限りにおいては、まさに珍味なのでした。クセが強い。鹿児島に行って初めてあくまきなるものの存在を知りました。地元(大阪、広島)では見たことがありません。
早速食べてみましょう。
あくまきを食べてみる
鹿児島で買ってきたあくまきです。確か桜島サービスエリアで購入。
きなこが付属していました。オーソドックスなのがきなこをまぶす食べ方です。その他、黒蜜をかけたり、醤油をかけたりも。色々な食べ方があるようです。
原材料は、もち米と木灰抽出物。それだけ。ナチュラルな食べ物と言えそうですね。
竹の包みを開きました。匂いを嗅いでみます。臭いとうわさのあくまき。果たしてどんな香りなのでしょうか。
これは、、、
臭いですね。泉質の良い温泉街の香りがします。トロトロの湯で、湯の花が浮いていることでしょう。温泉なら歓迎される硫黄の香り。しかし、これは食べ物です。そういえば硫黄の匂いって、卵の腐ったような香りと例えられることがあります。
お皿に移してみました。プルンというよりは、ねっとりした感じ。高級なわらび餅のようです。
それにしても、すごい色ですね。灰汁はアルカリ性であり、もち米のデンプンと反応して、ねっとりと糊化するのと同時に、このような色になるのだとか。
大きいので切って食べたいところ。しかし、柔らかいお餅を切るようなもので、包丁だと刃にくっついてしまい非常に切りづらいです。
本場では糸で切るそうです。そんなこと知らないので、なんとか包丁でカットしました。付属のきなこをかけて食べてみます。
食べてみた感想は?
硫黄の匂いは正直言って美味しくなさそうです。しかし、食べてみたら美味しいなんてことはありうる話。食べてみないことには、何も分かりません。
で、実際に食してみました。
食感はお餅のようでお餅でない、、、わらび餅に近い感じでしょうか。この柔らかさを出すには、灰汁の質も重要なのだそうです。
で、肝心の味は?
こ、これは、、、苦手かも。
もとはもち米なので、それ自体にはあまり味はありません。
しかし、食べ物の味には嗅覚も大いに関係します。鼻をつまんで食べると、味がよくわかりませんよね。つまり、嫌な匂いの食べ物は、あまり美味しく感じない可能性が高いです。
あくまきはどうも硫黄の風味がしてしまい、残念ながら美味しく感じませんでした。
普段の生活で硫黄の香りのするものを口に入れることってありません。要するにああいう香りのものを口に入れることに慣れていないのです。好きな人は好きだと聞きますので、慣れの影響は大きいのでしょう。
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まとめ
鹿児島名物のお菓子あくまきを食べてみました。もち米を灰汁で炊くという作り方を聞くと、興味を持たない訳にはいきません。
硫黄の香りがするあくまき。なかなか厳しい食べ物でした。ただ、鹿児島では端午の節句のちまきとして伝統的に食べ続けられている由緒正しきお菓子なのです。やはり慣れてないのが問題であり、鹿児島の人からすると、余所者が初めて食べて何言ってんだって感じでしょう。
鹿児島へ行った際には、一度試してみてはいかがでしょう。
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