そろそろ冬も近づいてきました。アウトドアもシーズン終了です。いや、そんなことはありません。冬でもキャンプはできます。そう、ストーブがあれば。
寒い時期でもキャンプができるように、ストーブを検討することにしました。調べてみると、キャンプのストーブは、対流式のストーブが適しているようです。もちろん灯油を使う石油ストーブです。
今回の記事では、なぜ対流型なのかその理由を説明し、おすすめのストーブを6つ紹介したいと思います。
キャンプのストーブ、なぜ対流式?
キャンプで使用する石油ストーブは、対流式のものがメインです。もちろん反射式のものも使えないことはありません。反射式ってよくおばあちゃんの家で見かける長方形のものですね。あと、石油ストーブというと、石油ファンヒーターがあります。温風を吹き出すことで、広範囲を暖めることができます。しかし、コンセントが必須であり、電源なしのサイトでは使用できないので、キャンプには向いてないのです。対流式が適している理由を説明しましょう。
対流式ってどんなストーブ
昔ながらの円筒形のストーブです。そういえば小学生の頃、冬になるとあの円筒形のストーブが教室に登場しました。学校のものは、ガス管に繋ぐガスストーブでした、キャンプではもちろん灯油が燃料です。
シンプルな構造のストーブで、ストーブの周囲を温めるというよりは、灯油の燃焼により暖かい空気の対流を発生させ、部屋全体を暖めます。ストーブの上に手をかざしてみると、暖かい空気が上昇気流となって昇っていることか分かります。
我が家では、トヨトミのレインボーストーブを購入しました。実際に使用してみると、ストーブの横はほとんど熱を感じません。一方、ストーブの上方にはブワッと温風が舞い上がっています。部屋の空間を暖めることに特化したストーブなのです。
キャンプで対流式ストーブを使用する理由
どうしてキャンプでは対流式が適しているのか。自分も迷わず対流式のストーブを選択しました。3つの理由をあげて説明します。
タンクが本体と一体であること
これが一番の理由です。石油ストーブというと、灯油が無くなったらストーブの中から銀色のタンクを引き抜いて、灯油を補充しに行きますよね。対流型は、タンクが本体と一体になっていることが一般的です。下の方が膨らんでいるような形状をしていますが、その部分が燃料タンクとなっているのです。
反射型ストーブの場合、タンクの蓋の側を下にして、ストーブ本体に挿入します。タンクから灯油が随時適量ストーブへ供給されます。ただ、密閉されている訳ではないので、ストーブに灯油が残っていると、持ち運びの揺れでどうしても灯油が漏れてしまいます。車の中で漏れたら、最悪ですよね。
その点タンクが本体と一体になっていれば、蓋さえきちんと閉めておけば漏れにくい構造となっています。
毎回灯油が空の状態で持ち運べるなら、タンクが別の反射型でも問題ありませんが、なかなかそれって難しいですよね。家だとタンクだけ引き抜いて灯油の補充ができますので、タンクは別の方が絶対便利でしょう。本体と一体なら、本体ごとポリタンクの近くまで持っていくか、ポリタンクを部屋まで運び入れて給油しなければなりません。部屋の中でこぼすと大変です。家ならタンクだけ運べる方が便利ですが、キャンプとなるとその便利さがあだとなってしまうのです。
見た目がオシャレ
対流型のストーブは、オシャレなモデルがたくさん販売されています。最近はアウトドアブームで、そのような場面で使用されることを意識したようなカッコいいデザインのものが販売されていますし、アウトドアメーカーとコラボした製品もあります。
キャンプとは、不便さをのんびりと楽しむもの。そんなキャンプには、レトロなスタイルのアイテムが良く似合います。オイルランタンなんてその典型ですよね。レトロな雰囲気を醸し出す円筒形の対流型ストーブは、キャンプの雰囲気にピッタリです。
幕内の空間全体を暖められる
寒い時期のキャンプ。テント内とは言っても外とは薄い生地で隔たれているだけなので、家みたいに断熱性はありません。テント内の誰もが寒い思いをしないよう、効率的に空間を暖められる対流型が適しているのです。
ただ暖かい空気は上にいきますので、立つと暖かいけど、座ると寒いなんてことも起こり得ます。そこで下記のようなストーブの上に乗せるファンを使うのも手です。ファン自体はモーターで回転しますが、ストーブの熱エネルギーを電気に変えてモーターを回すのです。なので電源は不要です。暖かい空気をファンで拡散することで、さらに効率よく暖められます。電源付きサイトなら、サーキュレーターを持っていくのもありでしょう。
キャンプで使用する時の注意点は?
いいことばかりではありません。一つ間違うと、大事故に繋がる恐れがあります。特に一酸化炭素には注意しなければなりません。
一酸化炭素中毒に要注意!
一酸化炭素中毒は、かなり恐ろしいです。高濃度の一酸化炭素を吸うと、死に直結します。キャンプでストーブを使用するなら、一酸化炭素にはもっとも気をつけなければなりません。
一酸化炭素は、酸素量が低下して不完全燃焼をすることで発生します。閉め切った空間で使用すると、燃焼により酸素を使用しますので、徐々に酸素量が減少していきます。各テントメーカーは、テント内での火器の使用は禁じています。狭いテント内は、酸素量が限られるからです。
とは言っても寒いので、ストーブは使いたいですよね。そこで、常に換気を行なうのと、一酸化炭素チェッカーを必ず持って行きましょう。
先日のキャンプで、ストーブを初使用しました。2ルームのテントなので、リビングのスペースに設置します。心掛けたのが、換気です。テントはベンチレーションがついていますので、ストーブの使用中は常に解放しておきました。また、入り口のチャックも、すべて閉じてしまうのではなく、30〜40cmは開けておくようにしました。それでもテント内は充分暖かかったですね。
また、念のため一酸化炭素チェッカーを2個購入し、それぞれセットしました。Amazonで購入した安いものでしたので、なんか安心できません。そこで、種類の違うものを2個購入して設置することにしたのです。
一酸化炭素は命に関わりますので、対策はしすぎるくらいで良いでしょう。
人が触れない場所に
特に小さい子供がいる場合ですね。ただでさえ狭いテント内に燃焼器具を置くのですから、置き場所や置き方を工夫しなければなりません。かといって隅の方に置くと、熱でテント本体に悪影響を及ぼしかねません。なるべくテントの壁から離して置きたいところですが、そうすると子供が触れやすい位置に置くことになるというジレンマがあります。
物理的に囲いをするしかありません。ということで、色々考えた結果焚き火テーブルが良いのではという結論に至りました。小学校のストーブのように金属の網の囲いもありなのでしょうけど、ただ囲うことだけが目的の物は、狭いテント内に置くことはできません。そこで目をつけた物が、焚き火テーブルなのです。
中心の空間にストーブを置いて、周りはテーブルなので家族が集まってご飯を食べたりすることができます。ストーブを中心として集まるイメージですね。ストーブから遠ざけることができると同時に、家族団欒のスペースにもなります。一石二鳥です。ストーブの上にやかんを置いてお湯を沸かし、コーヒーをみんなで楽しむこともできますね。
ロゴス(LOGOS) アイアンウッド囲炉裏サークルテーブルL 81064106
対流型ストーブのおすすめ6選
つらつらと対流型ストーブについて書いてきました。では、市場にはどんなモデルが販売されているのでしょうか。個人的におすすめのモデルをあげさせていただきました。重視したのは、手に入れやすさです。モデルによっては、何ヶ月も納期がかかるものや、アウトドアメーカーとコラボするだけで、一気に価格が跳ね上がるものもあります。なるべくすぐに手に入って、しかも購入しやすい価格のものを選びました。
トヨトミレインボーストーブ
ガラスに特殊なコーティングが施され、点火すると7色の光が浮かび上がります。そんなオシャレな雰囲気から、キャンプの定番ストーブの地位を確立しています。
ランタンのように明かりの代わりにもなりますが、メインのランタンとして使えるほどの光量はありません。オイルランタンより多少明るい程度の光量であり、雰囲気的なものです。
我が家もこのストーブを購入しました。
兄弟として、ランタン調のものも販売されていますし、スノーピークのストーブとしてOEM供給もされています。外装はオシャレになりますが、暖房能力はノーマルのものと変わりません。
ただ、極寒での使用となると、能力不足を感じるかもしれません。その場合は、下のより大型のものがいいでしょう。
トヨトミ 対流型 石油ストーブ (木造7畳まで/コンクリート9畳まで) 日本製 ダークグリーン RL-250(G)
トヨトミ 対流形 石油ストーブ ランタン調 RL-F2500(H) ダークグレー【コンクリ―ト9畳/木造7畳まで】
スノーピーク(snow peak) グローストーブ KH-100BK
トヨトミ対流式ストーブ KS-67H
レインボーより大型のストーブです。レインボーのようなオシャレ感は無くなり、無骨な印象となります。
暖房能力はかなり高くなり、レインボーの出力が最高で2.5kwのところ、6.66kwもの出力を誇ります。まあ、出力の値だけ見てもピンときませんね。畳数で言うと、レインボーストーブが木造7畳/鉄筋コンクリート9畳まで対応するところ、こちらは木造17畳/鉄筋コンクリート24畳まで対応できます。倍以上の能力を持っているのです。
その分本体が大きく重くなりますし、燃料消費量も大きくなります。
厳冬期もキャンプするのであれば、レインボーストーブではなくこちらがいいでしょう。ブラックならカッコいいですよね。
トヨトミ 対流型 石油ストーブ KS-67H(B) ブラック 日本製 【コンクリート】24畳/【木造】17畳
トヨトミ対流形ダブルクリーンストーブ KR-47A
なんだかオシャレな変わった形のストーブです。燃焼部分が上下に分かれているような形状をしていますが、実際に2段回の燃焼が行われます。下段は低温で燃焼し遠赤外線を放出、上段はより高温で燃焼することでニオイの元まで燃えつきるそうです。クリーンという名称がつけられている通り、石油ストーブのあの匂いが発生しにくくなっています。
色はベージュと黒が用意されており、どちらもキャンプ場で映えそうなカラーです。
暖房能力も高く、4.7kwの出力となっています。木造で12畳、鉄筋コンクリートで17畳まで対応します。
ただ値段は、上にあげたトヨトミのラインナップの中でもっとも高価になります。
トヨトミ 対流形 石油ストーブ KR-47A (B) ブラック【コンクリート17畳/木造12畳まで】
アラジンブルーフレーム
これもキャンプで定番のアイテムですし、憧れのストーブでもあります。
見てください。このスタイル。ほぼ90年ほど前から、ほとんど変わってないそうです。こういうレトロ感、たまらないですよね。
この外観もそうですが、この名の通り青い火もこのストーブの特徴の一つです。他のストーブは赤いというかオレンジに近い色の炎がほとんどですが、このストーブは炎が青いのです。青い炎も、このストーブが人気の理由です。
ただ、この青い火を保つためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。他のストーブと比べて、めんどくさいのです。しかし、このめんどくささに魅力を感じている人が多いのも事実です。まさに石油ストーブ界の機械式時計です。
暖房能力はレインボーストーブと同じくらいです。そんなに暖かい訳ではありません。
また、ちょっとお高めの価格です。
アラジン (Aladdin) 石油ストーブ ブルーフレーム ホワイト BF3911-W
コロナSLシリーズ
トヨトミのKS-67Hと似たモデルです。白い大きめのボディの対流式ストーブ。能力の違いで2つのモデルがリリースされています。13畳用と17畳用の2タイプ。木造住宅を基準とした畳数であり、鉄筋コンクリートだとさらに広い面積に対応します。
トヨトミと比較すると、若干出力は落ちるようです。とは言っても十分な能力です。それに、価格的にはこちらの方がお財布にやさしいですね。
コロナ石油コンロ サロンヒーター
おばあちゃんがお餅を焼くアレです。サロンヒーターという名称だというのは初めて知りました。煮炊きを主な使用用途とした石油ストーブです。上で書いたように、焚火テーブルの中心に設置するなら、こんなストーブもアリではないでしょうか。他のストーブと違って背が低いので、鍋なんかをしながら温まることができそうです。あくまで煮炊き用なので、空間を暖める力は他のモデルと比較すると劣ります。出力も1.59kwしかありません。けれども、あれば何だか楽しそうですよね。
CORONA(コロナ) 石油こんろ(サロンヒーター) KT-1619(M)
まとめ
寒くなってきたので、キャンプはしばらくお休みするべきか。いやいや、やっぱり行きたいでしょ。となって、石油ストーブの購入を検討することになりました。ストーブがあれば、冬でも快適なキャンプが出来そうです。まあ、真冬はさすがに行かないでしょうけど。自分は行きたいのはやまやまなんですが、奥さんが嫌がるのです。小さい子供もいますしね。
色々調べた結果、対流式の石油ストーブの購入を決め、トヨトミのレインボーストーブを購入するに至りました。このストーブに決めた理由は、また記事で報告したいと思います。
我が家はマンション。実は気密性の高い鉄筋コンクリートのマンションでは、あまり燃焼系の暖房器具は使用しない方が良いのです。空気の循環が少ないので、かなり空気が汚れてしまいますし、一酸化炭素中毒の危険性もあります。マンションでは24時間換気のファンが常に回っていますが、1時間で半分程度の空気を循環する程度しか能力しかありません。マンションで使用するなら、ある程度窓なんかを開放して使用した方が良いのです。なんか本末転倒ですよね。
なので家ではエアコンで温まることとして、レインボーストーブはキャンプ用とすることにしました。ただ、たまに使用しないと悪くなりそうなので、時々使ったりしています。もちろん換気を十分にして。
キャンプの現場でもそうですが、石油ストーブを使うのなら換気がかなり重要です。寒くても定期的に換気を行ないましょう。そして、安全に快適なキャンプを楽しみましょう。