器がいいものだと、料理を食べるのはもちろんのこと、料理するのも楽しみになります。ホームセンターや100円ショップの食器でも、もちろん何の問題も無いのですが、さらにご飯を楽しむためにも、少しはこだわっていきたいところ。
そんな時にオススメなのが、窯元めぐり。実際に陶器を作成している窯元では、ショップを併設していることが多く、自分のお気に入りの器を探し求めることができます。焼き物の里では、各窯元が集結して開催される陶器市に赴いてもいいかも。
今回訪問したのは、出雲にある出西窯(しゅっさいがま)。出西ブルーと呼ばれる濃い青を基調としたモダンな陶器で、近年注目を集めています。出雲大社に行ったので、こちらの窯元にも訪れてみたのでした。
出西窯(しゅっさいがま)って?
島根県出雲市にある焼き物の窯元です。出西という地域にあり、恐らく地名からその名称がつけられているのでしょう。
1947年に5名の若者によって設立されました。柳宗悦氏らの指導を受け、美しく実用的な陶器陶器づくりを進めてきました。
製品である陶器は、土や釉薬、窯で使う薪まで島根県産のものが使われています。
特徴としては、ぽってりとした厚み。厚みがあると、丈夫で使いやすそうなイメージがあります。デザインも余計な柄が入ったりせず、シンプルです。どんな料理にも合いそうな感じですね。
また、出西ブルーと呼ばれる藍色も特徴の一つ。綺麗な藍色。ただ藍色ではなく、グラデーションがかかるように濃淡があります。器一つ一つ異なる模様が表現され、好みの模様を探すのも楽しいですね。
工房の隣に、無自生館というギャラリー直売所が設けられています。明治初期の米蔵を移築した建物では、様々な器が展示販売されています。
また、敷地内にはオシャレなカフェやパン屋(美味しかったです)がありますし、雑貨やアパレルのショップも併設されています。
ただ食器を見に行くだけでなく、一つの目的地として十分楽しめるスポットでしょう。
出西窯で器を購入しました
「ここ行ってみたくない?」
出雲大社に行くのはいいが、そのあとどうする?せっかく出雲まで来て、出雲大社だけだともったいない。どこに行こうかあれこれ考えるなかで、奥さんが以前より気になっていたという窯元を提案したのでした。
ネットで調べてみると、何やらオシャレなお店でも取り扱われている模様。確かに濃い青の器がキレイでカッコいい。これは一見の価値アリと、寄ってみることにしました。
まずは出雲大社に参拝。
出雲大社から出西窯まで車で20分ほど。結構離れています。
途中には島根ワイナリーがありますので、寄ってみてもいいでしょう。ワインの試飲ができます。ワインだけでなく、島根のお土産もここで揃います。
出西窯に到着!
駐車場は広々としています。
早速陶器を見にいきましょう。こちらの建物が「くらしの陶・無自性館」です。ここで製品を実際に手に取って選ぶことができます。
では、入ってみましょう。
お皿。今回の目的は、煮物や汁物を入れられるようなボウル形の器。
見ているとお皿も欲しくなります。しかし、お財布と相談して諦めます。
パスタに良さそうなお皿です。どのお皿も厚みがあり、しっかりとした重さがあります。
コーヒーカップや湯呑み。
角皿もいいですね。
実は2階にも商品が。2階は土足厳禁です。階段横のお皿は高そうですね。子供が走り回らないよう注意が必要です。
タンブラーや湯呑みなど。この反対側には、お茶碗の棚がありました。
手前にある背の高い器は「キャットボウル」です。その名の通り、猫用のお皿なのです。
2階はちょっとした回廊状になっており、陶器だけでなく地元の企業やクリエイターの商品が展示販売されています。
今回は、陶器を3つ購入。購入したものは後でご紹介します。
お会計を済ませて、外に出てきました。
出西窯の向かいにオシャレなショップが。「Bshop(ビショップ)」の出西店です。神戸が本社のセレクトショップであり、中国地方の出店はここだけです。
無自性館の裏には、パン屋とカフェがあります。「ル コションドール 出西」です。
パンとコーヒーを購入。パンは硬めですが、モチモチしてかなり美味しかったです。コーヒーは「出西ブレンドコーヒー」。浅煎りな感じの美味しいコーヒーでした。
購入した焼き物をご紹介
今回の戦利品をご紹介します。購入したのは3点。色々欲しいものがありましたが、「上質な」実用品である陶器はそこそこなお値段がします。
実際の商品と手に取ると、価格に見合う満足感は得られそうだと感じることができますが、お財布の中身には限界があります。本当に必要で欲しいものを選びます。
ちょっと物騒な見出しの新聞がwww。丁寧に包まれていますね。
欲しかったボウル状の器を二つ購入。外側がグレー。鉄砂という酸化鉄を多く含んだ釉薬が塗られています。
内側は「出西ブルー」、呉須という顔料が使われています。焼く前は灰色ですが、高温で焼成することで鮮やかな藍色になるそうです。
製品それぞれで、模様が異なります。好みの模様を探すのも楽しいですよ。
外側は木星のような模様。かなりカッコよくないですか?
もう一つがこの筒状のもの。コップではありません。コップにするには容量が多いでしょうし、飲み口が分厚くて飲みづらそう。
内側も濃い藍色。
このようにキッチンの隅に置いて、調理器具を収納します。よく使うものはここさしておいたら、便利ですよね。いい感じです。そこそこ直径があるので、お玉や菜箸、トング、はさみなど色々収納できます。
一定額以上購入したことで、おまけももらえました。
オシャレな箸置き。箸置きを使うような上質な生活ができていなくて残念です。
まとめ
出雲大社の帰りに寄ってみた出西窯。これまでも波佐見焼や砥部焼など、現地に赴いて器を選んできました。色々な窯元に訪れてきましたが、この出西窯は異彩を放っているように感じられました。ただ陶器を製造し販売するだけでなく、陶器を通して上質な生活を提案する。そんな印象を持ちました。
出西窯の器は、それぞれしっかりとした厚みや重みがあり、日常で使っていて安心感があります。しかもカッコいい。「本物」であると言えるでしょう。
あー、お皿も欲しくなります。特にパスタのお皿。「イタリー皿」という名称で販売されています。ただ、1枚1枚がそこそこしますので、少しずつ集めるしかなさそうですね。