まずうちの奥さんのはどんな人間なのか。前提条件を説明しましょう。奥さんは旅行関連の会社に勤めており、旅行が大好きです。中でも大好きなのが、旅館やホテルに泊まること。自分からすると、ただ泊まるだけなんだから、泊まるとこなんてなんでもいいじゃんと思ってしまうのですが、奥さんはそうではない。宿泊施設に拘りを持っているのです。
なので旅行の計画にしても、ホテルや旅館ありき。この旅館に泊まりたいから、あそこへ旅行するといった具合。観光スポットはおまけです。
キャンプなんて子供の頃にチョロっとやったことがあるだけですし、スポーツにも興味ありません。広島市民なのに、カープなどまったく興味がありません。アウトドアというより、完全にインドアな人間なのです。
かなり前から、「キャンプとかどう?」とジャブを打ってきましたが、「外に泊まる意味が分からん」とカウンターを食らってきたのでした。
そんな完全に反アウトドアなうちの奥さんを、どうやってキャンプに連れ出すことに成功したのか。その手法をご紹介しましょう。
私をキャンプに連れてってと思わせることに成功した方法
では、ファミリーキャンプを実現するために取った方法をご紹介しましょう。自分と子供が行く気まんまんであっても、奥さんがその気にならないとファミリーキャンプは実現しません。どうやってキャンプに行く気にさせたのか。自分が実践した方法をご紹介します。
色々家庭の事情も違いますし、タイミングの問題もあります。なので万人に当てはまらないでしょうけど、同じ悩みのお父さんの参考になればと思います。
まずは子供をキャンプ派に
まずは子供を洗脳しましょう。YouTubeで一緒にキャンプの動画を見るのです。できれば親子で出ているような動画がいいですね。同じ年代の子供が楽しそうにしているのを見ると、自分もやってみたいという気持ちがほつほつと湧いてくるはず。
何度も見せてください。「お父さん、テント行こ!」こう言わせることに成功すれば勝ちです。
そして子供をダシに説得
「〇〇ちゃんがキャンプ行きたいって。」動画による情操教育に成功した暁には、子供をダシに使って直接的な交渉の開始です。
「〇〇ちゃんキャンプ行きたいらしいわ。」それと同時に子供にも「お母さん、キャンプ行ってみたい。」と発言させます。親ならなるべく子供の希望を叶えてあげたいもの。子供からのお願いをむげにあしらうことのできる親がいるでしょうか。
そこで畳み掛けます。「自然に触れるから、教育にもなるし、たくましい子に育つでしょ。」適当な理由を並べていきます。
気持ちが動き始めたはず。
会社の同僚のキャンプ事情を聞いてもらう
これ、結構重要かもしれません。旦那の言うことは聞かなくても、会社の同僚の情報はよく聞くものです。奥さんの会社で、周囲の人のキャンプ事情を聞いてもらうのです。
「会社にキャンプしてる人おらんの?一回聞いてみたら?」
周囲が子育て世帯なら、ファミリーキャンプをしている人は必ずいるはず。その人たちのキャンプ事情を聞いてもらうのです。聞いてもらう内容は何でもよくて、毎回のご飯のこと、テントのこと、子供の様子など、何でもいいのです。
やはり身近に結構キャンプをしている人がいると分かると、心が揺り動かされるはずです。そして、自らキャンプに関する情報を収集するため行動したということも、効果的なのかもしれません。
社会の情勢を利用する
コロナ禍により、旅行業界が大きなダメージを受けています。2020年の春先あたりから7月のGoToキャンペーン開始の頃まで、旅行に行きたくても行けない状態が続いていました。営業しても経費が嵩む一方なので、休館される旅館も多かったようです。
その反面、こんなニュースを良く目にしました。アウトドアが盛況というのです。そもそも外ですから、三密を避ける遊びとして注目を浴びていました。
不幸な状況ではありますが、利用しない手はありません。「旅行できないし、キャンプしてみる?」こう問いかけます。「しょうがないか」キャンプの許諾を勝ち取った瞬間です。
既成事実を作ってしまう
と言っても、緊急事態宣言が解除されるまでは、どのキャンプ場も一時的に休業してしまいました。結局キャンプもできなかったのです。
そうなると一度下りた許可が、取り消しの憂き目に会う可能性があります。「別にキャンプ行く必要ないよね」ってなってしまいます。
そこで、既成事実を作りにかかりました。道具を買ってしまうのです。テントにエアーマット、寝袋、テーブルなどなど。外堀を埋めていきます。そこそこお金をかけて揃えたので、もうキャンプに行かざるを得ません。これでキャンプに行かなかったら、お金をドブに捨てるようなものです。無駄遣いに厳しい奥さんは、それは許さないでしょう。つまり、しぶしぶながらも道具を使う選択をするということです。
番外編 ケビンやバンガロー、グランピングを利用する
実際に自分は試した方法ではないので、番外編としましたが、これも有効な方法だと思います。
いきなりキャンプとなると、「なんで外で寝るの?」とか「虫がいっぱいいそう」ということで難しい面があると思いますが、お部屋に泊まるバンガローであれば、心理的なハードルが大きく下がるのではないでしょうか。お金をかけてキャンプ道具を購入する必要もありません。
たいていの場合、キャンプ場に併設されていると思いますが、必ずキャンプ場併設の施設に泊まってください。そして、キャンプ場の中を散歩するのです。楽しそうにキャンプをする家族の姿が目に飛び込んできます。
家に帰って、「今度キャンプしてみる?」なんて言葉が奥さんの口から出てくれば、大成功です。
また、よりお気軽にキャンプ気分が味わえるものとして、グランピングも一つの手でしょう。グランピングとは、「魅力的、華やか」を意味する「グラマラス」と「キャンピング」の造語です。魅力的で華やかなキャンプ。通常のキャンプでは味わえない、ゴージャスで至れり尽くせりなキャンプ体験を味わえます。巷ではグランピングのブームであり、全国各地グランピングの施設が続々とオープンしています。
そんなグランピングであれば、アウトドア嫌いの方でも興味は持つことでしょう。グランピングをアウトドアへの第一歩としてもよいのではないでしょうか。
最後に
結果的にはこれまでの記事で書いてきたように、ファミリーキャンプを始めることができました。幸い広島県は、緊急事態宣言の対象地域からも外れて、5月頃から各キャンプ場も徐々に営業を再開し始めました。我が家も5月に初のファミリーキャンプを実行。それから月に1回くらいのペースでキャンプを続けています。
もともとうちの奥さんは、ホテルや旅館が好きで、るるぶやじゃらんなどでいいプランを探すのに情熱を傾けています。
今はその情熱の一部がなっぷにも向かっており、積極的に予約を取ってくれています。一度キャンプに行ってしまえば、子供も楽しんでくれるので、こっちのものです。ただ、最初のキャンプのハードルが高いんですよね。
そこで、いきなり本格的なアイテムを揃えるのではなく、ケビンやバンガローを利用してはいかがでしょうか。