前回の記事では、この鞆の浦の旅行がGo Toといった割引施策を利用して、格安に行けたことを書いてきました。
今回の記事では、その鞆の浦ってどんなところなのかレポートしたいと思います。
広島市内からはちょうど良い感じに離れた場所にあり、気軽に非日常を味わえます。車なら高速を使わずに下道でのんびり行ってもいいでしょう。
鞆の浦って?
ポニョの街の参考にされたという鞆の浦。まさに海と崖に挟まれた漁村です。江戸時代から交易の港として栄え、今でも当時の港湾施設が残っています。全国でも江戸時代の港の設備が残っているのってここだけのようです。
古い街並みも現存しており、大きな屋敷や蔵もあります。恐らくかつては交易でかなり繁栄したのでしょう。当時の面影をあちこちで見ることができます。
また、坂本龍馬も関係しているようで、街のあちこちに龍馬がいます。かつて坂本龍馬らが乗ったいろは丸が衝突沈没する「いろは丸事件」が鞆の沖合で発生しました。その際、坂本龍馬は鞆で身を隠しました。隠れ家とされた家も現存しており、見学が可能です。
沖合の仙酔島へは渡船で渡りますが、その船名は「平成いろは丸」です。衝突しないといいですが。
アクセス
車の場合
市の駐車場があります。
福山市鞆町鍛冶駐車場
鷗風亭の隣にある大型の駐車場です。中心地からはちょっと離れた位置にあります。
福山市鞆の浦第1駐車場
渡船乗り場のすぐ隣です。
福山市鞆の浦第2駐車場
奥に鯛茶漬けで有名なお店があります。
公共交通機関
福山駅からバスに乗ります。駅の南口5番乗り場で、トモテツバスの「鞆の浦」か「鞆港」行きに乗車します。乗車時間は30分くらいです。運賃は530円。
鞆鉄道 TOP | 広島県福山市・トモテツグループオフィシャルサイト
鞆の浦の観光スポット
では鞆の浦の代表的な観光スポットを紹介していきましょう。ここに行けば、オーソドックスなスポットはコンプリートです。
常夜灯
鞆の浦のシンボルですね。石を積んで作られており、江戸時代から鞆の浦の港の安全に貢献してきました。近づいてみると結構大きく、6m弱あります。海の基礎を入れると10mの高さになるようです。
周囲は漁業で使う小型のボートが多数停泊しており、観光地であると同時に、漁業を中心とした生活の場であることも分かります。この常夜灯と多数の係留されたボートが、独特の雰囲気を醸し出しています。
さらに、常夜灯の周囲の石畳の堤防も江戸時代の造営であり、階段状の雁木が海へと落ちています。雁木とは、船から荷物を上げる設備です。広島市内の川にも多数の雁木が残っています。今はクレーンを使いますが、当時はそんなものありませんから、雁木に人が降りて人力で荷揚げを行ったんですね。
福禅寺対潮楼
ちょうど仙酔島行きのフェリー乗り場の向かいに位置します。平安時代から続く真言宗のお寺です。建物は江戸時代に建てられ、国の史跡となっています。
ここの見ものは何と言ってもその景色です。大きな窓から弁天島や仙酔島を眺めることができます。
かつては朝鮮通信使の迎賓館として使用されたそうで、「日東第一景勝」(日本で一番の景色)と謳われました。
確かに景色は綺麗で、遠くには瀬戸内の島々も目に入ります。ちょうど遠くに大きなタンカーが航行していました。
そして海からの風がかなり気持ちよく、そのまま寝転びたい気分でした。人が少なければ、それもありかもしれません。真夏の気温がかなり高い昼間に訪れましたが、エアコンなんかいらないほど涼しかったですね。
窓の反対側には本堂があります。実はここも見るべきポイントです。本尊は千手観音で、かなり綺麗な仏像です。その脇にも多数の仏像が安置されており、平安、鎌倉、室町、江戸と様々な年代のものがあります。
対潮楼の景色だけでなく、本堂の仏像もオススメです。
古い街並み
白壁の古い商家が多数現存しています。鞆の街中をぶらぶら歩くのもオススメです。映画の中のような白壁のある古い街並みは、足元も石畳となっており雰囲気バツグンです。
いくつかの古民家では、カフェが営業していますので、懐かしい空間で休憩もできますね。
街中には、昭和的な匂いも混じっています。下の写真のような飛び出し坊や?や、井戸の手動ポンプなどなど。是非探してみましょう。
飛び出し坊や?
名物の保命酒のお店です。
神社、仏閣
神社やお寺もたくさん集まっていますので、尾道のよう寺社めぐりも楽しめます。かつてここは鞆城の城下町であり、寺町通りが作られました。道沿いにたくさんのお寺が建っています。
その寺町通りを先には沼名前神社が鎮座しています。なんで読むのか分かりませんでしたが、ぬなくまじんじゃと読むようです。結構大きな神社です。
いざパワースポットの仙酔島へ
鞆の古い街並みを散歩したあとは、海を渡ってパワースポットの仙酔島です。対潮楼のちょうど向かいに仙酔島行きの渡船が出ています。約5分くらいの短い船旅です。
仙酔島は無人島ですが、宿泊施設が2カ所ありますし、キャンプ場もあります。
鞆の浦のランドマーク的な、鳥居や赤い祠(弁天堂)のある小さな島は弁天島であり、行くことができません。仙酔島はその後ろにある少し大きな島であり、仙酔島への渡船から弁天島を眺めることができます。
まずは渡船に乗ろう
福山市営の渡船で、真っ黒な平成いろは丸が行き来しています。一時間に3本程運行されています。
運賃です。往復料金なので、結構安いですよね。
大人(中学生以上):240円
子供(小学生):120円
幼児:無料
船内は木のベンチが置かれており、デッキで過ごすこともできます。船内には龍馬の写真がデンと掲げられています。
航行中は海上から鞆の浦の街を眺められますし、弁天島も近くから見ることができます。
あっという間に仙酔島へと到着です。
パワースポットへ足を踏み入れる
船着場に降り立ちます。仙酔島は敢えて言うならパワースポットがあるという感じで、逆に言うと何もないです。
ただ自然のダイナミックさを感じることができます。それ故にパワースポットなのでしょう。
まず岩が侵食されて作られた天然のトンネルをくぐります。
ちょっとした坂を上がると、売店が見えてきます。ソフトクリームなど販売されています。さらにその先には、2軒の宿泊施設が並んでいます。「人生観が変わる宿 ここから」と「国民宿舎仙酔島」です。
国民宿舎の前には綺麗な砂浜があり、ちょうど投げ釣りをされている方がいました。砂浜の後ろには広場とキャンプ場が広がっています。
砂浜の奥に海岸沿いの遊歩道の入り口があります。ここからいよいよパワースポットへ。
遊歩道沿いには、地質学的に貴重な資料となるような地層を見ることができ、ところどころ環境省が設置した解説板が立てられています。
海岸沿いに遊歩道が続いており、子供も安全に楽しめるでしょう。足元をよく見ると、小さな蟹が横断しています。カニさんカニさんと大喜びでした。
岩に穴があいていました。これも波の侵食で作られたようです。
さらに奥へと進むといよいよ五色岩に到着です。岩の成分が違うのか、岩肌の色が赤っぽかったり、緑だったりと色が分かれているのです。不思議ですね。パワーを感じましょう。
さらに奥へ行くと、砂浜が広がっており、塩を作る工房があります。塩を購入することもできます。その名も「感謝の塩」です。
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ちょっと遠回りして展望台へ
塩工房からはそのまま引き返してもよかったのですが、塩工房の横から階段が伸びており、そっちに行ってみることにしました。他の観光客の方達は、皆さん歩いて来た遊歩道を引き返していたので少し不安でしたが、地図を見ると国民宿舎前の広場に出られそうでした。
登り坂が続きましたので、当然家族からは文句が吹き出します。子供は疲れたと立ち止まってしまいましたので、抱っこするハメになりました。いや、運動不足の体には刺激となっていい感じです。
階段を登り切ると、道が二手に分かれます。右の道はさらに階段となっており、道標には展望台と書かれています。
行って正解でした。赤岩展望台です。鞆の浦の街並みが一望できます。なるほど、海と崖の街なんだなと実感できました。
綺麗な景色なのですが、子供はつまらんと言いますし、そもそも景色に興味の無い奥さんは展望台に上がりもしませんでした。なんてヤツらだ(笑)
帰りの渡船は時間帯に注意
展望台を過ぎると登り坂はなくなります。森の中の小道を、ミンミンゼミやツクツクボウシの声を聞きながら、森林浴です。のんびり歩いて、坂道(夫婦坂)を下ります。キャンプ場を横目に行けば国民宿舎前です。
渡船は一時間に3本運行されていますが、お昼の12時は2本です。ちょうどその狭間の時間帯に船着場に着きましたので、30分ほど待ちぼうけでした。自販機はありますので、飲み物は確保できます。のんびりスマホで撮った写真を見返していれば、すぐに黒いいろは丸がやってきました。
仙酔島何があるの?
岩があります。以上。そう、ぶっちゃけ言うと何もありません。地質に興味のある人は、かなり楽しめると思います。あと、パワースポットでパワーを感じられる人も。我が家にはそんな能力を持った人はいませんので、何もなかったなーという感想でした。うちの子供も、カニには喜んでいましたが、帰りに感想を聞くと「全然面白くなかった」でした。確かに子供はつまらんかもしれませんね。
ただ、のんびり散歩するのが目的であれば、とてもいい散歩コースだと思います。海岸線の遊歩道は、適度にアップダウンがあり、遠くには鞆の浦の街並みを見ることができます。海風を浴びながら、気持ちよく散歩できると思います。あと、登りですが、展望台もオススメです。せっかく鞆の浦に来たのですから、見ておいて損は無い景色だと思います。
まとめ
Go Toキャンペーンを利用して、格安で旅行ができました。一泊二日の鞆の浦旅行でした。
正直なところ行く前はあまり期待していなかったのですが、足を踏み入れてみると色々と見るべきスポットがあって面白かったです。
上では紹介していませんが、鞆の津ミュージアムという少し変わった美術館もあります。古民家を改装したカフェもあったりして、さらに新しい風が吹けば、さらに古さと新しさが融合した楽しい観光地になるのではないでしょうか。
鞆の浦の観光のあとは、車であれば尾道や倉敷にも足を運べます。二日目の午前中で鞆の浦の観光を終え、そのまま車で倉敷のアウトレットに行ってきました。美観地区で観光してもいいですね。
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