よくあるマンションの間取りは、田の字型と言われるものです。まさしく田んぼの田の字のような間取りですので、そのように呼ばれています。一般的なファミリータイプのマンションであれば、ほとんどがこの田の字型の間取りが採用されているのではないでしょうか。
よく個性が無いと批判されることもあります。しかし、それだけ多くのマンションで採用されているということは、何かと合理的な間取りでもあるのでしょう。住むのに問題があるのなら、クレームが出て採用されなくなるはず。我が家のマンションももちろん田の字間取りです。
そんな田の字型。一番奥のベランダ側にリビングが配置されます。
そして、そのリビングの形。縦型と横型の2パターンに大別することができます。縦と横どちらにするべきか、購入を検討される方の頭を大いに悩ませる原因でもあるのです。我が家は横型リビングの部屋を選択しました。
今回の記事では縦型と横型のメリットとデメリット、そして我が家が横型を選んだ理由を紹介します。
・縦型リビングと横型リビングの間取りの違いについて
・縦型リビングのメリットとデメリット
→メリット:リビングとダイニングが一体的、家具が配置しやすい、きちんと3部屋確保できる
→デメリット:リビングの窓が小さくなる、キッチンが暗くなる
・横型リビングのメリットとデメリット
→メリット:リビングが明るくなる、食事とくつろぎスペースの分割
→デメリット:窓の無い部屋ができる、壁が少なく家具の配置が難しい、カーテンが高くなる
・我が家が横型を選んだ理由は開放感
・観葉植物を置くなら、横型が適している
縦型リビングと横型リビング。どんな間取り?
下の図のように、リビング、ダイニング、キッチンが縦に配置されているレイアウトが縦型です。リビングの隣に一部屋あり、大抵の物件ではスライドドアで仕切られています。
対して横型は、下図のようにLDKが横に広がったレイアウトです。キッチンの前のスペースは比較的狭くなります。ダイニングとしての使用を想定したスペースですね。物件によっては、キッチンカウンターからベランダ窓までの距離が短く、あまり大きなテーブルが置けないこともあります。
縦型リビングのメリット
では縦型リビングにはどんな利点があるのでしょうか。検証していきます。
・リビングとダイニングが一体的
横型の場合、キッチンカウンター前のスペースをダイニングとして使用します。キッチンとダイニングは繋がりがありますが、リビングとは少し隔絶されたような配置となります。縦型の場合は、キッチン、ダイニング、リビングが1列に配置されますので、LDKがより一体的な家族団欒のスペースとなります。キッチンから、全体を見渡せます。
・家具の配置が容易になる
キッチン、ダイニング、リビングが一続きに配置されますので、壁面の面積も大きくなります。食器棚や書棚などの家具は壁面に沿って配置しますから、壁の面積が大きいほど配置スペースが増えます。家具の選択肢が広がりますね。
・きちんと3部屋確保できる
横型の場合、どうしても窓の無い部屋ができてしまいます。プライバシー面でも個人部屋としては使いにくい部屋です。和室になっていることも多いですね。来客のための部屋か、お父さんや赤ちゃんのゴロ寝スペースとしてしか用途がありません。
縦型の場合はスライドドアなどで仕切ることができますので、例えば夫婦の寝室として使用することも可能です。ベランダに面していますので、リビングとエアコンを分けることができます。
縦型リビングのデメリット
では、どんなデメリットがあるのでしょうか。
・リビングの窓が小さくなる
以前は縦型リビングの2LDKに住んでいたこともありました。あまり広くない部屋でしたので、LDKに隣接する部屋もスライドドアを開放してリビング的に使用していました。横型リビングの場合は、ベランダに面して全面的に窓となりますが、縦型で上記のような使い方をする場合どうしてもベランダ面に壁ができてしまいます。
また、スライドドアを閉めてLDKだけで使う場合は、当然横型に比べて窓の面積が小さくなります。少し暗くなりますね。
・キッチンが暗くなる
横型に比べてキッチンが奥の方に入り込むことになりますから、ベランダからの光が届きにくくなります。角部屋であればキッチンの横にベランダへ抜けるガラスのドアが設けられますので、暗いというデメリットは無くなりますね。
横型リビングのメリット
我が家が選択した横型リビング。どんなメリットがあるのでしょうか。
・リビングの窓が大きくなり明るくなる
ベランダに面して一面窓になりますので、開放感があります。景色のいい物件であれば、よりそのメリットが感じられるでしょう。また、窓が広いので、それだけ部屋が明るくなります。
・食事とくつろぎのスペースが分けられる
縦型はダイニングとリビングが一体的であると上で書きましたが、逆に食事スペースとくつろぐ場所は分けたいというニーズに対しては、横型リビングが選択肢となります。
横型リビングのデメリット
我が家が選択した横型。もちろんメリットだけでなく、デメリットもあります。
・窓の無い部屋ができる
横型の場合、下記の図のようにどうしても使いづらい部屋ができてしまいます。和室などになっていることが多いです。襖を閉めればリビングと区切ることができますが、窓がありませんしエアコンの空気も届かなくなってしまいます。なので襖はずっと開放している家も多いのではないでしょうか。
・壁が少ないので家具の配置が難しい
上記のように真ん中に部屋ができてしまいますので、壁も途中で区切られてしまいます。家具が設置できる壁面が小さくなりますので、縦型に比べて置ける家具が限られます。
・カーテンが高い
窓の面積が大きくなると、それだけ大きなカーテンが必要となります。ニトリなどの既製品では合うサイズが無いので、オーダーカーテンとなります。レースのカーテンと遮光のカーテンを揃えると結構なお金になります。
我が家が横型を選んだ理由
結果的に我が家は横型を選択しました。理由としては、やはり開放感が大きいです。うちのマンションは目の前にあまり高い建物が無いので、景色はいい方だと思います。間に壁があるよりは、全面窓で明るく開放感を感じたいと考えました。
また、設計変更により真ん中の部屋を無くすことを検討したのも理由の一つです。もともとは和室であったのですが、和室を無くしてリビングを広げることにしました。
それによりリビングの畳数が増えるのと同時に、壁面の面積が大きくなることから家具が置きにくい問題を解決できました。本棚を置きたいと考えていましたので、もともと和室であったスペースの壁に本棚を設置しました。
観葉植物を置くには?
耐陰性のある植物もありますが、大抵の植物は日光が必要です。観葉植物は、心をリラックスさせる効果や、空気清浄効果のあるものがあり、何よりも部屋がオシャレになります。
また、小型のものから大型のものまで様々な種類があり、組み合わることでよりオシャレな部屋を演出することができます。
観葉植物は一つ置くと、さらに増やしたくなります。一つ買った直後はいいのですが、すぐに物足りなくなり、別の種類の植物を買い足したくなるのです。
そんな沼にハマった場合、窓の面積が広い横型リビングの方がよりたくさんの観葉植物を置くことが可能です。
何かしら部屋に植物を飾ろうとされている方には、横型リビングがおすすめです。
まとめ
リビングを横型にすべきか、縦型にすべきか。形の自由な一軒家にはない、マンションならではの悩みではないでしょうか。
どちらを選んでもメリットデメリットありますので、自分の生活様式や世帯の人数などを考慮して選択しましょう。
設計変更をして、縦型であればリビング隣の部屋を、横型であれば真ん中の部屋を潰してリビングを拡張すれば、横であろうが縦であろうが同じ形にはなります。ただ、横型の場合はもともとベランダの面が全面ガラスになっていますが、縦の場合はどうしても真ん中に壁が残ってしまいます。なので開放感を求めるのであれば、最初から横型を選択しましょう。壁が残ったら残ったで、本棚などを設置できるスペースになりますので、もう個人の好みの問題になりますね。