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業績が悪化した!企業が人件費を抑制する方法をまとめました。

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企業の業績が急激に悪化。企業は急ぎコスト削減の手を打たなければなりません。

そんな時ターゲットになるのが人件費。人を雇用するのは大きなコストであり、削減の効果も高いでしょう。

ただ、日本の企業は、会社の業績が悪化したからといってドンドンリストラができる訳ではありません。雇用が強く守られています。

とは言っても、コロナ禍で業績が悪化した多くの企業で、人件費の削減がはかられたのは事実です。では、いったいどんな方法が取られたのでしょうか。この記事でまとめてみることにしました。

 

 

 

 

従業員を減らして人件費を抑制する方法

まずは社員の人数を減らす方法から。リストラやレイオフは日本ではあまり見られませんが、早期退職の募集は頻繁に実施されています。

 

解雇

いわゆるクビ。海外では一般的であっても、日本ではあまり見られません。日本では従業員の雇用が強く守られているため、人員を整理するにも直接的な解雇というよりは、早期退職の募集であったり、採用の抑制で対処することが多いです。

 

レイオフ(一時解雇)

再雇用を前提とした一時的な解雇のこと。企業の業績悪化に伴い一時的に従業員を解雇し、業績回復の暁には勤続年数の長い従業員から順に再雇用されます。

主にアメリカの製造業で見られる手法。日本ではほとんど見られません。どちらかと言うと、雇用は維持したままで従業員を休業させる一時帰休が用いられます。

 

早期退職の募集

コロナ禍以前から頻繁に見られたリストラ手法。日本で見られるリストラ手法は主にこれです。会社の事業転換を加速するため、黒字であっても早期退職を募る企業がたくさん見られました。日本では「リストラ」と縁が無いように感じてしまいますが、実質的にはかなり実施されているのです。

日本ではアメリカのように「明日からあなたの仕事はなくなりました」なんて解雇はできませんから、あくまでも自主的に退職させることがリストラになります。ある一定以上の年齢の社員を対象に、早期退職の希望者を募ります。多くの場合、割増の退職金が支払われます。

それなら「応募しなければ良い」なんて考えてしまいますが、実はそうもいきません。会社としてはできる社員には残って欲しいですし、イケてない社員には辞めて欲しい。なので辞めさせるターゲットは、前もって決められています。何度も面接をして、応募を促していくのです。精神的に追い詰めていきます。

それでも辞めない場合は、こんな仕打ちが。いっときに話題となったのが追い出し部屋。リストラ対象の従業員を一部屋に集めて、何も仕事をさせないのです。そんなところにおいやられると、会社に居づらくなりますよね。

 

個人事業主への転換

電通がこの制度を導入し話題となりました。従業員は一旦退職した後に個人事業主として会社と契約します。従業員としてのメリットは自由になれること。元の会社のほか、別の会社とも契約することが可能です。収入を大きく増やすチャンスが生まれます。

企業にとっては、人件費が固定費から変動費になることがメリット。業績が悪化したら契約を解除することもできますし、委託料を交渉することも可能です。

また、正社員だから発生していた費用も削減できます。社会保険料が大きいですね。従業員が天引きされている厚生年金保険料は、その同額を企業も負担しています。そうした費用を削減できるのも大きいですね。

 

 

 

従業員が辞めずに人件費を抑制する方法

これまであげてきたのは、従業員を削減する方法。つまり辞めさせてしまう方法でした。従業員の頭数が減ると、確かに人件費の抑制は可能です。しかし、それと同時に個々の従業員が持ったノウハウまで失うリスクもあります。

 

ボーナスのカット

このコロナ禍で、多くの企業でボーナスがカットされる事態に。なにを隠そうウチの奥さんの会社も。そう、奥さんのボーナスがありません。大変だ。

ローンのボーナス払いが存在するように、ボーナスは毎回あるものとして考えてしまいます。しかし、本来ボーナスとはあくまでも業績に基づいて支給の有無が決められるものであり、流動的なものなのです。会社にとっても、もっとも手をつけやすい人件費の削減策でもあります。

生活費はなるべくボーナスをあてにしないように組み立てたいものです。

 

給料のカット

ウチの奥さんの会社は旅行会社。コロナ禍でもっとも直撃を受けた業界です。ボーナスのカットだけでなく、給料もカットされることに。これは痛いですね。

給料が減ると従業員のモチベーションに影響します。プロスペクト理論によると、人間は失うことに対して敏感に感じてしまいます。つまり給料が増える喜びより、減る悲しみの方が断然大きいのです。年功序列で年々給料が上昇する仕組みも理にかなってはいるのです。

組合との兼ね合いもありますし、企業にとってはボーナスカットより断然ハードルの高い削減策です。

 

通勤手当の廃止

テレワークの浸透により、通勤手当の廃止を打ち出した企業が出てきました。 会社への出社が減るのなら、定期代を支給する必然性はありません。定期代も結構な金額になります。通勤手当を削減すると、企業にとって大きな恩恵があるはず。

また、社会保険料負担の減少にも繋がります。実は社会保険料を算定にするにあたっては、通勤手当も含めた支給額が根拠になります。通勤手当を無くすと、社会保険料も減ることになるのです。

 

休業日の増設

2020年中には多くの企業で、週休3日制が導入されました。特に製造業での導入が目立ちました。世界的に需要が減少し、需要が大きく減少したのもありますし、供給が滞り材料や部品が入ってこないということもあったようです。工場はフルで稼働できないので、休業日を増やして対応しました。

政府の政策も関係しています。それは「雇用調整助成金」。業務を休業せざるを得ない状況であったとしても、従業員の雇用を継続し休業手当を支給すれば、雇用調整助成金の支給対象となりました。

奥さんの会社も、一時期は休業日が設けられました。週に1日休日が設けられました。全社が一斉に休業するのではなく、一部の社員が順番に休みを取ることに。

 

一時帰休

先に説明したレイオフ(一時解雇)は、一旦雇用契約を切ってしまいますが、一時帰休は雇用しながらも自宅待機となります。当然人件費の抑制策ですから、給料は満額支払われませんが、6割は休業手当として従業員に支払われます。

日本では従業員の解雇が難しいことから、解雇やレイオフよりは一時帰休が導入されるケースが多いです。

休業日を増やすのと同様に、雇用調整助成金が支払われました。

 

出向

ANAやJAL。誰もが憧れる大手航空会社です。移動が制限されたコロナ禍において、大きなダメージを受けました。そんな中話題となったのが、キャビンアテンダントの出向です。自社のグループだけでなく、携帯会社やカーディーラーなどまったく関係のない会社へ出向することも。

マナーなどしっかりと教育されたキャビンアテンダント。元々が優秀な方々ですから、出向先でも即戦力でかなり喜ばれているようです。

飛行機が飛べない状況。キャビンアテンダントの人たちも仕事をしたくでもできない状況。そのような状況でも、優秀な人材を活かせる出向はナイスな制度だったのではないでしょうか。

出向とは言っても、 給料は航空会社から支払われます。出向先の企業から航空会社に派遣料が支払われる形となります。

また、旅行会社のHISでは、自社のグループが運営するそば店への出向が行われました。旅行会社から飲食店へ行けと言われても、最初は戸惑ったことでしょうね。

 

 

まとめ

2019年時点で、誰がこんな状況を予想できたでしょうか。2020年は「想定外」という言葉がぴったりの1年でした。

経済活動が止まってしまいましたので、企業の業績も大きく落ち込みました。特に人の移動に関連する業種、運輸や旅行、観光業界が大ダメージを受けました。それ以外の業界でも、多くの企業で業績が悪化しました。

業績が悪化すると、人件費は重荷になります。今回はそんな人件費の削減施策についてまとめました。解雇が難しい日本特有の事情が見えてきました。

早く通常モードに戻って欲しいものです。旅行行きたいですね。