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新幹線通勤をすると手取りが減った!標準報酬月額が増えて、社会保険料も増えたからです。

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新幹線通勤をすると、給料の手取り額が減ってしまいました。新幹線の定期代は高額なので、会社がケチって全額出してくれないという訳ではありません。3ヶ月に1回、定期代と同額を支給してくれています。それなら、高額な定期代と引き換えに、基本給やその他の手当がカットされたから?いやいや、そんなことはありません。定期昇給で支給額は増えています。

手取りが減る原因は、給料からの源泉徴収にありました。所得税や住民税が増えるから?もちろん昇給の分多少税額は上がりますが、新幹線通勤とは関係ありません。

そう、社会保険料です。厚生年金や健康保険料が増えたのです。給料はそんなに増えてないのに、新幹線通勤をすると社会保険料が増えてしまうのです。

今回は、そのカラクリを記事にしたいと思います。

 

 

 

社会保険料って?

毎月の給料明細を見ると、結構な額が天引きされていますよね。給与からの天引きって、所得税や住民税といった税金がイメージされますが、社会保険料の方がよっぽど多く徴収されています。税金みたいなものですが、厳密にいうと保険料であり税金ではありません。

サラリーマンが負担する社会保険料は、健康保険料、厚生年金保険料、介護保険料、雇用保険料があります。このうち介護保険料は、40歳からの徴収となっており、若いうちは引かれません。

中でも健康保険と厚生年金の負担が大きいですよね。健康保険は、大企業であれば独自の健康保険組合が作られていることが多いです。中小企業だと、全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入します。自営業者など被雇用者でない場合は、国民健康保険に加入します。日本においては国民皆保険が導入されており、日本に住んでいればいずれかの健康保険により医療費が支払われ、3割以上負担する必要がありません。また、大きな病気で医療費が高額になった場合でも、高額療養費制度により負担は一定額に抑えられます。このように手厚い保険に入っていますので、民間の医療保険はそれほど必要性が無いとも言えます。

問題なのは厚生年金ですね。給料からもっとも多くのお金を持っていってしまうのが厚生年金の保険料です。基本的には支払った額より多くのお金が将来支払われることにはなっています。見た目上は。

というのも実は厚生年金は、会社も同額を負担しているのです。つまり、給料明細に記載された厚生年金保険料の金額は、実は実際に納めた額の半額です。倍の金額を払っているのです。会社が負担するならいいじゃんと思うかもしれませんが、会社としては人件費として負担しているのであり、それがなければ給料になっているお金です。ちなみに、健康保険料も労使折半となっています。

そして会社負担分を合わせた実質的な保険料に見合った年金額は支給されません。つまりサラリーマンは払った年金より少ない金額しか受け取れないのです。

じゃあその厚生年金の掛け金はどこに行くのかと言うと、赤字の国民年金の補填に使われます。国民年金は、自営業者や専業主婦などが加入し、確実に支払った額以上の年金が戻る制度となっています。なんかずるい感じがしますね。

時々家に年金定期便が届きます。これまで支払った保険料額と、それにより支払われる年金額が記載されています。実はその支払った金額として記載されているのは、会社負担分が含まれていません。実際には2倍の保険料が納められているのです。それ書いちゃうと、損することが分っちゃいますし。

年金は現役世代の保険料により、リタイヤ世代の年金を支えています。現在受給している老年世代は、今の現役よりはるかに安い保険料の負担でした。少子高齢化が進行している中、将来一体どれだけの年金が受け取れるのでしょうか。

 

負担額はどのように決まる?標準報酬月額

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そんな問題の見え隠れする社会保険料。この保険料って何をもとに決められているのでしょうか。

それは会社からの給与等の支給額で決まります。支給額が増えれば保険料も増えます。税金と同じですね。具体的には4月5月6月の3ヶ月分の支給額の平均が保険料額の基準となります。住民税と似た感じですね。住民税も同じ3ヶ月間の平均から税額が決まります。

支給額の平均から保険料が決定されるのですが、平均値にそのまま料率をかけるのではなく、その平均値から等級が決定されます。その等級により保険料が決まります。健康保険や介護保険は50等級、厚生年金は32等級に分かれています。等級については、以下の表をご覧ください。厚生年金の等級と標準報酬月額です。等級により標準報酬月額が固定されており、その標準報酬月額に料率をかけます。

厚生年金保険料の等級と 標準報酬月額
等級 標準報酬月額 報酬月額
    円以上   円未満
1 88,000   93,000
2 98,000 93,000 101,000
3 104,000 101,000 107,000
4 110,000 107,000 114,000
5 118,000 114,000 122,000
6 126,000 122,000 130,000
7 134,000 130,000 138,000
8 142,000 138,000 146,000
9 150,000 146,000 155,000
10 160,000 155,000 165,000
11 170,000 165,000 175,000
12 180,000 175,000 185,000
13 190,000 185,000 195,000
14 200,000 195,000 210,000
15 220,000 210,000 230,000
16 240,000 230,000 250,000
17 260,000 250,000 270,000
18 280,000 270,000 290,000
19 300,000 290,000 310,000
20 320,000 310,000 330,000
21 340,000 330,000 350,000
22 360,000 350,000 370,000
23 380,000 370,000 395,000
24 410,000 395,000 425,000
25 440,000 425,000 455,000
26 470,000 455,000 485,000
27 500,000 485,000 515,000
28 530,000 515,000 545,000
29 560,000 545,000 575,000
30 590,000 575,000 605,000
31 620,000 605,000 635,000
32 650,000 635,000  
参照元:日本年金機構ホームページより 

このように、人によって支給額は当然細かく異なってきますので、一定額に丸める感じになります。報酬月額が毎月の会社からの支給額です。例えば375,000円の支給額の場合は、23等級となり標準報酬月額は380,000円です。実際の支給額である375,000円に料率をかけるのではなく、38万円にかけて計算するのです。

健康保険の等級はさらに増えて50等級となります。厚生年金は32等級65万円が上限ですが、健康保険は50等級139万円が上限となります。詳しくは協会けんぽのホームページをご覧ください。

全国健康保険協会

この標準報酬月額に対して、一定の率をかけることで保険料が算出されます。厚生年金は18.3%、健康保険はだいたい10%で、介護保険がだいたい1.5%です。だいたいとしたのは、企業の健保組合や協会けんぽなら都道府県別で率が多少異なるからです。

例えば、標準報酬月額が440,000円だと、厚生年金保険料は18.3%をかけた80,520円です。8万!?払えるか!っていう金額ですね。これは労使折半する前の金額であり、その半分の40,260円が給与から引かれることになります。

 

 

通勤費は標準報酬月額に含まれる

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これまで標準報酬月額の根拠は、会社からの支給額の平均であると書いてきました。なぜ給料ではなく支給額と書いたのか。それは各種手当も標準報酬月額に含まれるからです。そう、通勤手当も含まれるのです。この支給額のことを、報酬月額といいます。

これが新幹線通勤をすると手取りが減るカラクリです。自分は広島岡山間の定期を購入しています。3ヶ月の定期代は約360,000円。やばいですよね。新幹線は6ヶ月定期が無いので、3ヶ月定期の値段です。一月だと約120,000円。

つまり、報酬月額が12万円も増加することになります。標準報酬月額の等級が上がるので、それに対応して保険料も増加します。それにより手取り収入が減るのです。

年金や健康保険の保険料は労使折半ですから、会社の負担も増えることになります。ただでさえ通勤費が高額なのに、社会保険料の負担も増えるのですから、新幹線通勤は会社にとっても負担が大きいのです。

近頃、テレワークが普及したことから、IT系の会社を中心に通勤費の支給を取りやめる企業が出始めました。有名な会社だと富士通ですね。

上記のように社会保険料を会社も折半していることを踏まえると、通勤費の支給取りやめは二重の意味で経費削減の効果があるのです。

まずは単純に通勤費の負担が減少します。たまに会社に行く時だけ交通費を精算するようにすれば、かなり交通費の負担が減るでしょう。

そして標準報酬月額の減少です。上記の表のように、標準報酬月額は2〜3万円単位で設定されています。月々3万円を超える通勤費の人は当然等級が一段下がりますし、そこまでの交通費ではないけど、ギリギリ上位の等級になっている人がいれば、一つ等級が下がるかもしれません。一人あたり数千円の削減ですが、社員数が多ければかなりの節減効果があるでしょう。

 

新幹線通勤をした場合の保険料を試算

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では新幹線通勤をすると、どれだけ手取りが減るのでしょうか。試算してみましょう。

例えばAさんの標準報酬月額は380,000円だとします。突然転勤を告げられましたが、家庭の事情で転居はできないし、単身赴任なんかできません。新幹線で通勤することに決め、会社からも認められました。

毎月の通勤費は120,000円ほど。標準報酬月額は500,000円にアップしました。では、保険料はどれだけ増えるのでしょうか。

保険料の差を計算

標準報酬月額380,000円の保険料

厚生年金保険料

380,000円×18.3%÷2=34,770円

健康保険料

380,000円×10%÷2=19,000円

合計53,770円

 

標準報酬月額500,000円の保険料

厚生年金保険料

500,000円×18.3%÷2=45,750円

健康保険料

500,000円×10%÷2=25,000円

合計70,750円

 

70,750円-53,770円=16,980円

なんと毎月約17,000円も手取りが減るのです。これは痛いですね。毎日新幹線に乗れるなんて良いななんて言われますが、そんなの1週間で慣れます。それより毎月17,000円も手取りが減るのですし、年間にすると約200,000円の負担増です。

会社も同額の負担が生じていますから、労使共に痛いのです。まあ、会社としては、今どき昭和の遺物である転勤をルーティンのようにやっているのですから、自業自得ではあります。

 

 

将来の年金額が増えるからいいのでは?

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厚生年金の場合、確かに多く払えば将来の年金額に反映されます。今の給付水準のままであればという前提ではありますが。

少子高齢化で今のままの給付水準は維持が難しそうなことは容易に想像できますし、年金受給開始年齢も引き上げられるかもしれません。

所得代替率といって年金額の現役世代の手取り額に対する比率は、現状は61.7%です。徐々にさがってきており、経済の低成長が続けば、2050年には40%代まで低下すると言われています。経済成長すれば良いのですが、今後人口が減少して確実に内需が減少するのですから、大きな成長は期待できそうもありません。

それに上で書いたように、労使を合わせた額だと受給額はマイナスになります。

なので年金の保険料として、若いうちからお金が吸い取られるって、かなり損なことのように思えてきます。それなら、つみたてNISAやiDeCoで投資に少しでも多くのお金を振り向けた方が得策ですよね。

 

まとめ

新幹線通勤と聞くと、なんだか羨ましく思われる方もいるでしょう。現実はそんないいものではなく、長い通勤時間がかかりますし、この記事のように社会保険料の負担額が増えて、手取りが減少してしまいます。嬉しくないこともあるのです。上の試算では、決して小さくない負担増であることが分かります。

新幹線通勤のいい点をあげるとすると、往復の新幹線内は自分だけの自由な時間が確保できることです。家だと子供もいるので、なかなか読書もままなりません。新幹線通勤をすることで、結構本を読む量が増えました。このブログを書く作業時間としても使っています。

社会保険料の増加分は、自由な時間を確保するための費用として考えることにしましょう。

 新幹線通勤のメリットやデメリットについては、こちらの記事にまとめています。

www.sunomono19.com

 

 

 

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