ある日何気なく観葉植物の葉を眺めていると、裏側に何やら赤い点のようなものがあります。他の葉にも付着しているようです。
これはもしや。植物の育て方を調べていると、注意すべき害虫としてカイガラムシやハダニの記述を目にします。この大きさから察するにこれはハダニに違いない。ネットで調べてみると、まさしくご本人様登場です。
ここからハダニとの戦いが始まります。ハダニは、なかなかの強敵でした。色々と策を講じてみましたが、一旦いなくなったと思ってもすぐにハダニさんこんにちは状態です。しぶといのです。
しかし、最終的には勝利をおさめることができました。ダニ太郎のおかげです。ダニ太郎により駆除ができるまでの経緯をここに記します。(2022.6更新)
・ハダニの悪事とは?
・ハダニは水が苦手
・ハダニの対処方法。水攻めや効果的な薬品について。
ハダニに侵されるとどうなるの?
まず、気持ち悪いですね。観葉植物は部屋の中に置いておくものですが、そこに虫がついているとなると穏やかではありません。ハダニは繁殖能力が高く、放っておくとすぐに大量発生してしまいます。
ハダニはクモの仲間で、大量発生すると糸のようなものを出して、葉の裏に巣を作ります。
葉の裏で何をするかというと、葉の葉緑素を吸うのです。ハダニにやられた葉は、点々と葉に白くなった部分が出てきます。植物は葉緑素で光合成をしていますので、ひどくなると枯れてしまう恐れもあります。
ハダニが苦手なもの 水攻め
ハダニは乾燥した環境が大好きです。なので逆に水分を苦手としています。確かに霧吹きなどで直接水をかけると、吹き飛んでしまいます。
霧吹きで葉の一枚一枚に吹きかけるのでもいいですし、お風呂でシャワーをかけるのも駆除に効果的です。
ハダニが発生した観葉植物は?
フィカス・ベンガレンシス(ベンガルゴム)と、ドラセナ・マッサンゲアナ(幸福の木)にやつは出現しました。特にベンガルゴムが酷かったですね。何度退治しても現れるのです。不死身かと思うくらいです。
写真の中心にある小さな葉に赤い点が二つ付着しています。ハダニです。
戦いの歴史 ハダニの対処法について
なんとかハダニを駆除するべく、ネットで色々情報を集めてみました。なるべく化学的ではなく、自然な方法で駆除したいと考えていました。実施した対策について、順番に述べていきます。
まず濡れたキッチンペーパーで拭き取ってみた
対処法を調べてみると、数がまだそれほど多くないのであれば、拭き取ればOKと書いてありました。
幸いにもまだ大量発生には至っておらず、まばらに点在しているような状況でした。それぞれの葉っぱの裏をよく見て、赤い点がいれば拭き取ります。
もちろん物理的に拭き取りますので、一時的にいなくなります。
ドラセナ・マッサンゲアナについては、何度か拭き取りをすれば、もう現れなくなりました。もしかすると、ベンガルゴムで発生したハダニがたまたま何らかの理由で移っていたのかもしれません。
霧吹きで水攻め
ハダニは、水分に弱い。早速ホームセンターで霧吹きを購入し、拭き取りと同時に葉水も行なうようにしました。それに定期的に水分を与えるよう、1日1回は霧吹きするようにしました。
拭き取った後数日してから観察すると、なぜかまたいます。何度か拭き取って葉水を繰り返しましたが、全然根絶できません。
そこで鉢植えをベランダに出して、霧吹きのゼロ距離噴射による水攻めを敢行することにしました。葉の裏1枚1枚にプシャーっと水攻めです。葉からしずくがしたたり落ちます。まるで大雨の後のようでした。
もちろん作戦終了後は敵の姿は見えません。全滅です。これで安心でしょう。
そう思ったのも束の間、数日経つとこれまた赤い点が!何度倒しても現れます。かなりしぶとい強敵です。この水攻めも何度か行ないましたが、結果は同じでした。
卵が残っていて、数日経つと孵化してしまうのでしょう。
いつもこのスプレーを使用しています。ボトル内のホースがフレキシブルに動くので、どんな角度でも水を出すことが可能です。また、ロングノズルがピンポイントで霧吹きするのに非常に役に立ちます。見た目はオシャレではありませんが、とにかく便利です。
マルハチ産業 ザ・スプレー ロングノズル付 500cc(振子ホース)クリアボトル どんな角度でも使用可能 57
化学の力に頼るが、ハダニはしぶとかった
なるべく殺虫剤のようなものは使用したくありませんでした。室内に置く観葉植物なので、気分的に何か嫌ですよね。
まずはマラソン乳剤というものを使用しました。ホームセンターで購入しましたが、パッケージには対象の害虫としてハダニの文字もあります。これがまたとてつもなく臭いです。こんな臭いの効くに決まってるでしょ。
殺虫剤を使えばもう大丈夫だろうという考えが甘かったのです。霧吹きでかけましたので、水攻めと同じ要領で一旦はいなくなります。
しかし、しばらくすると涼しい顔して現れるのです。体長が0.5mmと小さいので、涼しい顔をしているのかは分かりませんが。
調べてみると、ハダニというのは殺虫剤に対して耐性がつきやすいのです。よく抗生物質への耐性菌が問題となっていますが、ハダニもそうなんですね。耐性の問題で、連続散布は避けるよう説明書にも記載されています。
マラソン乳剤は古くから使用されており、恐らくうちに現れたハダニはマラソンへの耐性を持っていたのでしょう。
やはり強敵です。
救世主現る その名はダニ太郎!
その名もダニ太郎です。金太郎、桃太郎、そしてダニ太郎。太郎がつくと強いんでしょうか。そう言えば、駄菓子で蒲焼さん太郎ってありますね。焼肉さん太郎もあります。幼い頃からこの太郎って何でついてるのか疑問に思っていました。
そんなことはどうでもよく、とにかくそのダニ太郎です。ダニ太郎に出会うまでは、マラソン乳剤に効き目がなかったので、定期的に水攻めをして大量発生を何とか食い止めていました。
そんな時ホームセンターの園芸品コーナーで、ふと太郎に目がいきました。卵にも効くと書いてあります。ネットで調べてみても、かなり評判も良かったです。
早速買って帰り、水で薄めて霧吹きでかけてみました。
最初からこれを試しておけば良かったですね。散布してからしばらく観察してみましたが、再び赤い点が発生することはありませんでした。卵にも効いて、孵化しなくなったのでしょう。
一月ほど経過しても、ハダニに姿は見られません。ダニ太郎により駆除が成功したようです。ダニ太郎に救われました。太郎!
追記 散布から1年後の様子 2021年7月
この記事を書いたのが2020年の7月のこと。現在は21年7月。ダニ太郎を使用してから1年近く経過しました。
1年の間、ハダニが発生することがありませんでした。なるべく霧吹きで葉水をしたのも要因かもしれません。定期的な葉水は害虫を予防する効果があります。
本当にダニ太郎の効果がどうかは不明ですが、春から初夏にかけてハダニが発生しなかったのは、ダニ太郎はハダニの卵まで効果があるようなので、根こそぎ駆除できたからでしょうか。
<2022.6さらに追記>
ダニ太郎でハダニを退治してから約2年が経過しました。やはりまだハダニは発生していません。
まとめ
部屋の中の観察植物に虫が発生したら、なんか気分が悪いですよね。一度見つけたら最後、もう気になってしょうがなくなります。
今回はハダニとの戦いを記事にしました。ダニ太郎により駆除に成功しましたが、本文中にも書いたように連続して使用してはいけません。ハダニは耐性をつけやすいので、ダニ太郎が効かないハダニが生まれてしまう恐れがあります。一度駆除したけど、しばらくたってまた出た場合は、別の殺虫剤を使用した方がいいそうです。輪番散布やローテーション散布といいますが、園芸や農業では結構一般的です。
なんとモンステラにもハダニがついていました。こちらは薬剤を使用せずに、霧吹きではなく徹底的にシャワーで水をかけてみました。発生初期であれば、この方法も有効そうです。