家に帰宅すると、あまり見覚えのない封筒がテーブルの上に置かれていました。おや、どこからだろう?県税事務所が差出人です。どうも税金関連の通知のようです。
最近車を買い替えたので、自動車の税金に関する通知かな?なんて思いながら開封するとなんだか様子が違います。「不動産」の文字が見えました。どうも家に関するもののようです。「取得税」?そう取得税でした。不動産取得税の通知が我が家に届いたのです。
マンションの引き渡しは、去年の春。この通知が届いたのが、まだ残暑の厳しい9月初旬。一年以上の時を経て、まさに忘れた頃にそいつはやってきたのです。ちなみに我が家の不動産取得税は約40,000円でした。
今回は新築マンションの不動産取得税について調べてみました。どんな場合に課税されるのか、どれだけかかるのか。記事にまとめましたので、是非ご覧ください。
不動産取得税って?
その名の通り、不動産を取得したときにかかる税金です。固定資産税は、不動産を所有することに対してかかる税金であり、所有する限り毎年課税されます。一方不動産取得税は、取得の時のみにかかる税であり、納めるのは一度きりです。
固定資産税は市町村と都道府県の2者に納めますが、取得税は都道府県のみが徴収します。なので我が家の場合は、固定資産税は広島市から、不動産取得税は広島県から納税通知書が届きました。
今回は新築物件の購入でしたが、もちろん中古物件を購入した際にも課税されますし、譲り受けたときも取得税が発生します。
税額はどのように決まるの?
土地と建物それぞれで計算して税額を算出します。課税の根拠とする不動産の価格は、購入金額や市中に流通する時の価格ではありません。課税対象の不動産価格のことを、課税標準額といいますが、この課税標準額は自治体が決定する固定資産税評価額がもとになっています。
固定資産税評価額は、路線価などをもとに自治体独自で決められ、市中で売買される額よりも低い額で設定されています。
その課税標準額に対して、一定の税率をかけることで税額が出てきます。その税率は、以下の通りです。
土地:4%
建物:4%
ただし、2021年3月31日までに取得した場合は、ちょっと低くなっています。
土地:3%
建物:3%
軽減措置がある
例えば、4,000万円のマンションを購入したとして、固定資産税評価額は1,900万円(土地600万円、建物1,300万円)とします。
その課税標準額に対して、税率である3%をかけると、不動産取得税は57万円というとんでもない額になります。
そんな金額払えないですよね。そこで、個人の居住用の不動産取得に対しては、税の軽減措置が設けられています。土地と建物で軽減の内容が異なります。
まず建物。こちらは簡単です。評価額から1,200万円控除されます。
建物の評価額-1,200万×3%
上記の例では、建物の価値が1,300万円でした。控除を引くとちょうど100万円となります。この建物には100万円に3%の税率をかけた3万円の取得税がかかることになります。
では、土地の場合はどうか。まず、宅地の場合、土地の評価額が1/2になります。令和3年3月31日までに取得した場合の軽減措置です。その半分になった評価額に対して3%の税率がかかります。そして、土地の場合は税率をかけた後の税額から減税されます。その減税額というのが少しややこしくて、1.45,000円、2.土地の1㎡の単価×住宅の床面積×2×3%のいずれかの大きい方の額が減税額となります。
土地の評価額×1/2×3%-
・45,000円か・土地1㎡の単価×床面積×2×3%の金額の大きい方
非課税になる場合も多い
これらの軽減措置分を控除した土地と建物それぞれの税額を足し合わせた額が課税されます。
この軽減措置の結果、課税額が軽減の範囲内に収まることで、まったく課税されないケースも結構あるようです。
具体的な計算例は下記をご覧ください。
いつ通知が届くの?
忘れた頃に届きます。ネットで色々調べてみると、だいたい登記してから半年くらいで届くのが一般的とされているようですが、我が家には一年以上経過してから届きました。
恐らく登記のタイミングであったり、地域によってまちまちなのでしょう。
なかなか届かないので、「不動産取得税かからなかったんだ。ラッキー。」なんて思っていたのですが、ただただ課税のタイミングが遅かっただけでした。残念でした。
マンションの場合の税額を試算
今回我が家が購入したのは、新築マンション。不動産取得税が課税されました。では、マンションはどのような計算で課税されることになるのでしょうか。例をあげて計算してみましょう。
まず前提条件から。新築マンションを購入し、以下のように評価されました。ちなみに土地価格は、住居の戸数で按分された価格です。なので、マンションの場合は、建物価格の方が高くなることが多いでしょう。
建物:1,300万円
土地:600万円
部屋の床面積:80㎡
土地の1㎡あたりの単価:20万円
まず建物の税額を計算しましょう。評価額が1,300万円ですから、そこから控除の1,200万円を引いた額に税率をかけて計算します。
1,300万円-1,200万円=100万円
100万円×3%=3万円
建物の税額は、3万円になりました。では土地はどうでしょう。
600万円×1/2=300万円
300万円×3%=9万円
この9万円から、45,000円または、土地1㎡の単価×床面積×2×3%のどちらか高い方の金額を差し引きます。後者の減税額を計算してみます。
20万円×80㎡×2×3%=960,000円
45,000円より大きいことから、960,000円が減税額となります。
9万円-96万円=-87万円
よってマイナスとなるので、土地の取得税は0円となります。
上記の計算の結果、不動産取得税は建物にかかる3万円のみとなりました。個人の住居用の土地であれば、よっぽど土地の単価が高かったり、広い建物でない限り、税金がかかってくることはほとんど無いのではと思います。
我が家も、税金は建物だけに課税されていました。
まとめ
忘れた頃に突然届いた不動産取得税の通知。かからないと思っていたのに、残念でした。もちろんすでに、支払い済みです。忘れた頃に届くので、結構怖いですよね。それもそこそこ大きな金額になるので、その月の家計がピンチになりそうです。家を購入した場合、いつ来るか分からない取得税の通知に備えて、ある程度のお金は心積もりしておきましょう。
この通知が届いたのをきっかけに、不動産取得税について調べてみました。そのまとめをこの記事にした次第です。
マイホームを検討されている方の参考になれば幸いです。
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