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課長じゃないのに「課長」?年功序列が抱えるデメリットを考えてみた。

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「確かにうちの会社もそうだ。」

以前ネットのニュースを眺めていたら、部下のいない管理職が日本企業にはたくさん存在しているという内容の記事を目にしました。

確かにうちの会社にも「課長」がたくさん。地方だと営業所の年齢層が高くなりますから、半分以上が管理職ということも。

その原因は、年功序列にあるといいます。日本型雇用の問題点として、終身雇用とセットで槍玉に上がる年功序列。

長年日本企業に取り入れられてきた年功序列。多くの企業で、人事制度の根幹となっています。その年功序列にはどのようなデメリットがあるのか。名ばかりの「課長」を生む以外にも、色々と問題をはらんでそうです。

それでは、考えてみましょう。

 

 

 

 

年功序列がはらむ5つのデメリット

年功序列について色々と調べたり考えたりした結果、以下5つのデメリットが見えてきました。それらのデメリットについて解説します。

 

5つのデメリット

1.無駄に人件費が高くなる

2.若い社員に不利である

3.モチベーションの低下

4.新しいことに対応できない

5.創意工夫が生まれにくい

 

無駄に人件費が高くなる

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年功序列には、職能等級の制度が伴います。社歴を重ねるごとに等級が上がり、賃金テーブルも上昇します。

うちの会社の場合、1〜9等級まで存在し、高卒者は1等級からスタートします。大卒の場合は3等級からのスタート。

6等級までが一般の社員です。7等級以上が管理職となり、「課長」の肩書きが与えられます。7等級以上は管理職なので、労働組合の加入からも外れます。

ここで冒頭にも書いた、部下のいない管理職問題。順調に等級を積み上げれば、いずれ7等級つまり管理職になります。課長です。課長というのは、課のトップだから課長だと思っていたのですが、課員として一般社員と変わらない仕事をしていても「課長」なのです。

8等級になると「部長」。実際の部長ポストは限られますから、名ばかり部長もたくさん存在します。そして、一度管理職に昇格すると、よっぽどな不正をやらかさない限りもう下がることはありません。

名ばかりとは言っても、役職は課長や部長なので、我々一般社員と比べるとはるかに高い給料を得ています。

これまで会社に貢献してきた結果であったり、いつでもマネージャーになる資格を持っているとも言えるでしょうけど、名ばかり状態である限りにおいては、一般社員と同じ仕事をしていますし、生み出す価値にほとんど違いはありません。

やってることは同じなのに、社歴が長いという理由だけで給料が高くなりますから、会社は無駄に高い人件費を負担することになります。

 

若い社員に不利である

年配の社員が仕事に見合わない給料が得られるということは、逆に若手の給料は低く抑えられているということ。年功序列は社歴を積み重ねるほど有利になる仕組みであり、長くひとつの会社で働くことが前提の制度です。つまり、終身雇用とセットとなっています。

若いうちは、本来得られるよりも安い給料で働かされます。長年勤めて、ようやく釣り合います。勤続年数が浅いうちに辞めてしまうと、年功序列の負の側面しか経験できないのです。

あと、退職金。退職金で受け取る金額は、勤続年数によって決まります。社歴が浅いと当然少なく、定年まで勤めて満額貰えます。

この退職金もクセがあります。年数に応じて等倍に増えるのではなく、指数関数的に増加します。つまり、定年間近にならないと、ほとんど増えないのです。グラフにするとこんな感じ。

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昇進面でも不利があります。先輩たちと同じように昇進できれば、何も問題ありません。しかし、そうならないから問題なのです。先輩たちに比べて、若い世代になるに連れて、昇進が厳しくなっていきます。

なぜなら、上がたまるから。まさにうちの会社がそう。課長部長だらけです。地方営業所などは、おじさんばかり。半数以上が管理職。何をそんなに管理するの?って感じです。

そうなると、人件費の高騰を招きます。会社には管理職の人数を減らそうというインセンティブが働くようになります。

たいていの会社において、管理職になるためには昇進試験をパスしなければなりません。管理職が増えすぎると、合格人数が減らされ、昇進試験がかなりの狭き門となります。

うちの会社でも、最近かなり合格者が減っています。以前はかなりゆるゆるで、「なんでコイツが」みたいな人も課長になっていました。

年功序列は、若い社員からすると、ありがたくない制度なのです。

 

モチベーションの低下

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若いうちは、給料が低く抑えられます。給料はテーブルで決まっており、等級が上がればより高いテーブルが適用されます。

もちろん成績や評価によって、給料は増減します。しかし、それは全体的に低いテーブルの中の話であり、いくら等級の高い社員よりも大きな利益を生み出しても、テーブルの上限以上は増えません。

そして、年功序列や終身雇用は、いわゆる「働かないおじさん」を生みます。ある程度の年齢層になると、それ以上昇進しなくなりますし、一度等級が上がればもう下がることはありません。年齢が上がれば、良い成績を上げても若いころのような評価はされなくなります。体だって思うように動かなくなるでしょう。

いわゆるマインスイーパーおじさんは様々な企業に存在している模様。マインスイーパーをしていても、等級は高いから若手より多くの給与を得ています。若手からすると不公平感を感じざるを得ません。やる気が削がれます。

働いても収入が上がらない若手社員。給料は高いけど評価されないおじさん社員。年功序列はそんな不幸を生み出しています。

 

新しいことに対応できない

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年齢が上がるごとに役職が上がります。逆に言えば、決定権のある上位層は年齢が高いということ。新しいことへの決断に対して、どうしても抵抗感が生じてしまうでしょう。あるいは、新しい分野を軽視してしまうこともあるかもしれません。

例えば会社のシステム。未だに数十年前のメインフレームを使用する企業がたくさん存在しています。クラウドが当たり前になりつつあるのに、直接的には利益を生まない業務システムには、なかなか投資の対象とならないのです。

経済産業省もこのような状況に危機感を抱いており、「2025年の崖」として警鐘を鳴らしています。今後も古いシステムが入れ替わらない場合、2025年以降年間で12兆円の経済損失が発生するとされています。

そもそもテレワークさえ対応できていません。若手社員は素早く順応し、使いこなしています。問題はおじさん。一向にテレワークに移行する気配を見せず、相変わらず出社しています。会社に出てこそ仕事ができるのであり、テレワークはサボりに近いものと認識しているようです。

近年、日本は後進国へと後退しつつあります。ITでは中国に大きく後れをとっています。日頃使用するITサービスは、アメリカのものばかりです。経団連会長の部屋にPCが無かったというのは有名な話。このままだと将来が暗そうです。

こんなことになった原因には、年功序列が大いに関わっているのではないでしょうか。

 

創意工夫が生まれにくい

新しいことに対応できないだけでなく、新しいものを生み出しにくくなります。つまりイノベーションが生まれにくいのです。

年功序列制度の会社でやるべきこと。それは自身の決められた範囲内で、淡々と失敗なく仕事をこなすこと。余計なことは、やる必要がありません。

新たなイノベーションを生むには多大な労力が必要です。頑張って新たなことを成し遂げても、社内の評価は上がるでしょうけど、収入が上がる訳ではありません。昇進だって、ある程度の年数を経なければ次のステップに行けませんから、それほどスピードアップする訳でもありません。

年功序列制度のもとでは、頑張った社員への見返りがほぼありません。なかなかチャレンジしようとはなりにくいでしょう。

 

 

まとめ

確かにうちにもたくさんの部下を持たない管理職がおり、なぜそうなるかを色々と調べてみた結果、どうやら年功序列が悪者らしいということが分かりました。それなら、年功序列にどんなデメリットがあるのか考えてみることにしました。

近頃は早期退職を実施する企業が増えています。つまり、終身雇用は崩壊しつつあります。セットである年功序列もいずれ消え去っていくのでしょう。終身雇用はないのに、年功序列が残ると最悪です。若いうちはいずれ上がることを見越して低い給料で甘んじているのに、年齢が上がったらリストラとなるとたまったもんじゃありません。

日本型雇用慣行が懐かしいと思える日もそう遠くはないのでしょう。